第1回弥次喜多記念
名古屋伊勢 月天 おかげ参りの旅
其の一
- 7月18日(土)
- かねてから計画していた「おかげ参り」出発の日。「弥次喜多記念」ということで純和風に浴衣と風呂敷包みで準備OK。本来なら羽織袴で行きたいが、あいにくクリーニング中なので諦める。いっそのこと手っ甲脚半に固めたいが、世間様の目もあり断念。次の機会こそは実行するぞ!
- 名古屋駅に着いたのは昼過ぎ頃。伯母さんが迎えに来てくれるはずだが、この伯母さんには幼い頃にしか会ったことが無いので向こうが見つけてくれるのを待つしかない。向こうはこちらの顔を写真などで見ているはず。しかし……約束の時間だが、「それらしい年代のおばはん」は2,3人いる。向こうは分からないのか見つけてくれない。仕方ないので駅員さんに呼び出してもらった。
- いたいた。やはり「それらしいおばはん」の一人だった。
「なんで気づいてくれんかったの?」
「いや、ああいう関係かと思うとって……。」
伯母さんが指差す先には、「浴衣姿で髷を結ったごつい人」が。そう、いまは名古屋場所なので、浴衣姿の男は目立たないばかりかそういう関係の人に間違われてしまうのだった。うう。
「明日には 千秋楽」と 我を指し 訳知り顔の 尾張人かな
- とりあえず風呂敷包みを伯母さんの家に置き、市内観光に出かける。
「名古屋といったらだよな」
ということで、まずは名古屋城見物へGO!時間的に余裕が無い(この時点で午後3時ごろ。名古屋城天守閣は午後4時半で閉館)ので、体育館脇のバス停でバスを降りると早足で正門へと向かう。途中見ず知らずの爺さんに関係者と思われたらしく
「すいません、(大相撲開催中の)体育館はこの道ですか?」
と聞かれて
「ええ、このまま真っ直ぐです。」
と、にこやかに応えてしまう自分のノリが憎くなる今日このごろ。(^^;;;
- 名古屋城正門で入場券を買い、中のお土産屋で「写るんです」を調達。
「どうせ城内は撮影禁止でしょう?ならストロボは要りませんよね。」
「いや、出来る階もあるので…」
と店員さんに言われ、心は非常に揺れたが財布からの要請でストロボ無しにしておく。本来は西の丸から回るらしいが、暑いので木陰の多い深井丸の方へ足が向く。剣塀などを写真に収めながら、不明門から本丸に入り天守閣に向かう。天守閣の内外には外国人観光客や制服姿の修学旅行生(らしい)が多い。最上階の展望台のにぎやかなこと!それから展示を見ながら降っていくが、やはり関係の資料が面白い。何度か改鋳しては藩財政を助けたとか、盗難に遭った時の新聞記事とか…。先の大戦で名古屋城は空襲で焼けているが、再建した時にもきっちりを復活させているのはさすが名古屋人。あの輝きはいまだにランドマークになっているようです。
城ならば 潰ゆは兵の常なれど 知らずか蝉の 声のせわしさ
- 名古屋城見物の後は、「明日のためにその一:巫女バー「月天」探し(爆)」。何しろ「日経トレンディ」には電話番号しか載っていなかったし、第一その電話番号すらメモっていなかった。唯一の記憶は老師さんの月天レポートで「大須」にあると書かれていたこと。
「じゃあ大須へ行ってみよう」
というわけで、まずは近くの電話ボックスでスッパマンに変身…ではなく、五十音別電話帳で「月天」をチェック……載っていない(涙)。さらに職業別電話帳で飲み屋関係をしらみ潰しに調べたが載っていなかった。仕方が無いので、「大須」地区の場所を調べ、歩き回ってみた。
- もうすぐ日が暮れるが、どうも見当たらない。仕方ないので大須観音傍の交番で聞いてみた。
「すいません、ちょっと道を聞きたいのですが。」
「今取り込んでるから…。とりあえずこれで探してて。」
職業別電話帳を出された。(^^;;;しばらくして警官の用事(恐喝事件の届け出が有ったらしい)が済むと一緒に探してくれたが、「月天」はまだ電話帳に番号を載せていないらしい。したがってNTTの番号案内にも引っかからない。途方に暮れた時、オーナーが「監獄バー」を経営していたことを思い付く。しかしよりによって「監獄バー」では、警官に聞くのは気が引けまくる(笑)。ヤケになったという感じで、五十音別電話帳の「監獄」の辺りを引く。あった(爆)。見つけたことを悟られないようにして、笑いを噛み殺しつつ残念そうに交番の外に出た。
夏の宵 道を尋ねて 交番で 探し当てたる 「監獄」の文字
- ところが、そこはれっきとした(?)「監獄バー」だった。すっかり落胆して、今夜の宿泊先である伯母さんの家に向かう。後で分かったことだが、この監獄バーは「月天」と関係が有ったらしい(同一オーナーか?)。ここで一杯やっておけば「月天」情報が得られたかもしれないが、監獄で呑む趣味は毛頭無いのでいずれにせよパス。ただ交番で警官が、「100m道路沿いで見かけたかもしれない」と言っていたのは実はかなり正確な情報だったのだが、この時点では分からなかった。
- 伯母さんの家では、伯父さんがやけに機嫌が良い。
「中日勝ったぞ!祝杯だ!」
「いや、明日はお参りなので、精進を…。」
「ビール、よく冷えてるぞ」
「いただきますです」
かくして夜は更けていったのでした。

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