ゆたか1998-6


物質が欲しいと、あなたが言う 用意された体験が欲しいと、あなたが言う あなたはこれまでも、求め そして、手に入れてきた そして、その繰り返し 何を手に入れても、あなたは十分だとは思わなかった どこまで行っても、世界は広がっていた そこで、何を見つけたのですか そこで、何を得たのですか 人は何も持たずに生まれてきます 人は何も持たずに去ってゆきます 1998/8/12
あなたと遠く離れたと気づくとき 無意識の不安と寂しさを感じてる 記憶のどこかにある、いつかの場所で あなたとわたしは一つだった わたしとあなたの心は 一つであるようにどこまでも続いていた わたしは分離することを選択したのだ わかっている わたしは永遠を感じなかったのだ わたしは至上の喜びを見出さなかったのだ それでも わたしは自分の一部を失ったような哀しみを 静かに見つめている 再び統合が訪れるまで 1998/8/12
触れ合う手と手 子供のように、されるがままのわたし 子供のように、無邪気に喜ぶあなた いつか、遠い記憶の中で 時の迷路をさまよう二人 嗚呼、求めていたのですね あなたの愛を感じています 嗚呼、怖かったのですね まるで、小さな子供のように それでも、精いっぱい生きてきたのですね 感情は水と音で、静寂な夜に訪れる わたしは、その感情の名前を知らない 1998/8/12
柔らかでしなやかな小さな身体 きらきらと光る艶のある髪 好奇心に輝くつぶらな瞳 くるくると変わる無邪気な表情 光に映える透き通る肌 あなたは気づきもしないけれど それは一瞬 あなたは気にもとめないけれど 追いかける視線 1998/9/14
封を開ければ あなたからのコピーメール いくら、あなたに書いてみても いくら、あなたを待ってみても 返事は来ない それでも 忘れたようにやってくるコピーメール 嫌いだったら、送らなければいいのに 面倒だったら、やめればいいのに そんなよくわからない気持ちはいらない 1998/9/14
一瞬に生まれ、一瞬に消える 移ろいてとどまることのない心の形 わたしはそれを湖に沈める わたしの事実はすべて消え去り 真実だけが残った あなたはそれをぼんやりと見ている あなたは湖から真実をすくいあげる そこにあなたの事実が現れる 湖の名は抽象 1998/9/14
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