喜多郎ミュージック・ガイド
Young Persons' Guide to KITARO Music #16
MYSTERIOUS ENCOUNTER
SUNDANCE
THE FIELD
THE LIGHT OF THE SPIRIT
IN THE BEGINNING
MOONDANCE
HOWLING THUNDER
JOURNEY TO A FANTASY
all songs written and arranged by KITARO
additional musicians:
David Grisman: mandolin
John Meyer: flute
Lynn Ray: vocal
Jeannie Tracy: vocal
David Jenkins: electric guitar
Bobby Vega: electric bass
Zakir Hussain: percussion
Jose Lorenzo: percussion
Bobby Black: pedal steel guitar
Tomoyuki Hayashi: keyboards
Norihiro Tsuru: violin
Hiroshi Araki: guitar
Mickey Hart: percussion, spatial effects
前作が、あの“ほのぼの”とした「TENKU / 天空」だったことがウソのような、緊迫感あふれるスリリングなアルバム。KITAROさんの場合、アルバムの冒頭部分がアルバム全体を象徴してるケースがよくあるけど、このアルバムと「TENKU / 天空」とのちがいなんかは、正にアルバムの冒頭部分の雰囲気によく表われてるね。アルバム全体にピリピリした雰囲気があって、それでいて各曲の構成はpop music的な憶えやすさがある曲が多くて、メロディもフレーズも強く印象的なモノが多い。Arrangeもほとんどの曲が実にダイナミックで...dramaticで....半分くらいの曲でKITAROさんのrock spiritが炸裂してて...そうそう!KITAROさんが普段liveで聴かせてくれるような演奏が、そのまんまスタジオ録音のアルバムになったようなカンジと言えば、当たらずとも遠からず!かな(笑)。“アルバム全体の流れ”もダイナミックな起伏があって、美しくdramaticだね。ほのぼのとした雰囲気もチョットはあるんだけど、やっぱりarrangeがdramaticなせいか、アルバム全体にはマッチしていて、むしろいいコントラストになってるように感じる。
まちがいなくKITAROさんの傑作に数えられる一枚。収録曲 "THE LIGHT OF THE SPIRIT" でメインのメロディが女性のスキャットによって歌われるコトをはじめ、このアルバムで初めて登場した音楽的要素もあって新鮮だし、KITARO Musicが進化してるカンジが表れてるね。
KITAROさんはこのアルバムの共同プロデューサーにGrateful DeadのメンoーのMickey Hartを迎えている。もともとKITAROさんはrock musicianだし、Grateful DeadとかKing Crimsonとかの類いのrockが好きだし、KITARO Music自体もrockっぽいから、驚くようなことではないけどね。まあ、クレジットの上でもKITAROさんの“rock魂”がわかりやすいカタチで出てきたってカンジだね(笑)。Additional musicianのほとんどが、Mickey HartがKITAROさんに推薦した人物だと言われてるけど、次作「KOJIKI / 古事記」以降にKITAROさんがMickey Hart抜きで創っていくアルバムの内容を考えると、このアルバムがMickey Hartがいるから特別なモノになったというカンジは全然しない。ただ前作からの変化を考えると、ある種の起爆剤になった可能性は充分あるね。
なお、このアルバムの日本盤の初回発売盤には、アルバム・タイトルにも曲名にも日本語表記がありませんでした。これは明らかに制作側の意図的なものと思われるので、ここでもそれを尊重して日本語表記をしていません。
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