評価と評定について

第一章

今年は評定で苦労しました。
特に日々の学習の評価をどう評定に結びつけるかでした。

まず悩んだのは、考査と実習生作物の評価割合でした。

五分五分や7:3など他の実習を含む教科 たとえば家庭科などの先生のご意見を伺ったりしたのですが、質の違うものを合計して(加算して)成績をつけるのには抵抗がありました。
また,考査だけ点を取り実習をまったくしない生徒や逆にテストの点は取れないが実習はできる生徒、また両方普通程度などいろいろ生徒に対応するためには,割合をいくら変えても対応できません。

ここで、私の考えた評価→評定の換算法です。
基本的には評価の観点項目間の掛け算という考え方です。
古川流<掛け算評定法>とでもしておきましょうか。

とりあえず 今年の授業では評価の観点項目として4つ設定しました。

1つめ 提出・・(ほぼ毎時間分 学期で10〜15回程度  実習中心のときは提出なし)
 授業プリントの提出です。私の授業では ほぼ毎時間書き込み式のプリントを配っています。
 そのプリントへの記入です。

  評価基準 ほぼすべて書き込んであれば3点 半分ぐらい2点 少ない1点
         未提出(理由の無い欠席) 0点   理由がある欠席の場合は平均からはずす

2つめ 作業・・・(6から10回程度)
 コンピュータを使った実習(こちらが指定した内容をこなす。
例 指定された内容の文書を指定された通り作る。エクセルで指定された文書を作る。など

 評価基準  できている  4点  ほぼできている 3点  もう少し 2点 あまりできていない1点
          未提出(理由の無い欠席)0点   理由がある欠席の場合は平均からはずす
            
2人で巡回してほぼ全員にやらせます。(それでもやらない生徒もいます)
                                      できないではありません・・

3つめ 作品・・・(学期に2回程度)
 2つめの観点で述べた作業を生かした作品作り。主に生徒たちの発想や工夫を見る。
例 文書作成の練習の後  自由に文書作成する。
   エクセルの練習の後   エクセルを使ったデータ処理

  評価基準
      よくできている5点  できている 3点     あまりできていない1点
      未提出(理由の無い欠席)0点 ・・・理由がある欠席の場合は 作業点から見込み

4つめ 考査 (各学期に1回)
    100点満点でそのまま利用しました。

 

評定に直す方法
 この4つの評価の観点項目の中でまず平均を取ります。
 次に4つの観点の項目の点数を掛け算して並べ替えて評定に直す。

具体的には
  提出 
× 作業 × 作品 × 考査 
   
3     4     5     100    6000点満点 です。

(考査の比率が高いように見えますが10点満点に換算しても実質は差の見た目が小さくなるだけで順位は入れ替わらない。)

また 一応絶対評価ですので
   1と2の境は 提出は2点、作業は2
.5点,作品は3点 考査は30点 450点程度としました。
 5432の境は並べ替えて差が大きいところで分けましたがおおよそ1000点以上で3となりました。

各学期ではその学期分の点数を元に評定し 学年末は すべて(例 試験 1,2,3学期の3回分)を平均・乗算して評定する予定です。

まだ1,2学期分ですが、この方法で評定を付けてよかった点は

  普段 出席し普通程度がんばっていれば 十分合格できる。
  無断で欠席した場合や作業などさぼった場合成績が上がりにくい。
  考査だけや実習だけがんばっても評定は高くならない。(手抜きできない)
  評定の差や、認定や不認定の差を簡単に生徒に説明できる。

などです。 その他、
      それぞれ細かなアイテムの評価を単純に積み重ねていけば評定になる。
      点数化さえしてしまえば評定をあまり苦労しなくてもつけられる。
などもありますが
   なんと言っても・・結構実態に合った結果が出てくる  ところが 一番気に入っています。

<出席点などを考えなくても自然に評定がそれなりに分かれます。個人情報の関係上実例で話できないのが残念ですが>

第2章

さてここまでが私の評定でしたが、この方法(掛け算評定法)が,観点別評価の評定に使えるのではないかと考えています。とても画期的ですばらしい方法だと考えています(自画自賛 笑)

巷では 4つの観点による観点別評価で評価するようになってきています。また相互評価、自己評価などさまざまな方法をとりいれて工夫されていることと思われます。
  <今年の私の評価では、 一応
    提出(関心意欲態度)・・関心意欲があればプリントに記入する態度生まれるはずだ。
    作業(技能表現)・・技能は作業しないと身につかないしできたものは表現になる。
    作品(思考判断)・・自由に作品を作るには考えて判断しなければいけない。
    考査(知識理解)と大雑把に割り振っていますがほとんど言い訳に近く厳密性には欠けます>

そして4観点の評価を評定になおすときに 悩んでおられる先生も多いかとおもいます。

古川流<掛け算評定法>で一発解決です。(笑)

 疲れてきました・・読みにくい文章ですみません。理解できますか??? 今 11時30分です。

とりあえず観点項目を(あ)(い)(う)(え)とでもしておきましょう。
また観点に重み付けをしてもできるのですが、話を簡単にするために同じにしておきます。
たとえば 5段階で (あ)(い)(う)(え)順に  5 1 5 1 と 3 3 3 3 では どちらの評定を高くするべきか・・・・

 足し算・平均では 両方3 なのですが 掛け算評定法では 25 と 81となり 3333の生徒の成績を高くしたほうが良いということになります。

 5555は当然 5です。  表計算ソフトでシミュレーションしみてもほぼ納得のいく結果がでてきますし生徒への説明もできます。また極端にサボって 実習をまったくしないなど特殊な場合、0 の項目がひとつでもあると 全体が0 になり 不認定にすることもできます。
<やりすぎには注意。できるだけ生徒の不利にならない用にしたいとはおもいますが・・・>

当然 1つの観点項目を判定するために いくつものアイテムから評価されると思いますので

観点(あ)の中では
 1・2・3・4・5・6・・・・・の評価アイテムの 平均値から 段階わけ ABCや12345をつけていくと考えられますので それぞれの 閾値(段階の切れ目の点数)がでているはずです。

それぞれの 閾値を使って評定化すると誰も文句はつけられません(笑)

 たとえば3段階で 観点の CとB の閾値が2点 だとすると (4観点とも同じ閾値と仮定)
   4つの観点を総合して評定に変えるときは 2
*2*2*2=16 16点未満は C 以上はB
  同様に BとAの閾値 
3点 とすると 3*3*3*381 以上は Aになります。

   たとえば
    (あ)(い)(う)(え)  BCBC  
2.2*1.9*2.3*1.110.5754・・・・C
                 BCBC  
2.9*1.9*2.3*1.519.0095・・・B
                 ACAC  
3.2*1.9*3.1*1.528.272 ・・・・B
                 ABAB  
3.2*2.9*3.5*2.994.192 ・・・A  
                 ABAB  
3.2*2.1*3.5*2.149.392 ・・・B  などです。

また観点別に重みをつける (あ)が8点(い)が5点・・・などのようにしても
それぞれの観点の中で閾値さえはっきりしていれば評定化は可能ですし生徒への説明も間単にできます。

いかがでしょうか・・・ AABBなら A とかするより論理的でしょう(笑)

鮮やかすぎて文句のつけようもありません・・(苦笑)

古川流<掛け算評定法>についてご意見をお聞かせ願えれば幸いです。

2004年2月23日夜中