〜あらすじ・雑文・etc.〜
98年10月10日
「絢爛とか爛漫とか」@紀伊国屋ホール
- やっぱり上手いですね。安心して観ていられます。前半ちょっと安心しすぎて
眠くなっちゃったけど(爆)なんとなく佐々木蔵之助さんの背後霊のように久松
さんのキャラが見えた気がしましたけど、皆さんはどう感じましたか?なんだか
ページを変えて書いてる割にたいした感想が書けないです。やっぱり私はきっつ
い芝居に毒されすぎてるのかなぁ。
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10月3日(土)
青年団P「新版・小町風伝」@水戸芸術館ACM劇場
- 舞台は4部屋ある(本当は5部屋なんだけど)アパートらしいところ。客席に
近いところに2部屋、その後ろに少し高くなってもう2部屋。でも柱で仕切られ
ているだけで壁がないのですべてが見えている。
手前の下手側が1号室。ここは5人の小町(辻美奈子さん、角舘玲奈さん、平
田陽子さん、佳梯かこさん、秋山文子さん)が住んでいて、年長の小町を除いて
は100日を誓って通ってくる少尉(小林智さん、佐藤朋史さん、佐藤誓さん、
古館昌彦さん)がいて、小町も少尉もなにするともなくダラダラとしている。こ
の部屋(柱と床)は木っ端を敷き詰めたところに建っていて、古新聞・古雑誌の
束とペットボトルやカップ麺の容器が部屋の中にも外にも散乱している雑多な風
景。
手前の上手側が2号室。布団にくるまって開場のときからずっと寝ている人(
和田江理子さん)。
その1号室と2号室の間の、庭かと思っていたところが、日ごとに沈んでいる
という3号室。部屋の住人(山内健司さん)は劇の途中で大きな和箪笥を担いで
出てきてそれを並べ、あとは終演までずっと分解してあったビニールの傘張り。
上手側の奥が4号室。ここにはまさに引っ越し最中の家族(水下きよしさん、
清水直子さん、井上三奈子さん、宮本雅通さん)。開場時から荷物を運んでいて
、ご近所への挨拶を練習したり蕎麦の注文したりしながら終演頃までかけて荷物
を運び込むのみ。
そして下手側奥は部屋番号がわからないけど食う姉妹(高橋縁さん、松田弘子
さん、根上彩さん)。部屋中にスナック菓子を山積みにして、その上どこかから
袋菓子の追加を抱えて出てきたりして芝居の最初から終演までずっと何かを食べ
続けているような感じ。
こんな雰囲気で何が起こるともなく(ちょっとはいろいろとあるんだけど)時
間の流れが見えなくなるような芝居です。1号室では「卒塔婆小町」をベースにした話が進んでいくので、少尉は100
日空かさず女に通い詰めれば添い遂げられると信じてこの部屋に通ってきていて
、小町は歳を取らなくてというストーリーが一応メインですけどね。
なんというか大勢の登場人物が居るのにみんなそれぞれに対してコミュニケー
ションを取ろうとしていないというか、今の世の中は上辺は仲良く話をしてもな
んだかコミュニケーション不全だという事実を淡々と舞台に上げたような気がし
ました。いつもの青年団作品よりはいじわるっぽい毒の部分が薄かったかも知れ
ません。私は結構好きでしたけど。
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9月27日(日)
遊気舎P「びよ〜ん」@本多劇場
- 今回、開場後の客入れの時ロビーでビデオをまわしていてその映像をスクリー
ンで流すという手の込んだことして笑いを取っていました。でもこれは全くの余
興。本編とは関係ありません。あ、でも、この画面の最後に後藤ひろひと大王が
映し出され、美術評論家と称してロビーから会場に登場するので無関係ではない
か…。
登場人物それぞれのストーリーがちょっとずつ絡んでいくオムニバス系の話。
最後の怖さはちょっと「人間風車」を思わせるところもあったけど全体のストー
リーの進め方は「源八橋西詰」っぽいかな。ちょっと小屋が広すぎて散漫な感じ
があったような気がします。
個人的には「おこのみやまもとのあの人が演じてるぅ〜」っていう全然別の楽
しみがあったのでまぁよかったですけど(爆)
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9月19日(土)
- 新感線R「The Vampire Strikes Rock」@サンシャイン劇場
- ストーリーは、超人気ロックバンドPHANTOM(右近健一さん、池田有希子さん
ほか)がバンドのオーディションにかこつけて若い女の子を古い館に誘い出し、
実は吸血鬼の彼らは、その子たちの血を吸うという悪事を重ねている。今日オー
ディションに来たのは女子高生4人組(山本カナコさん、植本潤さん、杉本恵美
さん、中谷さとみさん)。まんまと捕まり事件に巻き込まれ、事件を追ってきた
刑事(?)や助けに来た同級生など入り乱れて騒動はどこまで続くやら。まぁ、
最後は新感線お得意のご都合主義の勧善懲悪(ほめてるつもりです、これ)でシ
ャンシャンって感じで、それがロックミュージカルとして音楽満載で休憩とアン
コール入れると3時間15分という超大作(笑)でした。
今回新感線の主要キャストが何人も欠席なので始まるまでは「どうなるんだろ
う…」って思っていたけど、その点はほとんど問題じゃなかったです。右近さん
は相当がんばってました。いつも色物として決めキャラに縛られていたけれど、
今回のほうが全然良いです。
私のご贔屓植本さんは女子高生カルテットにすっかり馴染んでいて、叫ぶわ跳
ぶわ唄うわ楽器吹くわ八面六臂の活躍ぶり。帰り道で「あの人やっぱり男なの〜
?」って喋っているお客さんがいたほど可愛かったのよぉん。劇中でのサックス
演奏よりアンコールのピアニカに私はうるうるしましたけど、芝居ももちろん良
かったのです(はぁと)欲を言えば、たまには絶叫娘のキャラクター以外の正統
派美少女をやってください(笑)>植本さん
- リリパット・アーミー「0007 マダムルージュに愛をこめて」@ザ・スズ
ナリ
- 最近のリリパでは珍しく小さい小屋だったので行ってみました。
タイトルのとおり007のパロディで、3つの犯罪ストーリーをジェームスボ
ンド(及川直紀さん)が解決していきます。
書き割りセットなんだけど窓に各国をイメージさせる窓枠を掛け替えたり、現
場から逃げるシーンで板に描いたヘリが飛んだりと全体にチープだったけど、そ
れなりに工夫されてました。
BMWのことを「バックミラーに若の花」とか爆弾と称してでてきた玩具の冷
蔵庫を持って「ただのママキッチンじゃないのだ」と、迂闊にも細かいギャグに
爆笑してしまいましたね。
終盤で野田晋市さんが女装してでてくるんだけど、予想に反して(失礼)なか
なかきれいだったぁ〜。あんなに似合うと思わなかったですね。ストーリーも目
新しさはないけどまずまずでした(ちくわをget出来なかったのは一生の不覚だ
が<をぃをぃ)。
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9月15日(祝)
T.P.T.「勝利」「楽屋」@ベニサンピット
- まず1本目は「勝利」〜ザ・ストロンガー〜。既婚の女優X婦人(富沢亜古さ
ん)と未婚の女優Y嬢(久世星佳さん)のカフェでの会話。いや、会話と言って
も一方的にX婦人が話しまくる30分ほどの芝居。どうやらX婦人の夫とY嬢に
なにか関係があったようで、X婦人がそのことに抗議し、話していくうちに3人
の関係における勝利者が浮かび上がってきます。
で、ごめんなさい。ちょっとウトウトしました。私の好みの濃くて深い感じが
あまりなかったんです。特にT.P.T.だと照明で場を作る技術が毎回凄いから、今
回のがちょっと物足りなくもあったし。
そして2本目は「楽屋」。ある女優C(富沢亜古さん)の楽屋になぜかもう2
人、化粧前にいる女優A(松浦佐知子さん)とB(久世星佳さん)。この2人は
楽屋に居着いた女優の亡霊のようです。その彼女たちはチェーホフの戯曲の断片
を演じながら日がな一日時間をつぶしています。ある日、この女優に役を取られ
たと若い女優D(幹ジュンコさん)が枕を抱えて直訴しに来ます。この人、思い
こみが激しくてちょっとキレちゃってる感じ。後にDは閉まっているはずの楽屋
に再登場して3人の終わらない稽古が始まる…というようなストーリー。
こちらは鈴木裕美さん演出らしい、観やすい楽しい芝居でした。T.P.T.ならで
はの装置や照明っていう感じはあまりなかったかな。清水邦夫さんの本というこ
ともあり、いつものじてキンとはひと味違って楽しめました。
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9月13日(日)
カメレオン会議「たしあたま」@本多劇場
- 最初、なんともへんな居心地の悪さがしっくりこなかったんですけど、その違
和感こそが表現したかったことじゃないかと観ているうちに思えてくるような、
不思議な舞台でした。
この公演は中島みゆきの歌声にインスパイアされて作った話のオムニバスって
ことでそれぞれの章に歌のタイトルが付けてあるんですけど、あくまで「インス
パイアされた」ってことで観る側があまり中島みゆきさんを意識しなくていい気
がしました。
途中何度か「なんで?」って思ってしまうようなよくわからないシーンとかあ
ったんだけど、それでも見続けていくうちに、みんなそれぞれに抱えきれない重
荷を持って、でも全然平気って顔してへらへらしてるんじゃないかっていう気に
させられました。
ラストの大団円は、中島みゆきの「誘惑」にのせて出演者全員が日舞もどきの
あて振り踊りを踊るんですけど、そこに至ってはもぅ笑うしかないって様相。
つい「マシーン日記」や「悪霊」を観た時の居心地悪さを思い出すのは、片桐
はいりさん、広岡由里子さん、松尾スズキさんの居住まいなんでしょうか。
9月12日(土)
「ジャンヌ・ダルク」@静岡県舞台芸術センター
- 売店棟から暗い道を少し行くと今日の公演会場である野外劇場「有度」です。
隣の事務所棟も野外劇場の外回りにもトリコロールに彩られた提灯が掛けてあり
ます。この提灯は会場の中にもぐるりと掛かっていました。
舞台はイントレ組んだやぐら風のものがあるくらいで、背面(普通ホリ幕があ
るところ)に壁はなく向こうの森(藪?)が見えるような作り。
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ぼけてるけど、会場にはこんな風に
提灯が掛けてありました。
(写真は事務所棟)
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- 男優さん達はダークな色味の私服っぽい衣装に茶摘み籠を背負って出てきます
(この籠は裏返して劇中は椅子の代わりに使われてました)。その中で紅一点の
美加理さんだけは赤いフリフリの衣装ですごくかわいい。途中、権力を持つよう
になってからのレザースーツ(もちろん赤)もかっこいい。
でもね、感想としちゃ正直言って物足りなかった。折角の野外なのに、なんか
役者の振り付けが小さくてもったいないし、後ろの藪を活かしていないし。美加
理さんはかわいかったけどあの広さで「だっちゅーの」なんてので笑いをとって
ちゃダメでしょ、やっぱり。きっと都内の中規模の小屋で観ていたら不満じゃな
かったのかも知れないです。そこはやっぱり、11000円の交通費と4000
円のチケット代かけて野外公演を観に来たってことで期待が膨らみすぎたのかも
しれません。
あと、小道具でビニール傘の骨に飾りした物が出てきたんですけど、"美加理さ
んが野外で傘"っていうのは天守物語の焼き直しみたいでいただけなかったです。
全員で踊るシーンは(花組芝居を観ていていつも不満に思っていることだけど)
振りがぴったり合ってないんですね。特に、傘を閉じた状態で持ちながら全員で
踊るシーンは、所作のばらつきが助長されてしまってました。
贋のジャンヌ・ダルクとして加納さんがちょっとだけ出てきたのは、すっごく
かっこよかったけど役柄としての意味(というか位置づけ)がよくわからなかっ
たなぁ。
そういえば、出演者の中にSPACの役者さんが2人(新堀清純さん、貴島豪さん
)いたんですけど、この方達って劇団ACMに居たんですよねえ。水戸から鈴木忠
志さんが降りたときに一緒に静岡に来たのかな?久しぶりに観てなんとなく懐か
しかった〜。ACMに居た久保庭尚子さんって役者が好きだったんだけど今はどう
してしまったかなぁなんて、全然関係ないことなど思ってしまった私でした。
(#久保庭さんの消息をご存知の方は是非ご一報を〜<をいをい)
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