スポーツシビック(EG,EH系)は1991年9月、グランドシビックの後継車として発表されました。
走りと低燃費を実現させるというテーマの元に開発され、3種類のVTECエンジンがラインナップされています。
グレード展開は2ドアハッチバックでSiR2/SiR(EG6)、VTi/ETi/MX/ML(EG4)、EL(EG3)、Si(EG5)
フェリオとサブネームが付く4ドアセダンがSiR(EG9)、VTi/ETi/MX/ML(EG8)、EL(EG7)
また4WDモデルのEH1や逆輸入のクーペEJ1、派生モデルのCR-Xデルソル(EG1,EG2)などがあります。
まずトップグレードのSiRには、1989年インテグラに初めて採用された1.6リッターDOHC-VTECのB16A型が搭載されます。
グランドシビックの後期SiRから受け継がれていますが、若干のパワーアップを果たし?170psを発揮。
その次に1.5リッターSOHCエンジンであるD15Bを積むVTiがあります。
先代との違いは新たにVTECを備えた点であり、出力はSOHCながら130psを発揮します。
そして基本的な部分でVTiと共にするETi。
こちらはVTECを低燃費に振ったVTEC-Eを備え、20km/lと軽自動車並の燃費を誇ります。
これはアイドリング時や低回転時など、バルブの片方を休止させ混合気の流速を高めることで、
希薄空燃費で燃焼の効率化を図るものです。
この2つのエンジンは、後のミラクルシビック(EK型)で3stageVTECとして結実することになります。
それ以外は非VTECでキャブレター仕様のD15Bと、同じく1.3リッターのD13Bが存在します。
また20周年記念で、4000台限定で発売されたSi(3ドア車のみ)に従来からのZC型も搭載されています。

ところでこのスポーツシビックが「走りと低燃費の両立」をコンセプトに掲げたとは言うものの、
このテーマはシビックというモデル自体に課せられた使命であるとも言えます。
初代シビックが誕生した当時は自動車業界もオイルショックの波にさらされ、
燃費の良いクルマの開発を迫られており、そんな中で誕生したモデルであると言えます。
この思想は現在でも貫かれており、VTECなどによって確実にその努力は実を結んでいます。
ある本で「シビックはヨーロッパ的」という記述を目にしました。
ヨーロッパでは自分の身の丈にあった、合理的なクルマ選びが常識です。
当然クルマにも合理性が求められるわけですが、安っぽいと言われるシビックも、裏を返せば合理的と言う事では?
また他社の大衆車と違うのは、一つのモデルで幅広い年齢層に受け入れられている点です。
つまり車種をやたらと派生させることなく、同一車種でいくつかのバリエーションを持たせることで
老若男女を問わず乗れるクルマづくりがされているということです。
そういう意味ではワールドワイドなベーシックカーであると言えるのではないでしょうか。

≫EGシビックのスペック(EG4,6のみ)


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