直撃インタビュー第1回
(97年9月9日)

ジョン・フレゴネシさん
(メトロ成長管理局長)

直撃インタビューの第1回目は、就職面接以来お世話になっている我らのボス、
メトロ成長管理局長のジョン・フレゴネシさんです。

---明日から出張でお忙しいところ、お時間を取って下さりありがとうございます。このインタビューはまちづくりに関心のある日本の人々を意識していますので、日頃の仕事から一歩下がって行います。

了解!

---早速ですが、役職と担当するお仕事を教えてください。

成長管理局の局長として、メトロの成長管理における土地利用全般を担当しています。具体的には、土地利用プログラム全般、地理情報システム(GIS)、そして経済予測などです。私の親友である交通局長のアンディは、成長管理における交通計画を担当していますが、この2局はもともとは一つの組織であったため、大変友好的かつ緊密に連携しています。

---出身はどちらですか?

ビバリーヒルズで生まれました。イタリア系アルゼンチン人の父がアメリカに移ったのです。父ヒューゴ・フレゴネゼは、ゲーリー・クーパーのブローイング・ワイルドなどを撮影した映画監督です。彼はロサンゼルスの大手映画スタジオと契約を結んだ最初の南米出身の映画監督でしたが、これは歴史的出来事だったのですよ!ちなみに母も女優であり、ハリウッドの世界に住んでいました。そして、私が3歳であった1952年に、ハリウッドで成功を収めていた父はデカメロン・ナイトを撮るためにローマに移りました。実はこれが彼にとって初めてのヨーロッパ上陸だったのですが。そして1954年には家族全員がローマに移りました。私はそこで3年間を過ごしましたが、その後はローマとハリウッドを往復する日々でした。父は、ローマからハリウッド、そしてロンドン、パリ、マドリッドと飛び回っていましたが(笑)

---どこに居る時に故郷にいると感じますか?

私はチャイルド・オブ・ザ・ワールドなのです!(笑)私はロサンゼルスで殆どの時間を過ごしてきましたけれど、そこを故郷とは感じませんでした。心はいつもローマにありました。イタリアで育ったのは本当に良い思い出です。ロサンゼルスは好きではなかったけれども、いろいろな理由でそこで大学に行くことになってしまいました。

---では、そうした経験の中でまちづくりに関心をもったのですか?映画監督や俳優を目指そうとは思わなかったのですか?

全然!(笑)大学は映画研究科に入ったのだけれども、2クォーター経ったところで、それは自分のやりたいことではないと気付きました。そして、私は環境問題の方にはるかに強い興味があったので地理学科に進んだのです。最初の学位は地理および緑地科学です--地質化学とか地質物理、水理学といったものです。その後、大学院に進学する際には、コロラド大学に行って水理学者になりたかったのだけれども、オレゴン州立大学が学費補助を出してくれたのでそちらに進みました。コロラドはお金を出してくれなかったんです(笑)

---初めてオレゴンに来たのは大学院進学の時ですか?

はい、1974年のことです。私はオレゴン州立大学で土地利用計画に初めて興味を持ち、幾つかの科目を取りました。卒業の時には応用地理学の資格も取れたのですが、ウッドバーグというここから50キロ南の小さなまちの都市計画局長の就職口があったので、そちらを選びました。そこで、まちとして初めての計画案を作成したりしながら4年働く間に、まちづくりへの関心がますます強まりました。そして、アシュランドというカリフォルニア州境に近い大変素晴しいまちに移り、13年間かけて様々な経験をしました。そこでは無秩序な郊外開発を抑えるために、都心部の活性化や高密化を推進しましたが、その経験は現在でも大変役立っています。その後、1992年にポートランドへ移ったのです。

---その年はメトロが設立された年ですか?

メトロの設立は1979年ですが、私が来たのはメトロ憲章が改訂された直後でした。つまり、私のここでの仕事は、憲章を実施していくことなのです。現在では、ほぼ完成に近づいているわけです。

---ローマやロサンゼルス、そしてかつて働いた2つのオレゴンのまちと比較して、ポートランドは気に入っていますか?

私はオレゴンを愛しています。オレゴンの人々や自然環境が好きです。ここはアメリカのまちの中でも最高のものの一つですし、ここの生活の質(クォリティ・オブ・ライフ)は、私にとっては最上のものですから。オレゴンの最高の大都市ポートランドと、最高の小都市アシュランドに住んだことは大変幸運だったと思っています。

---もうポートランドに永住するつもりですか?

はい。ウッドバーグにいた時からしばしばここに遊びに来ていた私は、ここに住みたくでしょうがなかったのです。

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