憧れのヨセミテ国立公園

実は我が家の予定では三月中旬に行くつもりで、ヨセミテロッジを予約していたのだが、パパの仕事が殺人的に忙しく、キャンセルして、ようやくのことで行けることになったのだ。

ヨセミテロッジはさすがに予約できず、今回はカリービレッジ内のテントキャビンに泊まる。1泊42ドルで安いが、行ってみた感想からいうと、この設備でこの値段はぼってんのとちゃうか、という感じ。まあ、泊まれたからよしとするか。

詳細地図が見たい人は ここのサイト (キャンピングのところのマップを開いてみるといいです)で見てください。

荷物

二口コンロ、プロパンガス、テーブル&チェア(一体になっているもの)、子供用寝袋、毛布、包丁、まないた、ペーパタオル、紙皿、紙コップ、おたま、しゃもじ、ビニール袋たくさん、おもちゃ、サンダル(シャワー用)

食料

米、カレールー、塩、じゃがいも、にんじん、牛肉薄切り冷凍、たまねぎ、枝豆、コーン、焼き蕎麦冷凍、ブタ薄切り冷凍、ねぎ、キャベツ、もやし、メロン、もも、オレンジ、ぶどう、ハッシュドポテト冷凍、ハム、子供用お菓子、飲料水1リットル入り6本、炊事用水1ギャロン、

7月10日(金曜日)

朝七時出発の予定だったが、結局45分遅れ。パパが前日睡魔に負けて家のスプリンクラーのセットをせずに寝てしまったのが敗因。ガソリン補充とタイヤのエアーチェックにスタンドに寄り、ガソリン10ドル以上いれるともらえるコーヒーを片手に出発。

LAエアポートの手前で、米をつみ忘れたことに気づく。今夜はカレーライスなのに。(ビデオに向かってカリービレッジでカレーを食べる、というしょうもないダジャレをいうつもりだった)405から5号に乗り換え、さらに99に乗り換えるとフレズノという町になる。その先、ヨセミテに入る直前の町はとても大きく、そこのスーパーマーケットに飛び込んで米をゲット。1キロ2ドルしない。味もまあまあだった。ちなみにここのモールには日本食レストランもあったぞ。帰りに寄ってみたが、日曜日は夕方5時からしか開かないらしかったけど。

もちろん、朝食は車の中でサンドイッチ(お手製。卵ときゅうりが好きなのだ)、昼食はレストエリアでおにぎりとコロッケとさくらんぼパイ(とりとめがないのは残り物のせい)を持ち込んだ。さくらんぼパイは夕食後のデザートのつもりで冷凍を持ってきていたのだが、クーラーボックスを開けてみると、汁が垂れていて、シートが濡れていることが判明、すぐに処分とあいなったのである。洗剤ですぐに拭いたので、大事には至らず。ただし、うちの子はこのパイしか食べなかったが。(おにぎりをクーラーボックスに入れていたので、かたくてまずかったのだ)

3時半ごろ、ヨセミテ国立公園のエントランスゲートに到着する。マリポサグローブ(セコイアの巨木が茂るポイント)を見たかったが、テントキャビンがどんなところかかなり不安だったため、諦めてまっすぐにカリービレッジを目指す。

カリービレッジは林の中にあった。一戸建てロッジと木枠にテントをかけたテントキャビンが混在する。ただし、駐車場からかなり遠いのが難点。子供は歩かないし、荷物は重いし、大変だった。ここはバスなしの部屋がほとんどなので、シャワー室に行くのだ。なんとプールも併設していた。日程に余裕がある人は水着を持っていくといい。ただし朝10時から夕方6時までだけど。いや、その時間じゃないととてもじゃないが涼しすぎるだろうなあ。

テントキャビンはなんだかわびしい感じだった。鍵もかかるし、ベッドメイクも来てくれるのだが、明かりは裸電球一つだし、一人で泊まるのは絶対に嫌だなあ、と思う。わたしたちのキャビンは山の中で、駐車場からかなり遠かった。その分静かで、朝なんか、鳥の鳴き声で目が覚めるという最高のロケーションではあったが。子供には子供用寝袋(子供の好きなプーの絵柄がついている)、わたし用に毛布を一枚持っていっていたが、持って行っててよかった。朝方ものすごく冷え込んで、肩口が寒くて何度も目が覚めた。毛布は余分にたくさん積んではあるが、あんまりあったかくないんだな、これが。パパなんかは暑がりなので持っていかないといいはっていたけど。寒がりの人は寝袋か厚手の毛布を一枚、持って行った方がいいでしょう。

夕食をここで作る予定だったが、ここはクッキング禁止なので、ピクニックエリアを探した。そこでカレーをつくり、枝豆とコーンを添えて食べる。所用時間三十分はなかなか。レストランより早くて子供を林の中で遊ばせられるので楽。二口コンロをひとつと無水鍋ふたつを持っていった。

残りの食料はクマが出るので専用ロッカーにいれる。トランクに見えないように入れておいてもよかったのだが、パパが心配性なもので。

7月11日(土曜日)

朝6時十分前、子供にたたき起こされる。さむい。朝方かなり冷え込んで、肩口が寒くて何度も目が覚めたのだ。鳥が鳴いていてなかなかさわやかな感じ。洗顔と歯磨きにいく。

朝食も作ろうとハッシュポテトの冷凍とハム、果物各種を持ってきていたのだが、ピクニックエリアまでまたでかけるのが面倒だったので、カフェテリアで済ませる。いつも思うのだが、カフェテリアでの朝食って量はないのに、どうしてこんなに高いのだろう。

今日はハイキングをするのが目的だったので、ヨセミテビレッジのすぐ裏手にあるヨセミテ滝にシャトルで行く。アッパー滝まではさすがに歩けないが、ここはロウアー滝だけで我慢してミラーレイクも行くことにする。

ヨセミテ滝のロウアーは歩くというほど距離はない。だが、今年はいつまでも寒かったせいか、水量が豊富で、迫力があった。水飛沫がすごい。それに冷たい。子供は前日からお稽古していた「滝」という言葉を完全にマスターした。

ミラーレイクに挑戦した。湖をほとんど一周したので、4キロほどは歩いたことになる。パパもがんばった。もちろん、背負ったままで行ったのである。まあ、途中半分以上舗装道路だったので、歩くのは楽だったけど。

パパがいうのは日本の上高地みたいなところらしい。わたしは上高地というのはいったことがないのでわからないが。水は澄んでいて緑色をしている湖はそれほど水量があるわけではない。ここはどんどん堆積していって埋まっていってしまうため、一度、掘り起こす工事をしているらしいところまで、上高地と同じらしい。

ここで車に乗って一路、トォルムミドオへ。タイオガロードをつっぱしり、途中のテナヤレイクのピクニックエリアで焼き蕎麦にしようというのだ。時刻は11時すぎ。走り出してまもなく、子供は寝てしまったので、ラッキーと突っ走ったのである。テナヤレイクはものすごく美しかった。うーん、ここで焼き蕎麦をするというのは、とてつもなく優雅ではないか、と思った。ゴムボートを楽しむ家族もある。しかしここで煮炊きしているのはわたしたちだけで、他のグループはもってきたスナックとドリンクですませていた。まあ、ピクニックエリアでまともなものを作っているのはわたしたちだけで、バーベキューをのぞくとほとんどがスナックとドリンクだけのグループばかりだったけど。

タイオカロードにはまだ雪が残っていた。冬期は封鎖になる道路なのだ。キャンピングもまだ閉鎖していた。ヨセミテビレッジであれだけ寒いのだから、三千メートルほどもある標高のここでキャンピングなんかしたら凍死するかもしれない。高原はものすごく美しかった。パパはもうここの山の景色に心を奪われ、またしても写真家に早変わり。こうなるとわたしは単なるカメラマン助手兼子守りである。

ガソリンをいれて帰ってきてシャワールームにいったが、昨日より混んでいたので、先に食事にする。終わってもう一度いったが、あまりすいてはいない。昨日はわたしが子供を連れて入ったので、今日はパパが連れて行く。だが、根性がないのか技術がいまいちなのか、結局、その時にはパパは子供だけ洗ってでてきた。パパはこどもを寝かしつけてから再度シャワールームにいった。

7月12日(日曜日)

今日はパパの36回目のハッピーバースデーである。朝、ハッピーバースデーを子供といっしょに歌ってあげると、え、今日だっけなんていっていた。

きょうはグレイシャーポイントにいく。ここはヨセミテビレッジの真上になる。昨日のトォルムミドオよりは低いが、シェラネバダ山脈を一望できるのだ。パパがカメラを離さなかったので、わたしが運転することになる。くねくね道ばかりだったので、助手席に座っているよりよかった。気持ち悪くなりそうだったもんね。

十時半にそこを出発しなければならなかったので、かなり急いだ。子供を抱えていると、昼時をはずせないからスケジュールがきつくなる。パパはここでかなり写真をとり、ビデオをまわしたので、満足したらしい。

マリポサグローブが見られなかったが、夏じゅうにセコイア国立公園に連れていってもらうことにして、帰路につく。お米を買ったところの町のケンタッキーで昼食をとる。ここの町はどうやらリタイアした人がたくさん住んでいるらしく、わたしたちのような見るからにツーリストという人間に気軽に話し掛けてくる。ただし、わたしはもとより、パパの英会話レベルも大したことないので、世間話までは発展せず。ジジババたちもがっかりしたことだろう。(というより、パパは口下手なのである。世間話など、日本語でもおぼつかないという話もある)

帰り道、キャンピングカーが一台燃えたらしく、ちょっと渋滞していたが、六時すぎにトーランスのさぬきの里に到着。うどんとそばのセットメニューを食す。ここのモールにおいしいケーキ屋さんがあるので、ここでケーキを買う。十ドル。

帰宅してからこのケーキに三十六本はちょっとろうそくをたてられなかったので、六本だけたててハッピーバースデーをした。パパ曰く、ケーキにろうそくをたてたのは何十年ぶりかだそうな。

欄外

この旅行で、二歳一ヶ月の息子は「山」「森」「川」「滝」を理解した。発語がかなり遅いので心配していたが、ここ一週間ほどですこしずつ言葉をいうようになっているので、すこし安心しているのだが。(女の子ってどうしてあんなに言葉が早いんだろう。女の子同士遊んでいるのを見ると、かわいい、と思うが、男の子同士遊んでいるのを見ると、ただの怪獣である。わおわおうるさいだけ)