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KOSHI MIHARU INTERVIEW


Koshi Miharu
Koshi Miharu
−「パラレリズム」は前作よりさらに越さんの志向がはっきり出ていますね。
この前の「TUTU」はRCA時代に作っていた曲も入ってしまったので、今回は完全な形で表現したかったんです。
 「TUTU」ではテクノをやるってことを完璧に宣言してしまったんですけど、宣言するってことは態度として難しいことでしょ? テクノが嫌いな人はたぶん聴かないだろうし。そして、今度はまた”耽美主義宣言”をしたわけなんですけど。
−文学とか絵画の耽美派からの影響?
中学生の頃からずっと好きなんです。非常に有名な人では、泉鏡花、谷崎潤一郎、三島由紀夫。外国の作家では、やっぱりジョルジュ・バタイユが特に好きでした。
 今回アートディレクションをしてもらった金子國義さんも、非常にエロティックな絵を描く人で、以前からずっと好きでした。金子さんとカメラマンの久類幸子さんがいっしょに組んで仕事をしているのが雑誌に載ってて、その写真があまりに美しかったので、頼んでやってもらうことにしたんです。
 コンセプトとしては、”耽美派”という一種封印された世界のものと、今いちばん未来的な音の作り方であるテクノというものを組み合わせてやりたいと思ったんです。
−「TUTU」では、テレックスとベルギーで録音した曲も入っていますけど、むこうでのレコーディングはどうでしたか?
テレックスていうバンドは、細野さんも私も大好きでした。そしたら細野さんが急に「ベルギーに行こう」って言って、あっという間に実現したんです。テレックスのヴォーカルの人からYMOにファンレターが来てて、それで彼らに直接連絡をとって、ブリュッセルにある彼らのスタジオを使うことになりました。
 そこでレコーディングしてる時に強く感じたのは、テクノは万国共通だってことです。そのスタジオの機材はほとんど日本製で、MC−4なんかも使っていて、やり方はまったく同じでした。
−今回のアルバムはどんなふうにレコーディングしたんですか?
まず、私がデモ・テープをとにかく自宅でたくさん作ります。それで、「私はこれがやりたいです」って細野さんに言うと、「それはいいね」っていつも言ってくれて、その曲を譜面に起こすんです。そしてMC−4を動かします。いっしょに相談しながらリズム・パターンを決めていくんですが、私は細野さんのリズムの組み方が大好きです。
 そのあと私がベースを入れたりするんですが、細野さんはその間、おせんべいを食べながらマンガを描いたりしています。細野さんとの共同作業は、こんな感じでとにかくいい音に近づくまでやり続けるんです。
−A5(「メフィストフェルスを探せ!」)とB4(「薔薇の夜会」)では、川島裕二さんがアレンジしていますが、どうやって作りました?
まず、やはり自宅で作ったデモ・テープを彼に渡すんです。それで、その中のメロディーなどでとっておきたいところだけ残していいから、あとは自由にって頼みます。口で説明しなくても、不思議と私の気に入っているメロディーは残っているんです。
 だから共同作業とは言えませんね。なぜなら川島くんと私はまったく対極にいるので、いっしょにやるとバラバラで稀薄なものになってしまうからなんです。川島くんのアレンジした曲では、岡野はじめ(B)とRA(ギター)が参加していますが、私はキーボードを弾いてません。
−対極にいるっていうのは....
川島くんは、日本でキーボードを弾く人の中でいちばん好きな人です。彼はロックで育ってきていますが、私はスタートがシャンソンで、ロック体験はほとんどないんです。
 川島くんはどんなに過激なことをやっても、すごくストイックなんです。そして、有機的な作り方をしているんだけど、結果的に無機質的な響きがあるのですごくおもしろい。私はテクノが好きで、無機的な作り方をしていますが、最終的に有機的なものが出てくるんです。

To be continued.....


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by
yen-raku

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