喜多郎ミュージック・ガイド
Young Persons' Guide to KITARO Music #4



SILK ROAD VOLUME 1
絲綢之路


released 1980

SILK ROAD / 絲綢之路
BELL TOWER / 鐘楼
HEAVENLY FATHER / 天地創造神
THE GREAT RIVER / 遥かなる大河
THE GREAT WALL OF CHINA / 長城
FLYING CELESTIAL NYMPHS / 飛天
SILK ROAD FANTASY / シルクロード幻想
SHIMMERING LIGHT / 光と影
WESTBOUND / 西に向って
TIME / 時の流れ
BODHISATTVA / 菩薩
EVERLASTING ROAD / 永遠の路

all songs written and arranged by KITARO

NHKのTV番組「シルクロード」 のオリジナル・サウンドトラック盤。音楽的には前作「OASIS / オアシス」の路線で、一曲一曲のarrangeはシンプルなんだけど、表現の豊かさは「OASIS / オアシス」ほど豊かではない。あの“何でもあり!”的な自由奔放さは、「OASIS / オアシス」よりもさらに少なくなったワケだけど、アルバム「"TEN KAI" ASTRAL TRIP / 天界」「FROM THE FULL MOON STORY / 大地」では無限に広がっているかのように聴こえたKITAROさんのイマジネーションが、“シルクロード”というテーマを持つことによって限定されてしまったんだろうか?

全体として印象的なメロディは少なく、印象的なフレーズは多くのモノが断片的に終わってしまって、listenerをトランス状態に引きずり込むようなpowerに溢れてるわけでもない。結果として、印象に強く残る曲が少ないアルバムになっている。“KITAROさんらしいアルバム全体の流れ”も、実に弱々しい。KITAROさんの全discographyの中では弱い部類のアルバムと言わざるを得ない内容だから、これからKITARO Musicを聴いてみようとしてる人が最初に聴くアルバムじゃあないね(KITARO Musicじゃあなくって、TV番組「シルクロード」 の音楽が聴きたいなら、構わないけど)。

そんな中で、番組のテーマ曲でもある "SILK ROAD / 絲綢之路" のpopさ、親しみやすさは、この時期のKITAROさんのレパートリーの中では特筆モノ。Liveでも好んで演奏され続けている大代表曲であると同時に(ただし、普段KITAROさんのliveで聴ける演奏は、むしろ次作「絲綢之路 II」に収録された "SILVER MOON / 絲綢之路〜黒水城の幻想(SILVER MOON)" の前半で聴ける演奏や、アルバム「TEN YEARS / 喜多郎全曲集 THESE 10 YEARS」収録の "THEME FROM SILK ROAD / 絲綢之路" の方が断然近い)、TV番組「シルクロード」 の人気も手伝って、最も人々に知られたKITAROさんのレパートリーでもある。だからこそ、これからKITARO Musicを聴こうとしてる人が憶えておく べきコトは、「この "SILK ROAD / 絲綢之路" がKITARO Musicの全てではない」というコト。美しくシンプルなメロディはKITAROさんのトレードマークの一つになっていくワケだし、"SILK ROAD / 絲綢之路" はそういう曲の代表格の中の一曲だけど、この曲だけではKITARO Musicの“魅力”や“魔力”の15%も表現されてないというコトも、また事実(他にどんな“魅力”や“魔力”があるのかは、他のアルバムの紹介を読んでね!)。

発表当時は、TV番組の大ヒットもあってKITAROさんは一躍“時の人”となり、このアルバムの売上枚数も100万枚を越えたとも言われてる。でも、それはもう20年以上前の話。KITAROさんはこの後、世界をギャフンッ!と言わせるような評価の高いアルバムを何枚も発表してきているというコトも、お忘れなく。

"WESTBOUND / 西に向って " と、liveアルバム「IN PERSON / イン・パースン」収録の "WESTBOUND / 西への想い" は、英題は同じだけど別の曲。




「英題がちがう」と思ったらKITARO Music 英題“同じ曲”表


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