五十代の関兄弟が昔から主の導きを振り返ってみる感謝の証です。

ハレルヤ、主イエス様の御名により証しをさせて頂きます。
　結婚当時、我々の結婚の意志を母親に伝えましたが、その返事は我々の意に反し、理解不可能、賛成しかねるとのことでした。四国の瀬戸内海に面した讃岐（香川 県）。山を背に、前は海に向った小さな平野の地で生まれ育った母親には、台湾人で更にクリスチャンの嫁とくれば、直ぐ納得できなかったことは、無理ないと思いました。典型的な日本の農村の風土、環境の中で生活し更に明治生まれの女性です。旧来、母親は、朝夕の勤行（仏教のお祈り）は欠かさない信仰心の厚い人です。    　しかし我々は意志を貫き、神様の恵みにより長女を出産。その結果、一日も早く家内と孫の顔を見たいとの母からの手紙を受け取りました。今思うに、神様が我々を守って下さったのだと確信しています。母ももとの優しい母に戻り、兄弟、親戚の人達も我々に祝福と声援を向けてきました。最初、最も心配だった事は、田舎の人達は四国の方言しか話せないという事です。家内も、２０年も前のことですから、日本語の会話も今とは雲泥の差でした。しかし不思議な事に、母親、兄夫婦に対してもしっかりと意志疎通がとれました。お互いに笑顔で話すことができ、更に近所の人、本家の人達と全ての人に対し、良い関係を保てました。実家での、家内の田舎の人達に対する接し方の努力は実に大きかったと思います。一日にして違和感のない家族の一員になれました。誠実で自分を飾らず、相手を理解する努力を傾ければ、必ずや真意は通じる、という事を家内から学びました。国を越え、宗教の違いも障壁とならず、この結婚を成就ならしめたのは、家内の努力は勿論ですが、やはり神様の御守りがあったからだと実感致します。　この後、台湾の教会の兄弟の一人を四国の実家に招待したことがありました。教会の信者であるそのまじめな青年に対する年老いた母親は、いたく感激し、夜遅くまで「寝るのがもったいない」と言いながら、語らい続けたことがありました。また、奈良の兄（三年前に他界）夫婦も、教会の兄弟姉妹に対しては非常に信用しており、日本語の話せない台湾から旅行に来た姉妹二人を喜んで面倒をみたこともありました。

 家内を起点として、私の親、兄弟への良い波紋の広がりはもとを質せば、実家でのクリスチャンの家内の小さな事の積み重ねが大きな信用へと繋がっていったのです。意外とこのような例は生活の場でも多くあるのではないでしょうか？日常生活は小さな物事の連続で成り立っています。その個々については余り目立ちません。しかし重要な生活の要素となっています。クリスチャンである我々は、その小さな事を大切にし、小さな問題でも無視せずに解決し、感謝する気持ちをもちたいものです。日本でよく言う、「世間並みのありふれた」家庭を持続する事は容易ではありません。人も羨む幸せそうな家庭であっても、それは単なるうわべだけで、その実態はわからないものです。家庭内に種々の問題を抱え、他人には理解不可能な事柄も決して珍しくありません。一人ひとりが集まって社会が成り立っているように、家庭も同じく、親、夫婦、子供という個々が共同生活をしている場であると思います。人間一人の存在の重みを尊重した上で会話を積み重ねてゆけば、夫婦、親子の意志疎通ができるのではないでしょうか？人に対して、外見から伺い知り得ることは、氷山の一角に過ぎません。その水面下に隠されている部分はあまりにも大きいです夫婦の関係も同様、一個人としての人間、人格をもった人間としてお互いに尊敬、敬愛する気持ちが肝要かと思います。夫婦という名のもとに、それぞれの所有物という気持ちがいけないのではないでしょうか。人はみな一時の感情の高ぶりで人の心の中に土足で上がりこむことも珍しくありません。人間だから仕方あるまいと言えばそれ迄のことですが。そのような時は、素直に反省し、しこりを残すことなく、早く正常な関係に戻すよう努力しなければなりません。　私自身も強い信仰心を土台にして、人の心の痛みを自分の心の痛みと感じられる深い愛のある人になりたいものだと思います。アーメン