C.THOMAS TALKS about
"BLACK SHIP" RECORDING
![]() C.Thomas@Toshiba 1 Studio |
−ミカ・バンドのことを知ったのは、いつ頃のことですか。 Cトノバン(加藤和彦)とミカには、昨年ロンドンで、彼らがロキシー・ミュージックのコンサートにきていた時に、コンノ(注:今野雄二氏)に紹介されました。それからコンノとはしばしば出会って、彼が8月にロンドンにやってきた時、ミカ・バンドのレコードを手渡してくれました。それまでに私は日本にいったことがあり、「リブ・ヤング」に出た時、いくつか日本のロックバンドを見たんですが、日本のロック・バンドに興味を持って、聞きたいと思っていたのです。 そのアルバムには2、3曲いいなあと思うのがあって、「シルヴァー・チャイルド」はごきげんにいかした作品だったし、他のいくつかの作品などもよくて、とても将来が期待できるような気がしました。 −じゃ、どういうことからミカ・バンドのプロデュースをやりたいと思ったのですか。 C何故私が、誰かをプロデュースするのかといわれても、これといった特別な理由があるわけじゃなくて、何故ミカ・バンドのプロデュースをやるのかって聞かれても、それはどうして私がプロデュースをやるのかって聞かれるのと同じで......。もし誰かが私の仕事を気に入り、プロデュースを頼んできたら、その人の雰囲気やアイディアが私の興味をひくものであり、時間も十分にあれば、やりましょうっていうでしょう。ひとつには、彼らに興味を持ったわけです。それについてはコンノとも話したし、彼はその時のことをはっきりと覚えていると思うけれど、プロダクションの話をしたり「もちろん気に入ったよ」って話したり。もうひとつ、誰かにプロデュースを頼まれたりした時には、まず、すぐにやれるかどうかっていうのが問題になって、たいていの場合は「来月、一緒にやってくれないか」なんてせっぱつまった時に頼まれたりして、そういう時には「不可能です。申し訳ない」と返事するんですが。ミカ・バンドの場合は、待ってもいいってことで、それはもう6、7か月前のことですが、じゃあ一緒にやりましょうってことになって、ここにいるのです。 |
![]() S.M.B.@Toshiba 1 Studio |
−デビュー・アルバムと、現在のミカ・バンドでは音楽性に変化がありますが、それについてはどう思いますか。 Cその通り、大幅に変化していますね。きっとトノバンがライティング・スタイルを変えたからでしょう。デビュー・アルバムの結果から、彼らにひとつのイメージを持っていたのですが、いや新曲には驚いてしまいました。なぜって、まったく変っていたからで、今では、トノバンがサウンドを大幅に変化させたことを、とてもいいことだと再認識しています。最初のミカ・バンドのアルバムがひとつのものだとすると、今度のはまた違っていて、たぶん3枚目も今のものとはまったく違うようになるでしょう。 −僕は彼らがとてもファンキーになったと思うんですが、メンバーひとりひとりについてはどう思っていますか。 Cカトーはすべてのものをひとつにまとめてキープし、多くはバック・グラウンドにいるようで、リーダーであり、何かを強制してるわけではなく、すべてをうまくコントロールしています。タカナカはとてもいいギタリスト。イマイ、そうバンドのスタイルが変化した原因として彼のキーボードの参加をあげられるでしょう。バンドにニュー・メンバーが参加したときは、そのバンドのスタイルは変化するでしょう。彼がバンドに変化を強いたか、そうでなくとも変化を持ち込んだともいえるでしょう。オハラは、さいこうのベーシスト。ユキとオハラのコンビネーションはとてもよくて、ユキのドラムでとても気に入っているのは、ほとんどシンプルだけれど、でもそれはいいアイディアで、時としてはとても重要なものとなってくるからです。 |