辛韓の国紀行
韓国戦史の旅
其の1:釜山〜多富洞〜金泉
- 8月某日
- 今日から夏休み(我が社では「リフレッシュウィーク」という)。しかしその前半は夏休み特別企画「朝鮮戦争3泊4日研修旅行」に参加して潰れる事になる。我が社が注文する商品は大抵市価の数倍になるのが普通だが(ヲ)、このツアーも普通の格安ツアーの倍以上の価格で、しかも自費。とはいえ普通のツアーでは行けない「北朝鮮第3南侵トンネル」などの名所(?)観光も入っているし、何と言っても朝鮮戦争当時の韓国軍第一師団長白善Y(ペク・ソンヨプ)将軍閣下に一部ご案内して頂けるというので、我ながらミーハーではあるが参加する事にした。まずは韓国旅行の定番(?)、博多港からのビートルll世号で一路釜山港へ。この日は台風が九州西部から黄海に向かっているとの事で、玄界灘は波が高いと言われたが、船内でぐっすり寝ていたので気が付かなかった。入社(笑)してからというものどこでも寝られるようになったが、こんな所で役に立つとはねえ。
- ところで、現在韓国ウォンの両替レートは日本円の約10分の1。しかし経済危機以来日本国内では両替できず、ビートルの中のスナックバーや免税品販売でも日本円しか使えない。ガイドさんの説明では、二言目には「IMFのせいで・・・」となるのだが、それって原因と結果を取り違えているのでわ?「IMFのせいで」両替できなくなったのは確かだとは思うが、その介入を招いた韓国バブルに関して反省どころか何の説明すらしないのがすごい。「自分達の間違いを認めたくない」のか、「自分達に間違いがあるとは最初から考えていない」のか・・・。この点では「北」も「南」も同じ民族だよな(銃声)。
- 小雨の降る中をビートルは進み、釜山上陸。入国手続きの後すぐ昼食になる。「日本ではお目にかかれない」石焼きビビンバ・・・って、それって一体いつの情報?その後多富洞へ向かうバスの中で朝鮮戦争について簡単な説明を受けるが、やっぱり「朝鮮戦争」という言葉はここでは禁句らしい。「韓国動乱」や「南北戦争」果ては「韓国戦争」と、「朝鮮」の二文字は意地でも使わない気か?
- 釜山へ進撃してくる「北」の戦車隊を食いとめた「東洋のヴェルダン」多富洞は、釜山からバスで2時間あまりの所にある。バスの車窓から見る風景は、それまで低い丘陵と狭い平野が広がっていたのが、ここではある程度高い山と山に挟まれた谷間(ボーリング・アレイ)となっており、確かにここ以外に防禦できる地形は少ない。当時韓国軍がその北の洛東江を放棄してまで選定しただけの事はある。この堅固な地形に加えて、韓国軍と国連軍(実質上米軍)との連携も巧く運んだのが勝利の要因とされる(連携を取らせるために、韓国軍と米軍の陣地を交互に作らせて、敵が来たら連携せざるを得ないようにした工夫もあるとの事だが、普段のコミュニケーションはどうとっていたのだろう?)。
- さて、この勝利を記念した記念館がここに建っており、詳しい説明もなされているのだが、いかんせん説明が英語とハングルしかない・・・。この戦闘に参加した国の国民にしか読めないのか(ヲ)。ただ作戦図もあるから戦闘の経過は意外と分かりやすい・・・って、作戦図の読み方が分からない一般人には同じか。展示は朝鮮戦争の経過と、当時双方の軍が使っていた装備品(38式、99式も使われていた)、それに戦闘の様子を再現したジオラマ。ジオラマにはミニチュアと等身大とがあるが、等身大のジオラマは南北兵士による白兵戦の様子を描いたもので、余りにも写実的で凄惨な流血の様子は小さい子供に見せたらトラウマになりそうなほど。一方ミニチュアの展示でも、洛東江渡河中B−29の爆撃を受けて四散する「北」兵士の姿をこれでもかというほど写実的に描いている。これが大陸的血の気の多さか。しかし、香港映画などの「明るい流血(ヲ)」ではなく、あくまで身の毛のよだつような凄みを強調している所が「恨」の国である所以(マテ)。日本でこんなジオラマ展示する所といったら、戦争の悲惨さを訴えるどこぞの平和博物館かなんかだよな。
- 多富洞を出て、本日の宿泊予定地金泉に向かう。ホテルの部屋は洋式ではなく「オンドル部屋」だといわれた。日本と同じように、座布団と布団の部屋だというので勇んで行ってみたら、二人で一部屋なのは分かるが一つ布団で枕が二つ・・・。そういえば旅行前の保険の説明書が「ハネムーン保険」だったような。旅行社の方で何か勘違いしていたのか?まあ予備の布団があったので事無きを得た(笑)。とりあえず日本から持ち込んだ焼酎呑んで寝よう、と焼酎を割る飲み物を買いに行く。何か怪しいドリンクはないだろうか・・・「815」なるサイダーを買ってみた。815とは独立記念日8月15日の事で、「アメリカに支配された清涼飲料(コカ・コーラ類の事)からも独立しよう!」という政治的(?)目的を持ったサイダー(コーラもある)らしいが・・・この味で独立を目指すのは無謀だな。
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