※これは1999年3月(大学卒業時)に書いたものです。今読み返すと、あまりの自己顕示欲の強さと思い上がりに恥ずかしいことこの上ないのですが、まだ小さな世界で大きな挫折も知らずにいた若さゆえのものです。しかしながら一方で、この頃の純粋な意欲や気持ちも忘れてはいけないようにも思うので、お恥ずかしながら敢えて残しておくことにします。

一生感動一生青春

「今までどんなことやってきたの?」と聞かれるといつも困る。人一倍の好奇心の強さとバイタリティで、スポーツ・勉強・音楽・・そしてインターネット、あらゆるものに意欲的に取り組んできた。
東洋英和女学院での中高時代はミュージカル活動に明け暮れ、様々な役を演じる一方、脚本作りや演出に力を注いできた。毎夏の湖畔でのキャンプ生活では、遠泳・ボート・カッターの腕を磨き、歌って踊ってハメをはずして大騒ぎすることが大好きな子だった。この頃から「人生満喫せずにはいられない」というスタンスで、何事にも積極的に取り組んでは、最後には感動しまくる・・というパターンは変わっていない。

大学では勉強はもちろんだが(?)アルティメットというフライングディスクスポーツに打ち込んだ。始めたきっかけは「頑張れば世界大会に行けるよ!」という一言。(もちろんそんな甘いものではなかったことはその後の辛い練習の日々が物語っているのだが)小さい頃からオリンピック選手になりたかった私は「私はここで世界のトップに入るんだ!」という夢を胸に、汗と涙の辛い試練の日々を乗り越え、昨年なんと本当に夢の世界クラブ選手権大会(World Ultimate Club Championships'97)に出場したのだ。しかも出場行きの切符がかかった試合での決勝点は私のダイブキャッチ。なんて強運なんだ・・とわれながら驚くほど。そして全日本学生選手権でも準優勝を果たした。こうして私の感動の青春時代は今なお続いているのである。

一方で音楽活動も続け、中高時代の仲間とコーラスグループaccel.(アッチェル)を結成し、年に一度クリスマスの時期にコンサート公演を行なってきた。一年がかりでプランを考え練習を重ねコンサートをプロデュースし、本番で多くの方に感動を与えることができたことはこの上ない幸せだった。

そして、私の人生を大きく変えた新しい出会い。それが、インターネットの存在である。今まで色々な形で自分を表現してきたが、世界に開かれたWeb上で何かを表現することにたまらない魅力を感じたのだ。そのためアルバイトは主にWebページ制作ばかり。これまで、So-net・セコム情報システム・リクルートなどでアルバイトの経験をさせていただいた。特にSo-netでは、オンラインマガジンの企画制作や、初心者向けのHTML講座「祐美子のわくわくホームページづくり」の企画制作を経験させていただき、多くの方々からの温かいメッセージや感謝の言葉に、言い尽くせぬ喜びを感じ、すっかりこの世界の味をしめてしまったのである。

これからの道

学生最後の年を迎え、世の中の4年生と同じように私も就職活動を行なった。自分という人間が何なのか、何がしたいのか、何が私にとって幸せなのか?悩み多き日々の連続だった。システムコンサルタントやSEという道も考えた。けれどその先に今までのように自由奔放に飛び回る私の姿を思い描くことができなかった。この私が二日間言葉も発せぬほどに悩み、自分という人間さえ見失ってしまった。自分の中の魂がどこかに行ってしまったみたいだった。私は何もかも忘れて心の赴くままに自分を開放させた。映画を観、音楽を聞き、絵を眺め・・・。そうしているうちに、やっぱり私は良い映画や本や音楽や美術に素直に感動したり、何かを表現することが好きだな・・とまず思ったのだ。けれど、それだけじゃない何か大切な何かが足りない・・・と思いながら、無意識のうちにインターネット関連の雑誌を読みふけっている自分にはっとしたのだ。「やっぱり私はインターネットに関わることをしたい!」こうして、私は99年4月よりYahoo! Japanに入り、インターネットビジネスの道を歩むことになったのである。

「インターネットを通じて人々の生活をより豊かで楽しいものにすること」これが私の目指すものである。豊かさとは、便利さとか物質的な豊かさだけでなく、人の心を温かくし幸せな気持ちにさせるような精神的な豊かさである。私は、この世の中で一番面白いものは「人間」だと思う。はるか古代から現在に至るまで星の数ほどの人間がこの世に生を受けて、それぞれの人生を歩みつづけてきた。スポーツも音楽も芸術もすべて彼らの内面から溢れ出たものであり、それらが多くの者に感動を与え続け、今なお文化を創造し続けているのだ。誰一人同じ人間はいない。すべての人がその人にしかないタレントを内に秘めているのだ。そうした世界中の人々を結び、互いの知を享受し合い啓発し合う、その可能性を広げてくれるのがインターネットであると私は考えるのだ。ステージでライトを浴びながら天に届くようなハーモニーの響きを感じる時の感動、全力で走り飛び込んで自分の手にディスクが握られた時の感動、同じように、また違った新たな感動をインターネットの世界で実現したいというのが私の想いである。インターネットが、私の新しいステージであり、コートである。まだ私の台本は真っ白だが、ひらめきの予感を感じつつ、これから想いのままに描きプロデュースしていきたい。そして、これからも感動多き素晴らしい人生を自ら切り開いていこうと思っている。

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