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エッセイ…
『風の街へT』
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何故か心惹かれる風の街…
米国の土を踏むに至ったのは、偶然のことだった。漂泊の休暇旅行先として、米国が念頭に上ることは殆ど無かった…漂泊の航跡は、モスクワ滞在、或いは滞在中に列車と船で訪ねた欧州で始まり、そこに終始していた。比較的歴史が新しいとされる札幌の、更に拓けつつあった新興住宅地で、入って来る人たちが建てている家を、自分より確実に若い建物を眺めて育っている分、旧い建物が連なる様などに憧れを持っている。勿論、旧い建物も、建築工事が行われた頃には、幼稚園児だった私同様の目線でそれを眺めていた人々が居たであろう。が、その時に、様々な施工条件に照合して考えられるより良い選択を積み重ねて建てられ、永い間大切に使用されて来て、それを使用した人々を静かに見詰め続けて来た建物が醸し出すものは何物にも換え難い。欧州はそうした雰囲気に溢れている街が連なる地域である。
何度目なのかよく判らなくなっていたが、年末年始の休暇を利用して欧州を訪ねようとした2000年末、欧州へ行く航空券を入手することが困難という状況に出くわした。従前は、年末の本当に混み合う少し前に、勝手に“御用納め”をしてしまい、気軽に出掛けたものだったが、年末ギリギリまで雑用が重なることが明らかな中で出発日を設定したために発生した問題だった。その時、たまたま見つけたのが北米へ飛んでから大西洋を越えて欧州へ入る航空券の存在だった。混み合う年末出発は、市場の需給関係故に割高ではあるが、それでも真直ぐ欧州へ飛ぶより安価であった。更に、席の確保が可能なルートが幾つかあった。二つの大洋を越える漂泊の旅を計画する運びとなった。
このようなコースを組み立てる場合、北米の経由地は何処でも構わなかった。空港の中で乗換を行うだけでも構わないのだ。体力的には少々厳しいものの、乗換だけを行う強引な日程でも構わなかった。が「そう言えば一度も立ち寄ったことがない。」と北米大陸未踏であったことに思い至り、利用する航空会社が拠点にしている米国諸都市の何れかに、復路で一泊してみることを思いついた。可能性としては、ワシントンDC、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコなどが考えられたが、終始私の目を奪っていたのはシカゴだった。「シカゴに寄りたい!!」という思いが募り、東京・シカゴ便を利用して、シカゴから大西洋を往復する計画としたのだった。
この時にシカゴへ寄ったことがシカゴに惹かれて止まない現状を決定付けた…
2002年3月2日 管理人 タシケント