1.序
今回の発表も前回に引き続き電子商取引において使われている暗号技術のうち「公開鍵暗号方式」について取り上げる事にする。
2.共通鍵暗号方式の問題点
共通鍵暗号方式では、事前に通信相手と同じ鍵を使う事を密かに決めておかなければならない。そのために鍵をどのような手段によって通信相手に渡すのかが重要である。電話や電子メールによる第三者に盗聴されてしまう危険性をはらんでおり、暗号文が解読されてしまうのである。
3.公開鍵暗号方式の仕組み
公開鍵暗号方式は本人を確認するために用いられる暗号であり暗号化と復号化を別々の鍵で行うものである。「認証」を行うためには、二つの鍵の一方を公開して(公開鍵)誰でも使える鍵とし、残りは誰にも教えずに自分で管理する。(秘密鍵)例えば「3395」と「1857」という二つの鍵を受信者が用いる事にする。そして一方の鍵「3395」を公開鍵とし「1857」を秘密鍵とする。「明日の朝、210教室まで来てください」という文章を第三者に知られないように送らなければならないと仮定する。送信者は送信相手の公開鍵「3395」を使って文章を暗号化し、送信する。受信者は受け取った文章を自分の秘密鍵「1857」を使って文章を復号化し、平文に戻す。この場合問題になるのは、公開鍵から秘密鍵が特定できないようにしなければならないということである。特定させないようにするためには公開鍵と秘密鍵の生成においてアルゴリズムを複雑化させなければならない。したがって公開鍵暗号方式を使用する場合の短所は処理速度と言える。 一般的な秘密鍵暗号方式では、現在利用可能な、どの公開鍵暗号方式よりもはるかに速く暗号化処理が行える。しかし、公開鍵暗号方式と秘密鍵暗号方式との両方で負荷を分散するようにすれば、両方の利点を兼ね備える事が可能になるのである。
4.デジタル署名の実際
では認証がどのように行われるのであろうか。デジタル署名をする場合、送信者Aが自分の秘密キーとメッセージの両方をコンピュータを使って処理し その結果、出力されたものをデジタル署名と言う。このデジタル署名をメッセージに添付して相手のBに送る。受け取った受信者Bの側では、署名を確認するために、そのメッセージと署名および送信者Aの公開キーをコンピュータを使って処理する。その結果が簡単な数学的関係式に合えば、その署名が本物であると確認され、そうでない場合は、署名が偽物か、またはメッセージに手が加えられていることになり、そのメッセージは受信者Bによって破棄することになる。
5.まとめ
今回取り上げたのは主に公開鍵暗号方式を使った個人認証であるがネットワーク上で様々な形で暗号が使われており更に調べる必要があると思われる。
最後ではあるが自分の電子メールを暗号化して送る際に用いている公開鍵を載せておく。次回の発表では更に公開鍵暗号方式を使ったデジタル署名について考察することにする。
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6.参考文献
NHK出版編「暗号」
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