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くまもとアートポリスめぐり・2

 

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外観

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内側の二重空気膜リングと、それを取り巻くスカート部。

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「浮雲」を支持する柱。

 

■パークドーム熊本 (高橋てい一) 熊本市平山

雑誌で見たときよりはずいぶん大きく感じた。写真で一番判らないのはスケール感なのだろう。
全体が、中央の円柱状の「浮雲」と、それを取り巻く窪んだ「膜」の2部分によって構成される。円柱状の「浮雲」はまさに宙に浮いており、それを支えている8本の柱は空間のスケールに対して大変華奢に見えるのに、構造家の木村俊彦氏は、柱は2本でも大丈夫だと言ったそうである!。実はこの「浮雲」部分の水平力を、「膜」部分のトラスが負担しているのだった。このトラスの構成部材はφ244mmで、近くで見ればさすがに太いけれども、全体のスケールの中では細く、すっきりと収まっている。「膜」部分は不定形なので、すべての部材の長さ、取り付き角度が異なっているらしい。「浮雲」部分は、二重の空気膜のシステムと、テンションリングを用いたシステムとのハイブリッドになっているそうだ。この空気膜内部への加圧は、プール部分屋上に設置された太陽光発電地によって行われているのだとか。プール部分が「膜」から突出しているあたりが外観に変化を与えている。構造技術だけから成り立った空間でもなく、逆にデザインが先行した空間でもなく、このスケールの建築として質が高くまとめられているように思われた。「これしかないだろうと最初から思っていました」とは、この建築のコンペで審査委員長だった磯崎氏の言葉だそうである。

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入口付近外観

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北側外観

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リビングスペース

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シャフト部分詳細

 

■再春館製薬女子寮 (妹島和世) 熊本市帯山

逆に、たいへん小さく感じた。何のことはない、雑多な住宅地域にある、2階建ての、一企業の単身者用寮なのであるから、当然といえば当然だが。外観は、パネル割付などに工夫の跡は見られるけれど、本当に単なるボックスに過ぎない。この建築のみどころはもちろん内部の共有空間である。
入口からすでに、左手に寮母室の楕円柱が宙に浮かび、印象的だ。扉を開けてホールに入るとしかし、まさしく「雑誌で見た空間」。建物の大きさに対して相対的にかなり大きなボリュームをもった空間なので、建築も大きいと勘違いしていたようだ。ホールの床の大理石の貼り方、正面の墨色の壁、ステンレスの手摺、シャフト部分のポリカーボネートやステンレスの扱い、そこから連続するトップライト、家具調度類、どこを見てもたいへんよく検討されていて、美しい。ここで生活することが快適かどうかは知らないが、このインテリアは傑作だ。

 

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ホール

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特徴的な屋根が架けられた階段を持つ外観。

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中庭は、ゴミ置き場からこのように覗き見ることが出来ただけである。

■県営保田窪第一団地 (山本理顕) 熊本市帯山

ここに何を見に訪れるか。「中庭に入ることが出来ない」ことを確認するためである。「中庭には各住戸を経由してしか入れない」ということが、この集合住宅の第一のテーマなのだという。つまり、「外部から中庭を通って各住戸にアクセスする」というようなお仕着せのコミュニティの形を提供せず、中庭に入るかどうかは各住民の自由意思に任されており、そこの共同性に背を向けても、各住戸には周囲の道路から直接階段で上ることが出来、外部ネットワークとの繋がり、生活は維持できるというわけである。
意匠的にもうまく作られていて、魅力的である。

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最終更新日00/11/09