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199812月にSan Francisco State Universityの大学院(MSBA: Master of Science in Business Administrationプログラム[1] 専攻:会計・税法)修了。現在は、某Big 5会計事務所にて国際税務コンサルティングに従事。

[1] MSBAプログラムについてちょっと解説:基礎科目は所謂MBA同様にマーケティング、ファイナンス、生産管理等々ひととおり全ての分野をやります。一方、選択科目が通常MBAプログラムの場合4科目程度であるのに対してMSBAの場合は9科目(プラス修士論文)となっており、特定の分野を深く掘り下げたい人向きです。私の場合は実質的にはMaster of Science in AccountingMaster of Taxationを足して2で割ったような内容です。

【興味ある分野】

Financial accounting theory[3]最近の論文をご覧ください。

[3]米国財務会計はconceptual frameworkがしっかりしていて、学問的には(当然の帰結とは言え)Finance, Economicsに接近している点がきちんと認識されているのが面白いですね。貸方、借方…? …仕事では必要でしょうが簿記には興味ありません。

Taxation[4]: 大学院の後半から嵌まってしまった分野で、現在はこれを職業にしています。修士論文では為替変動リスクの経済分析及び米国移転価格税制上の調整につき分析しました。

[4]大学院のTaxの授業は法律と判例中心でbusiness schoolというよりはlaw schoolという感じで(←税「」だからあたり前か...)、(テキストを見れば一目瞭然ですが)どちらかと言えばAccountingの延長のような雰囲気のある学部のTaxの授業とは大違いです。判例を読んでいると、税金を通して「人の生きざま」が垣間見えて面白いです。人間というのは「欲」のかたまりですよ、ったく… ひとつ例をどうぞ・・・

その他サラリーマン時代からリエンジニアリング企業組織の変革にも結構興味を持っています[5]

[5]1995年の夏には日豪(オーストラリア)経済委員会の主催する「若手ビジネスマン交換研修プログラム」というので、2ヶ月程オーストラリアのCRAという巨大資源コングロマリット(注:その後英国のRTZという資源コングロマリットと合併し更に巨大化した)傘下の各社を訪問し、多くのmanagerとリエンジについてディスカッションする機会を得ました。この研修を経て強烈に感じたことは(独断と偏見を承知で言えば)、一般論として日本企業での(特にホワイトカラーの職場での)リエンジニアリングが米国企業で見られたような顕著な成果をあげなかったのは、(社会的制約といった諸要因もあるでしょうが)ひとえにリエンジによる「変革の推進」と「人事評価」を表裏一体化させる組織システムの構築をないがしろにしたからだろうと思います。もっと言えば最初からリエンジが成功するような組織システムが組まれていなかったということでしょう...

ビジネス分野で尊敬する人: 1人だけ挙げるとすれば京セラ会長の稲盛和夫さんでしょうか...。この方の本を読むと一言一言に「哲学」とか「深い思想」を感じます。

もう1人挙げるならば、大前研一さんでしょうか。この方の著書(企業参謀、ストラテジック・マインド、新国富論等、1970年代〜80年代末ころまでのもの)からは多くの新たな視点を学びました。

現在に至るまでの私

大学は上智大学の経済学部経営学科で学びました。しかし日本の大学で学ぶ経営学の大勢は「経営」を学ぶのではなく、アメリカの「経営学」を学ぶという意味で「経営学々(けいえいがくがく)」でしたし、自分で経験も無いものを勉強して知ったような気になっていてもなぁ、という思いもあり「円高下の日本企業の国際行動(ゼミナール)」と組織論は興味もちましたが、あとは経済情勢でもわかる方が役に立つと思い、マクロ経済学を好んでやりました。途中、念願叶っての米国への交換留学 (University of Wisconsin-Eau Claire)でももっぱら経済学をやりました。

1989年に卒業してから7年余り新日鉄(界最大最強の鉄鋼メーカーです)でオーストラリアインドブラジル南アフリカカナダといった国々からの鉄鋼原料の買い付け(売買契約書作成、契約条件交渉、海外資源プロジェクト管理、投資の採算性検討、マーケット分析等)を担当しました。
私のような若造にも大きな舞台で世界の鉄鋼業を鉄鋼原料面からリードしていくような仕事を思う存分に経験させてくれた「器」の大きい会社、そして優秀で人間的魅力にも溢れていた素晴らしい社内外の多くの方々のおかげで多忙ながらも非常に充実した
7年間を過ごせました(自分が以前に勤務した会社とそこでの仕事を通じて接した方々を誇りに思えるというのは幸せなことです。)
今にして思えば一番為になったのは、仕事を通じて多くの方から「粘り強く論理的に思考する」ということを訓練されたことだと思います。これは効果的なアウトプットを出す為の「仕事の基本」であり、普遍的に適用可能なスキルだと思います。こうした「思考する基本」なしには、業務固有のテクニカルな知識などは所詮「知っていることの断片」に過ぎず、何も生み出し得ないように思えます。

余談ながら、鉱山への出張にも時折行きました。西オーストラリアではアスファルトも敷いていない整地しただけの偉大なる大地の上にチャータープレーンで降り立ち、インドでは鉱山開発当時はトラが徘徊していたというデカン高原奥地まで車で片道延々14時間の砂埃まみれの旅等、通常の旅行ではまず経験できません^^;

  とりあえずのキーワードは「個人としての国際競争力の確立」といったところでしょうか...(いちおう能書きに叶うよう努力中です^^#)。ここ1年くらいの間に、現在の仕事を続けながらLaw Schoolでの勉強を始めたいと思っています。

"RISKY TO CHANGE, RISKIER NOT TO CHANGE." 私の好きな言葉です。
---John W. Young---

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