続・みどりちゃん

これは・・・先ほどのコンビニですかね。

 

 

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出掛ける前のオドメーター50,080

AM 4:15出発

エンジン音で家族を起こしてしまった。申し訳ない。

まさか自分でも出かけるつもりは毛頭無かったのだが福島での集会と言う事もあり、山田会長の姿も見えるかもしれない、という淡い期待を持って出発する。

 

AM 4:20

ボーッとしながら運転していると”スコンッ"と何かに抜かれた。

はっとして前を見ると'92 GSX-R1100Rが大橋を抜けていくのが見える。

短い命に火を付けられるのかい、ってね。

 

AM 4:30横浜新道

車検あがりのマシンは足回りも制動系も調子がよい。

これもホンダクリオ横浜に持っていった甲斐があったというものだ。

先週はほとんど寝ていなかったこともあり、隊長は川口浩、と非常に不安だが、時速80〜140km/hで巡航する。某白轄では取り払われていた速度警告音は私をハッとさせてくれる。道も空いており、前よりも後ろ、ミラーを見る機会が多い。

 

4:51

有名な眼鏡橋。荒立の交差点。見切り発進の鬼と化してひたすら左車線で燃費走行をするみどりちゃんとその前を行くY32セドリック。ベコベコにへこんでいる古いクラウンの助手席に座るそれは十代のキラメキってやつを思い起こさせる。周囲の車を見るとこのクラウンのような朝帰り組かセドリックのような早朝通勤組、家族連れの3パターンしかいない事に気づく。眠さを吹き飛ばすには冷たいタオルが効果的だ。首にあてて疲れを吹き飛ばすことに成功する。

 

5:07

環状七号を過ぎ大田区に突入。バックミラーを注意しながら左車線に車線変更しようとウインカーに手を描けた瞬間、奴は来た。ブローオフバルブを鳴らせて気づいたときには目前から消えている。黒い弾丸、BNR-32だった。そろそろ通勤の車も第一パンのトラックもお目見えする。ふっと十代のキラメキという言葉を思い出す。

 

5:18

三田の交差点をいつもと同じように左折していく。

しかしいつもと違うのは慶応の女子高生もいない、タクシーもいない、競い合うバイク便もいない。ただ開けた道路が目の前に広がっているだけ、ホリゾンタルグレイズ!

 

5:20

飯倉の交差点。川崎辺りから一緒だった318がバックミラーに写る。先頭の信号が赤であることを確認してから道を譲ると318はフル加速して交差点の先頭で急制動をかける。のろのろと進み交差点にたどり着き、ふと右の車を見るとルノーアルピーヌである。

 

5:37 50137km

虎ノ門三丁目、DKBの宝くじ売り場は当然の様に閉まっているがそれを確認するために停車したのではない。どうにも我慢ならなくなって天井を開けた。都心の朝を渋滞知らずで駆け抜ける贅沢さよ。しかし虎ノ門の交差点には朝日は射し込まない。警視庁を左手に見る。涼しい風が袖の中を駆け抜ける。

 

5:44

ようやく上野に入る。

予定では一時間で都心を抜けて宇都宮が渋滞するまでに抜けていこうかと思ったのだが思うようには事は運ばないものだ。夜明けのタクシーの停留所には夜勤終わりの運転手でにぎわっている。一区画超えるとアーケードであり、踏み切りであり、大通りである。この混沌とした町が出発点であり、終着駅でもある。家出少女が大きなかばんを手元に座り込んでいる。

 

6:00 50145km

燃料は1/4程度減ったようだ。ようやく日光街道とクロスした。少々日差しが眩しいようだ。大気は澄み、まさに朝方の大気であることをオープンカーは全身に感じさせてくれる。直射日光を受けていると汗ばむ陽気だ。今日は晴れるのだろうか。品川ナンバーのベンツは相変わらずピーキーな走りをしている。信号待ちでPLICANAの文字が目に入る。横浜ナンバーのZXRだ。ローソンレプリカヘルメットとバンクセンサーは彼の背中よりも周囲に圧力をかけることが出来る。彼は一直線を描き、視界の遥かかなたへ消えていった。

 

7:00

くもり。このくらいの天気がちょうどよい。シティの集会では暑い、という記憶しかないのだ。

しかしここの道路は一体何だ?ゆずり車線という車線はパッシングのために作られているようだ。土浦ナンバーのフェスティバもいつからか直前を走っている。そうだ、利根川をこえるあたりだったから一緒だったのだろうか、フェスティバもオープントップで風を楽しんでいるかのようだ。同じラインをくぐりながらギアを調節してフェスティバについてゆく。涼風はともかく、オープントップの弱点は周囲の大気を直接浴びることだ。それは最大の魅力でもあるのだが地方にいくと国道といえども畑の真ん中を通っている時のようなヒジョーにかぐわしい匂いを嗅ぐ時ががある。そんな時には10秒でルーフを開閉できるマシンがいくらもうらやましくなったことは言うまでもない。ルーフ・・・ポルシェ?

 

7:44 50199

宇都宮まで44km・・・。なんて距離を走ろうとしているのか、と自分に問い掛ける。先は長い。

合流地点からNA6が幌を開いて走り抜けてきた。しかし10秒も後ろで黙っていなかったようだ。クイックな車線変更であっという間に三台前に出られる。とても私に出来る芸当ではない。

 

8:08 50261

栃木県氏字町よく晴れてきてしまった。脱水症状になる前に幌を閉めたい。ふと気が付くとバックミラーにヨコハマナンバーの71型ジムニーが見える。これからどこへ行くのか、このジムニーは国道四号線を右折するときから付いてきた奴だ。ミラーを見る限りなかなかたくましそうな奴だ。旅は靴ずれ、という言葉が口から出掛けるが、飲み込む。

 

8:15 50271

SHARPの文字が左手に大きく広がる。電子工場、ハイテクセンター。どこの工場も日曜でも出勤する奴はいるものだ。道はノー・ストレス。夏の予感がする厳しい朝日は反対車線の車を識別できなくする。依然としてフェスティバ、ロードスター、ジムニーは同じ道を黙々と進んでいく。

 

8:30 50281

ロードスターがガソリンの補給に入った。少し寂しい気がする。しかし標識は”福島まで231km"と事実を認識させる。とろとろ走っていると先ほどのZXRにゆっくりと抜かれた。メシでも食っていたのか・・。ZXRは交差点の先頭で振り返り、こちらを確認した後、何も言わず先程と同じようにR4を北に向かって爆走した。

 

8:41 50291

男は黙ってチオビタ一本である。これは基本であるが声を大にして言うものではない。社会の中で反駁するもの、それがなんであろうと構わない。一つだけ明確なのは夢の中で見た現実はそう起こりうるものではない、という事だ。フェスティバは相変わらず前にいる。

 

9:04

フェスティバを見失ったが今度はジムニーが見えなくなった。いつの間に・・・。

 

9:09

淡々と走っていると左手に単車の集団がコンビニから出てくるのが見える。私も出来るならばこんな機械ではなく、車輪を二つ外してそこにあるものを手に入れてしまいたい。

 

9:10

一分も経たずに先ほどの集団が右手から中央車線にはみ出して前に出ていってしまった。88のTZRは今見ても独特のアピアランスを保っている、が、後ろから'92型のGSX-750Rが来ている。道を譲ろうと手を挙げるが反応が無い。阿部レプリカヘルメットは都心を走るバイク便には見られない艶と光沢を放っている。サンデーライダーらしく、安全パイで反対車線を悠々と走りぬけていった。

 

9:20 50325

セブンイレブンにて休憩。白川女石店。以前にもここに立ち寄ってしばらくすごしたことがある。しかし暑い。本当に暑い。エンジンを切るとルーフを閉めて店内に入る。アイスノンも溶けてその効果を発揮できなくなってしまうほどの暑さだ。これでルーフを開けて走っていくには体力が落ちすぎている。

まず男のみだしなみとしてトイレで放尿をする。非常に重要な儀式であり、迅速且つ綿密に行わなければならない神よりのさずかりものだ。今回の放尿はまずまずだった。

昼食持参と書いてあったために昼飯も購入することにする。加えてフィルム、そして何よりも重要なのはロックアイスである。これを購入する。早速お好み弁当\480を開いて食べてみるがご飯のおいしさに仰天する。ただのコンビニだと思っていたが私の常識はここでは通用しないようだ。ここは福島県である、弁当は福島の工場で製造されていたのがそのラベルに記載されていた。くわえてその弁当、私の開いた弁当にはカツが挿入されていたのだが、そのカツの為にカラシがインプットされていた。この事実は私を感動に導くのに十分であった。そして何よりもそのロケーションに感謝したことは言うまでもない。

 

9:48

出発・・これより暑さとの格闘になる。セブンイレブンで購入したロックアイスを溶かしながら戦いは続く。私にはメモを取る余裕すらなかったのだ。

 

11:50

これが最後のメモ書きになっていた。

”福島飯坂これる50417”

 

自宅に帰りついたときには距離換算計は50792を指しているようだった。

50150の時に\81にて12.00l給油。満タンにして、

50590の時に\82にて28.50L給油。

440 28.5 平均燃費15.43km