第1回弥次喜多記念
名古屋伊勢 月天 おかげ参りの旅
其の二

- 7月19日(日)
- この旅行の主目的「お伊勢参り」の日である。10時半に伊勢市駅で自他共に認める世界最強の巫女へちである樹秘さんと待ち合わせの約束なので、早く起きて準備をしておく…つもりだったが、夕べの酒が…(^^;;;
お参りの 前には精進するべしと 悔ゆれど美味し 酔い覚めの水
- 軽い朝食を摂って、名古屋駅に向かう。ちょうど従姉も神戸に行く用事があるので、「どうせだから」と一緒に送ってもらった。従姉にとっては少し早目に駅に着くことになり、時間を持て余してしまったかもしれない。この埋め合わせは…出世払いということで。(^^;;;
- 「汽車汽車シュッポシュッポ」と、快速電車で伊勢へ向かう。時間が早いせいか、他の乗客は少ない。うとうとしている間に津、松阪と進んでいく。松阪にちなんで、本居宣長でも詠んだ歌を作ろうかとひねくっているうちに伊勢市駅に着いてしまった。この歌枕に富んだ区間にて詠めたのは、快速の停車駅を詠み込んだこの駄作くらい。
朝飯も 食わなで伊勢へ 鈴鹿越え 津で松阪の 牛ぞ食い多気
いかん、四日市を詠み込めなかった…
- 伊勢市駅に着いたのは、予定よりかなり早い9時45分頃。
「まだ樹秘さんは来ていまい。」
とは言うものの、樹秘さんとはネットで知り合っただけで顔は知らない。秋葉原や日本橋で見かけるような若い男性(爆)だろう、というのは大体想像がついてはいるが、それ以上は分からない。確実に見つけるには、よく空港にいる出迎えのように名前を書いた札を持つのが簡単で有効かな、というわけで、駅に常備してあるアンケート用紙の裏に「樹秘さん」と書いて持っておくことにした。ただし、「それらしい若い男性」を見かけた時に(^^;。
- それらしい人物はいるが、なんとも確信が持てない。約束の時間前後になり、ようやくそのうちの一人がこちらに気づいたようだ。開口一番
「これじゃわかりませんて」
「やっぱり鉛筆書きじゃ薄いか…。ところで、おといねっぷさんはおいでですか?」
「いや、結局連絡せえへんかったし」
と、いきなり親しく会話が始まってしまうのが、ネットで知り合った人との出会いの特徴(日高さんの時もそうでしたよね)。鞄につけた「神山みこちゃんのキーホルダー」で樹秘さんだと確認し、まあ首尾良く会えたという事でまずは外宮に向かう。
- 樹秘さんは何度もお伊勢様に来ているだけあって、交通手段にもペース配分にも熟練が感じられる。外宮にも見所は多いのだろうが、今回の目的は「いかに多くの巫女さんを目撃するか」なので宝物殿などは最初っからパス。主祭神に詣でて社務所を眺める以上の事はほとんどせずに外宮参拝を終え、バスで内宮に向かう。
白妙の 玉砂利踏みて 千早振る 神の社の 夏木立かな
- 内宮行きのバスは途中でストップ。参拝者が多いのに道路が整備されていないので、入り口付近でどうしても渋滞が発生するらしい。しかも今回のように連休ならばなおの事。仕方が無いので途中で降りて、先に猿田彦大神社にお参りする。私は一応日枝神社の氏子だし、お参りはしておかないと…と思って境内に入ると、いきなり目についたのが「巫女さんを描いた絵馬」!問答無用で即ゲット。ああ、お供えしたくないなあ。
- そのまま歩いて内宮へ。途中「おかげ横町」にて樹秘さんが空腹なのか昼食の話題を出す。こちらとしては「精進落し」でパーッとやるために、先にお参りすることにしたい主張して内宮へと進む。もともと山の中の内宮は山の借景ばかりでなく、それ自体もひとつの森といって言いくらい自然が多く、神々しい場である。蝉の声を聞いているうちに本殿に着き、拝礼する。
神さぶる 伊勢の山路の 蝉時雨 浮世の塵を 洗い流さん
- 内宮の休憩所で一休みして、さて精進落しだ。とりあえず腹ごしらえ、と適当に入った店で名物「伊勢うどん」とビールを頼む。このうどんは伊勢に慣れている樹秘さんが「まずいですよ」と太鼓判を押している逸品。樹秘さん自身は「カレー」と無難な選択をする。まあ「名物に美味いもの無し」なんてのは常識以前の事だから、うどんとカレーの味については敢えて言うまい。なおお伊勢様では他に「手こね寿司」なる名物があるそうだが、樹秘さんによればやはり「まずいですよ」との事。味の濃い散らし寿司らしいが…。
門前に その名も高き 手こね寿司 さぞ崇めたし 千手観音
- で、名古屋へ向かう。個人的にはせっかく精進落ししたんだからもう少し生臭いものを腹に入れたかったが(いつ精進したんだ、俺)、まだ熱田に向かわなければならない。という訳で宇治山田から近鉄名古屋へ向かったのだが、これが時間かかるかかる。まあ今朝早くから起きている自分にしろ夕べチャットで睡眠不足な樹秘さんにしろ、睡眠時間が取れてちょうどよかったか?しかし名古屋に着いた時にはもう結構いい時間になっていたので、今回は一ノ宮(真清田神社)や国府宮(大国魂神社)などに詣でる余裕はなかった。でも熱田神宮にお参り出来ただけでも上等ではある。
- 近鉄名古屋から名鉄で神宮前へ。そこから熱田神宮は目と鼻の先ではあるが、神宮は何やら工事をしているらしい。それはともかく、樹秘さんと共に本殿へ向かう。その途中で「信長壁」なる古跡をチェックするが、その時社務所での勤務を終えて帰宅する巫女さんをカメラに収める事が出来たのはラッキー!その後参拝を済ませ、社務所内の巫女さんをデジカメに収める樹秘さんのカムフラージュを手伝う。
千早振る 神代の光 今もなお 鋭く映ゆる 天の群雲
- 神宮を出て、名古屋中心部に戻るには地下鉄を利用する。「神宮西」駅構内にて「巫女さんポスター(?)」(熱田神宮のポスター。お神楽を映しているが、巫女さんかどうかは未確認)を発見した樹秘さんが異様に興奮したが、他の駅では見当たらなかった。残念。後は「月天」を探すのみ。
「監獄」では 既にあらじと 聞こゆるも 我を捕らふる 巫女姿かな

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