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S.M.B. PRESS RELEASE
about SADISTIC MIKA BAND


SADISTIC MIKA BAND
Kazuhiko Katoh Mika Masayoshi Takanaka
Kazuhiko Katoh-vocals, guitar Mika-vocals Masayoshi Takanaka-guitar
 3年前にロックバンドを結成したとき、加藤和彦は、地元の人々から少なからぬ反発を被った。彼が目のあたりにしたのは、東京の地方性であった。世界最大の都市であり、世界最高のテクノロジーを誇る都市複合体である東京は、同時に体制の変化に対して最も抵抗を示す都市の一つでもあったのだ。加藤が既に国内で得ていた最大のソロスターの一人としての地位を反故にすることになるからばかりでなく、そもそも彼がロックバンドとして活動することなど、とうてい実行可能なことではないとして、日本の音楽業界は、彼の動きの真価を認めなかった。自分なりのやり方で西洋のロックンロールに対抗しようとするのは、自殺行為だというのであった。

 しかしそれこそが加藤が目指していたことだった。東京では商業的に成功しやすかったはずの西洋のバンドのコピーをするのではなく、独自の音楽スタイルの確立を彼は目論んでいた。加藤はこの国でもっとも卓抜な音楽家の内から4人を探し出し、共に自作の音楽を書き、演奏し、独自の音楽ブランドを発展させた。それは良質のロックンロールであったが、同時に、明瞭に日本人の音楽になっていた。

 サディスティック・ミカ・バンドはこうして生まれた。バンドの名前はいまだに謎である。どんなに説明を聞かされても真実がつかめない。日本人というのは、結局異常に躾が行き届いていて、直接的なことを言わないからだ(東京はSMや緊縛その他の秘めやかな快楽を求める活動の、実は世界的なメッカなのだ)。ともあれ、ミカは、歌手、オダリスク(イスラム国宮中の女奴隷)、そして偶像破壊者として、このバンドに加わった。彼女は、美しく、外向的で、何をしでかすかわからないところがあり(日本の基準からすると、はっきり言って異常である)、バンドの陣容を完璧なものとし、そのアイデンティティをくっきりさせた。かくしてミカバンドは、音楽的にも見た眼にも、オリジナルで、洗練された、そして一風変わったバンドになったのである。

Hiroshi Imai Yukihiro Takahashi Tsugutoshi Goto
Hiroshi Imai-keyboards Yukihiro Takahashi-drums Tsugutoshi Goto-bass
 最初のアルバム「サディスティック・ミカ・バンド」は、1973年にリリースされている。頑固なヘヴィ・ロックに東洋的な要素を潜ませたもので、これは日本の聴き手をたいそう混乱させた。英国ではほとんど存在を知られていなかったにもかかわらず、一部でカルト的な評価を得た。「ニュー・ミュージカル・エクスプレス」誌のイアン・マクドナルドは、こう宣言した。「このアルバムを聞くと、イギー&ザ・ストゥージズもアマデウス弦楽四重奏団に聞こえてしまう。すばらしいアルバムだ。このバンドは確かにクレイジーだけど、連中の狂気は闘志を秘めているよ。」

 シングル曲の「サイクリングブギ」はいくらかの成功を収めたものの、市場の保守性のために日本ではなかなか人気は出なかった。それでも、1974年には、バンドが広くツアー活動をしたためか、事態はかなり変わった。サディスティック・ミカ・バンドの名声は、他のあらゆる日本のバンドを凌ぐようになり、音楽祭でも、西洋のバンドの出演に匹敵する観客の動員を得るようになった。

 この時期(ロールスロイスを買いに)ロンドンに出かけた加藤は、ピンク・フロイド、プロコル・ハルム、ロキシー・ミュージックのプロデューサーであり、すでにサディスティック・ミカ・バンドの支持者にもなっていたクリス・トーマスに出会った。ここで彼はバンドの次のアルバムを、東京でプロデュースする運びとなった。その結果が、めざましく感動的な「黒船」である。とりわけこのアルバムは、バンドの作曲演奏両面での謎を深め、かつ、彼らが世界規模での評価を得る権利を確かなものとした。(「ニュー・ミュージカル・エクスプレス」誌が「今年のベスト・カヴァー写真」と評した)最初のアルバムのジャケットにも現れている、このグループの視覚面でのセンスの良さは、「黒船」でのメンバーが空を飛んでいる尋常ではない写真にも遺憾なく発揮されている。それはまるで、翼があって、宙に浮いているようだ(じつはこのアイディアは最近はるかに有名な某バンドが無断借用している)。「黒船」は、日本のヒットチャートでも、西洋のバンドでも滅多に達成できないほどのスマッシュヒットとなった。


To be continued.....


Original source of this page was taken
from
Harvest Records press release, translation by Hw

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