ここで樹秘さんが一言。
「ネットに上がれれば分かるんやけどなあ。」
「いや、インターネットカフェのたぐいも電話帳には載ってない。」
「どっかでOCNのデモかなんかやってへんかな?」
そうと分かればPCショップを探せばOK。場所は大須である。前日に歩き回った時、この付近にコンピューター関係の店が多いのは確認済み。アメ横を初め、主だった店を覗いてみる。セキュリティ問題のためか、ネットにつないであるPCはなかなか見つからないが、探し回った結果アメ横のあるアーケードの出口、赤門通りとの十字路にあるPCショップでOCNのデモをやっている事が判明。さっそくここからヤフーにつなぎ、「巫女」で検索をかけると樹秘さんのHPが出てくる。さすが。
そこにある月天情報で電話番号を調べ、街をぶらつきつつ見つけた公衆電話で「月天」に電話をかけ住所を聞き出すことにした。
「あの、『月天』さんですか?そちらへの行き方を教えてください。」
「はい、100m道路沿い、大津通りとの交差点付近です。」
「一応正確な所在地も。」
「はい、名古屋市中区大須3-5-13です。」
所在地が分かれば後は早い。100m道路へ向かい、そこから大津通りへ。番地を確かめながら行くと、黒い看板に白抜きで「月天」とあるのを発見。交番の警官が「100m道路沿いで見かけた」と言っていたのはこのことか。さっそく地下へ降りて入店…しようと思ったが、従業員に「6時開店」と言われて大人しく引き下がる。後30分ほど何してようか?
結局その雑居ビル内の妖しげな店(中古基盤屋とか…)を見て時間をつぶし、開店を待つ。どうやら同類らしい若い衆が4,5人、やはり開店を待っているようで手持ちぶさたにしている。ひょっとして某hazuki.com関係者かもしれないという期待と不安が胸を過ぎるが、不安の方がとてつもなく大きかったので声はかけずじまいだった(後に老師さんご一行らしいと判明)。
そんなこんなで6時になり、龍の水で手を清めて入店。ショートカットで茶髪(涙)な巫女さんが席に案内してくれるが、店内はかなり暗い。またボックス席は三方を壁に囲まれて孤立した形になっており、元「監獄バー」だったらしい雰囲気を残している。あれでボックス席の出入り口に鉄格子でもはめれば、翌日にも「監獄バー」に戻れるだろう。照明が暗いのもその名残だろうか?「日経トレンディ」誌上の社長の談話では「ストレスの多い現代人にリラックスの場を」ということで「巫女バー」を始めたらしいから、暗い店内の方がリラックスできると踏んだのだろうか?なおBGMは(入店してしばらくは)ムード音楽だったから、確かに「リラックス」させる事には気を使っているようだ。
店員を呼ぶスイッチは壁にある「家庭照明用スイッチ」だ。安上がりだが効果的な方法ではあるし、また目立たないから雰囲気も壊さない(「監獄バー」だとしてもそれほど雰囲気に影響しないスイッチだから、これは元「監獄バー」としての怪我の功名か)。私はいつも通り日本酒に決め、樹秘さんも日本酒にした。ただお燗を頼むのを忘れたため冷酒で出てきたのだが、樹秘さんにとってはそっちの方がよかったか?しばらくしてつまみに頼んだ「どぶ煮」が出てきたのだが…照明が暗いため、「黒い液体をたたえたお椀」にしか見えない(爆)。中身は八丁味噌を使ったもつ煮で、まずい事はないのだが「もつ煮」といえば「白味噌」な関東者としてはやはり食べなれない味である。
店内は割に繁盛しているようで店員さんも忙しそうだが、巫女さん=女子店員が(確認した限り)一人しかいない!!!これは(茶髪である事と共に)致命的な欠点である。まあ男子店員の制服が赤袴から作務衣になったのは評価できるが(店員としても動きにくかったのだろう)。ところで、店内のお客さんはほとんどが若く、女性客も目立つ。前述の店長の言葉からすれば(「日経トレンディ」というおやぢ雑誌に取り上げてもらった事から考えても)、当初予想していた客層は中年サラリーマンだったのではないだろうか。この「若い客」全てが私のような巫女さん属性だとは考えにくいから、やはりワイドショーの影響か。店長にとっては嬉しい誤算だろうが、狙いが外れているのだから店内のレイアウトをもう少し考えなさいよ。もし他の地域に「もっとミコミコした、明るい巫女さんバー」が出来たら、そっちに客を取られるのは目に見えていますぞ(断言)。
まあそのような事をアンケートに記入した時に気がついたのだが、前日探し当てた「監獄バー」と「月天」との共通クーポン券がある=やはりこの二店にはつながりがあった事が判明。あの時寄っておくんだったと後悔するが、「監獄バー」で呑むのは嫌なのでその後悔を頭から追い払う。樹秘さんと盃を重ね、「名古屋に欠けているもの:明るい巫女インターネットカフェ」開店の構想を話し合っているうちに、BGMが詠唱(?)に変わってきたのでさすがにあきれて退散する事にした。時間にはまだ余裕がある。
「カラオケにでも行きますか?」
樹秘さんのこのささやきについ乗ってしまった。休日の夜だというのに二時間熱唱してしまい、こちらの懐には現金が足りなくてカードで払うは、樹秘さんは大阪行き最終に間に合うかどうかな時間に駅に向かうは、とにかく尻切れトンボな一日でした、ハイ。(樹秘さんは結局間に合わず、途中で野宿したらしい)

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