linkbanner Updated on July 24, 1998

 

Special Column:
Getting Away from Blues

ブルースから逃れて ―ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ

Additional Notes (by Musashi)

 

 

新聞にも載ったメイオールのライフスタイル

当時学生と言えば、汚い酒臭い部屋でボヘミアンのような格好をして生活をしているのが普通だった中で、メイオールlは一風変わったライフスタイルで、地元では有名になりました。まだミュージシャンとしてはあまり有名でなかった大学時代に、彼の風変わりな生活が、マンチェスターのEvening News紙で記事になりました。この中で彼は、一人で木の上の地上10メートルのところに家をかまえ、酒は一滴もやらずに、ミルクと野菜ジュースばかり飲んでいると報じられました。現在メイオールが語るところでは、確かに木の上の部屋に住んでいたものの、それは彼の家の庭の隅にあったもので、電線をひっぱってくることも出来る距離だったそうです。この部屋にレコードやギターを置いて、後にブルースブレイカーズの初代ドラマーとなるピーター・ウォードをはじめとする友達と音楽を語らいました。

メイオールのある種の偏屈さは、早くからのブルース・マニアぶりにも現われています。この頃多くの若者たちが入れ込んでいたのは、流行りはじめのロックンロールでした。しかし、メイオールからすれば、ビートルズをはじめとするマージー系のサウンドが登場したときの印象は、自分が前からオリジナルで慣れ親しんでいるものの「焼き直しにしか聞こえなかった」ということでした。もともとロンドンを中心とするブルース・シーンは、レコードの貸し借りやクラブでのライヴを通じてネットワークを広げるアンダーグラウンドな動きで、ヒットチャートに名を連ねるポップスの商業主義からは背を向けていたのですが、それにしても、ヤードバーズやローリング・ストーンズといったブルースを消化したヒット・グループが出ても、メイオールはロックにはなびきませんでした。偏屈さといえば、酒癖の悪いメンバーを次々と解雇したことも有名ですが、この話は後ほど。

 

 

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