目的
言語学習者の知覚学習スタイルを知るための1つの方法として学習スタイル調査アンケートがあり、これまでもReid(1985,1987)、O'Brien(1990)、Oxford(1993)などのいくつかの代表的なアンケートが広く用いられてきました。
しかし、これまで用いられてきたアンケートは理論に基づいたものは少なく、妥当性、信頼性について検証しようとしたItzen(1995)やWintergerst(2001)などの研究でも、統計的な分析の結果、妥当性、信頼性に疑問が投げかけられています。
そこで、リサーチグループではワーキングメモリーの理論に基づいて新たなアンケートを作成し、実際にそのアンケートを用いて調査を行い、さらに調査結果を統計的に分析、フィードバックすることによって、より妥当性、信頼性の高いアンケートを作成することを目的としています。
現在までの活動
ワーキングメモリーの理論に基づいて作成した50項目のアンケートを国内外の予備教育機関、大学に在籍する570名ほどの日本語学習者を対象に実施し、その結果を統計的に分析したところ、ある程度高い妥当性、信頼性が得られました。
現在は分析結果をもとに質問項目の選定をし、アンケートの改定を行っています。また外的な妥当性()をはかるために、アンケートの回答者にインタビューを行い、アンケート結果と比較するなどの研究も同時に行っています。
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