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ユージ 「ぼくが登場したわけは、日本の安全を守るため、これにつきますよ。いままでぼくなしでやってきたことの方が不思議です。」
ピース 「そうかなあ。私、疑問に思うんだけど、日本が、例えば抗議とか、要求とか、警告とかそういうのが何もなしで、いきなり攻撃される可能性なんて あるのかな。つまり、事前に何の交渉もできないし狙われる心当たりもなくて、どうにも防ぎようがないような攻撃なんて。」
「それは・・・。あるかどうかわからないけど、あってから急いで決めようとしても間に合わないから、何もないうちにじっくり話し合っておかなきゃいけないんだよ。」
「じっくり? じっくりっていうのは、時間をかけて日本の住民の納得が十分得られてから、っていうことだよね。 いまユージくんがやっていることの、どこいらへんがじっくりなの?」
パパ 「そうだな。中谷防衛庁長官も、日本が攻撃されるということは、3〜5年くらいの範囲で考えたときには想像できないといっていたね。 それなら、法案を提示した国会ですぐ採決なんてせずに、次の国会までを検討期間としてもいいわけだ。 人々の反対が盛り上がらないうちに、いそいで決めてしまおうなどと思っているのでなければね。」
「そんな悠長なことはしていられませんよ。アメリカがテロ支援国家を攻撃するのに、応援が必要なんです。 イラクへの攻撃はヨーロッパもあまり賛成してなくて困ってるんですから。」
「やっぱりアメリカの応援なの? 日本を守るためじゃなかったの?」
「テロリストに狙われたら困るのは、日本も同じでしょう。日本のためにも、アメリカが頑張っているんだから、それを支えるんですよ。」
「たとえそうだとしても、アメリカの応援なら、もう十分しているんじゃないのかね。今回のインド洋への派遣では、日本はアメリカのコンビニとかガソリンスタンドとかと言われているらしいぞ。 90億円も提供したそうじゃないか。今年はさらに150億円提供するというし。」
「そんなんもんじゃダメですよ。だって今の法律、つまり周辺事態法では自衛隊は攻撃はできないんですから。」
「そ! ・・・へ、へえ、そうなんだ。で、ユージくんならどうするの?」
「ぼくなら、攻撃できるようにします。そのしくみは、自衛艦が狙われる可能性があるような事態を、武力攻撃が予測される事態だと定義できるところにあるんです。 武力攻撃が予測される事態というのがあいまいなのが、ぼくのすごく便利なところなんですよ。ついでに『我が国』というのも思い切り広範です。 外国の日本大使館とか、他国にいる自衛隊とかも定義に入れときました。これを駆使すれば、ちょっとしたことでぼくの出番になって、攻撃が可能になります。」
「自衛隊が攻撃できるだけじゃなくて、米軍も日本の物資を自由に使うこともできるし、民間人を連れて行くこともできるんだよね。物資の提供を拒否したら、罰則なんだよね。」
「さすがはピースちゃん。わかってもらえて嬉しいよ。」
「うん、よくわかった。米国が軍事行動をしようとして、でも自国の人が死んだりお金を使ったりするのが嫌だと思ったら、 周辺事態だっていって、自衛隊を後方支援に引っ張り出せばいいんだね。そしたら、自衛隊が狙われる可能性が出てくるから、 武力攻撃が予測される事態になって、ユージくん登場! あとは、民間人も徴用できるし、ガソリンでも食糧でも なんでも出させることができるんだね。日本国内にいる米軍は、日本の港や空港や病院なんかの施設を使えるし、車もどこでも通ったりできる。」
「そうそう、わくわくするでしょ。」
「自治体も首相の命令に逆らえなくなるんだよね。いやだと言ったら、首相が知事さんの代わりに指揮をとっちゃうんだもん。 報道機関にも規制が入るんだ。ほかにも命令に従わなきゃならないお仕事はたくさんあるよね。」
「すごいでしょう、ぼくの力。」
「うん、確かにすごいね。
でも、だからこそ私、ユージくんに絶対力なんか貸したくない。貸さないよ。
ユージくんは日本の安全や平和を守ったりしない。戦争を起こしたい人にとって都合がいいだけだね。
日本の住民にとって危険だし、世界中の国にとっても危険だね。
外国にある日本大使館で事件があっただけで、戦争にしようと思えばなってしまうなんて絶対にいや。
それに、アメリカの戦争に人もお金も出してどんどん協力できるなら、アメリカだって気軽に戦争できちゃうんじゃない。
そのせいで起こってしまう戦争だってあるかもしれないよ。そんなの世界の迷惑だよ。」
「ユージくん、もといたところに帰って。そしてもう2度と出てこないで。」
「私からも、お引取り願おう。もう2度と現れないでくれ。」
「は! わかったよ。あんたたちの力なんかあてにしないさ。オレにはオレの後ろ盾がある。 せいぜい平和を守ってくれよ。瀕死の憲九郎と一緒にな!」
「ふぅー。行っちゃった。」
「パパ・・・。私たちの責任だね。憲九郎くんをここまで放っておいたんだもの。だからユージだって 出てきたんだよね。ユージを追い払うのは、私たちの責任だよね。世界に対しても、未来の子どもに対しても。」
「ピースの責任というよりは、パパたちの責任かな。豊かに暮らすことばかり考えて、憲九郎くんの言うことを、
真剣に考えてこなかった。しっかりピースたちに伝えることもしていなかった。
それでもピースがこんなふうにいろいろ考える人間になってくれていて、パパはとても嬉しいよ。
さあ、今からユージを止めるためにできることをやらなくちゃいけないな。今からでも間に合うだろうか。間に合って欲しいが・・・。」
「弱気だなあ、パパ。間に合わせようよ。それしかないじゃない。私、看護師になるんだからね。困るのよ、このままじゃ。」
「そうか。ピースが自分の願うような人生を送れるようにするのは、パパの仕事だ。
やるぞ、今からでも。」
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