最後の学期も始まり、いつもの学校生活に戻りました。いきなり修士論文の下書き提出を要求され、ちょっと苦しかったけど。で、冬休みのご報告を。
年末はNYCの友人Dの家に転がり込み、パーティー&ジャズクラブ三昧。NYCにはいつ行っても日本人が大勢いるのがすごい!毎晩2時過ぎまで遊び回ってました。ここに比べるとサンフランシスコって本当に小さい街だと思った。でも、ここで働くって今一つしっくりこない印象。都市として成熟した部分と、荒廃した部分が分かれていて、全体像がつかめない。大晦日の花火を眺めつつ、やっぱりサンフランシスコで働こうかなあ、と考えた。
年が変わり、氷点下の世界から34度のブラジルへ行きました。念願成就。太陽がまぶしい!サンパウロは東京に次ぐ大都市で、地平線の彼方まで高層アパートが立ち並ぶ光景は圧巻。ここは途上国ではありません。お店に行けば何でも買えるし、物価の高さはアメリカに匹敵していてびっくり。町中を歩いて、木々がうっそうと繁っているのが印象的。亜熱帯では木もよく育つのか、バルコニーの木が上の階まで届いていた。オフィス街は摩天楼、でもどのビルも1970年代以前に建てられた感じで、時間が止まってしまっているよう。日本人街はすごい!まるで、日本の地方都市の商店街に迷い込んだよう。「マクドナルド」はカタカナで書かれ、歳末大売り出しのぼりが立ち並び、人々は日本語新聞を読んでいる!日本人移民博物館では、当時の移民の苦労が偲ばれ感無量。この100年間の日本の発展ぶりに感謝。
イグアスの滝は圧倒的迫力。滝を見るだけで全身ずぶ濡れ。言葉で書いても伝え切れないスケール。ようやく南米まで来たことを実感。この滝は3国の国境近くにあるので、パラグアイとアルゼンチンに足を延ばす。パラグアイ側の街へ渡る橋は、雑然とした雰囲気。物売りが多く、人々の往来が切れ目ない。経済力の差は歴然、パラグアイ側は街中がブラジル人、アルゼンチン人相手の免税買い物エリアになっている。一方、アルゼンチン側の街は、ブラジルとの観光開発競争に敗北し、すたれきっていて、気持ち悪いほど静か。でも、明らかに他の2国より上品。ともあれ、人々の生活が国境という人為的な区割りを越えてダイナミックに展開しているのが面白かった。
クリチバは都市計画の成功で世界的に有名。確かに素晴しい。清潔、安全、ダウンタウンには人が溢れ、生き生きとした生活感がある。街並みはかなりヨーロッパ調。人々の身なりはきれいで、女性警官がやたらに多い。人々は親切に道を教えてくれる。(着いた日に道案内をしてくれた女子学生は可愛かった!)80円均一のバスシステム、貯水池を兼ねた大公園など教科書的。ここのプランナーにヒアリングをしたら、自分の仕事に誇りを持っているのがよくわかった。都市計画が本当に市民のことを考えて作られているのに感動。かくありたい。
ブラジリアも都市計画で有名、でも失敗例として。なるほど聞いていたとおり、車なしでは何もできず、娯楽も少ない。ちょっと歩いてカフェへ、など論外。首都としての威厳は計画通り実現されているが、まさに独裁者の世界。圧倒的は官公庁。それに暑い。でも、人々はけなげに広野を歩き、物売りは声を張り上げている。人間の生活力は、ルシオ・コスタの想像以上にたくましいのだ。クリチバと比べて、1960年代の都市計画思想はもはや化石。ここでもプランナーにヒアリング。ユネスコとしての世界資産登録が街の改造を禁じており、なかなか思い通りのプロジェクトが実現できないそう。悪戦苦闘しているのがよくわかった。エールを送りたくなる。外交官の親友Yの生活は、家と大使館を車で往復する毎日。途中には何もない。でも、仕事を楽しんでいるそうで嬉しい。
最後にリオデジャネイロへ。海と山と都市とが複雑に入り組んでおり本当に美しい。神戸とか横浜とも似ているが、地形のダイナミックさが遥かに違う。ビーチは白く、老若男女みんな大胆な水着姿。ビーチサッカーのレベルは高い。ダウンタウンはヨーロッパ的なものと急激に発展した部分が調和し、歩いていて楽しい。夜のサンバショーは、、、空前絶後。しかし!、ここの治安は最悪。夕方のビーチでナイフを持った強盗に遭い(被害:現金300円)、昼下がりに普通の住宅街を歩いていたらポケットの中味を子供にひったくられる(被害:ポケットティシュー)。ビーチやダウンタウンは、夜は全く出歩けず、昼間も一人歩きは慎重に。ここでは日本人は異常に目立つ。コルコバードの丘から見て分かったのは、ここでは金持ちと貧乏人がすごく近接して住んでいるということ。金持ちは門番を雇い安全を確保している。ブラジルは貧富の差がものすごい階層社会であることは明らかなのだが、他の街では階層毎に居住エリアが分かれており、旅行者が危険地帯に迷い込む心配はまずなかった。でも、ここリオではそれらが混在しており、安全地帯だけを選んで歩くのは難しい。本当に安全だったのはホテルの中だけ。こんな危険を味わいつつも、今回の旅行で一番気に入ったのはリオだった。住んでみたらいろいろ面白い体験ができそう。首都移転への反対が根強かったのに納得。
料理は(くどいが)美味しく、人々は魅力的。街毎に全然雰囲気が異なるのにびっくり。ラテンと植民地と近代化が混沌としたブラジルは本当に夢のような世界だった。中南米の旅は、結構病みつきになりそう。
では、最後の学期、頑張ろうっと。