聖徳太子伝説に聖書物語!?

 日本人で聖徳太子を知らん人はおらんじゃろう。卓越した政治家として、日本仏教の大功労者として歴史にその名を残しておる人物じゃのお。しかし、不思議なことに、彼の伝説には、聖書の物語に酷似したものが多いのじゃ。
 まず、太子の誕生は、救世観音(ぐぜかんのん)が太子の母・間人(はしひと)皇后の夢にあらわれて予告される。また、皇后が馬小屋の前で出産したことから、太子は厩戸皇子(うまやどのおうじ、厩=馬小屋)と呼ばれた。マリヤが、御使いガブリエルからイエスの誕生を告げられ、馬小屋(と一般には言われておるが、聖書からは家畜小屋であろうことしかわからん。)で出産したこととよく似ておる。ある学者は、『聖徳太子伝暦』には、「『ルカ伝』一章二六節〜二章二一節までのイエスの誕生物語が、そっくりそのままの順序で、聖徳太子の誕生物語として掲載されている」とまで言っておる。
 他の伝説によれば、百済(くだら)人の日羅聖人(にちらしょうにん)は聖徳太子を「救世観音」と呼んで礼拝した。彼はのちに暗殺されておる。これは、キリストを世の救い主として紹介し、のちにヘロデ王によって殺されたバプテスマのヨハネと重なるのお。
 別の伝説には、太子がある飢えた人に衣食を与えたが、その人は死んで葬られ、数日後に復活し、棺の上には衣だけしか残っていなかったとある。キリストの復活の記事を思い起こさせるのお。  先述の学者は「醍醐本『聖徳太子伝記』(一三世紀)には、聖徳太子が死んでよみがえった話が出ているだけでなく、本書全体の構成が『ヨハネ伝』を模したものと推定される。……」と語っておる。  また、聖徳太子が、「大工の祖」「大工の守護神」とされていることも興味深いのお。イエスの父ヨセフは大工じゃったし、イエスも三十才で公に宣教を始めるまでは、大工の仕事をしておったじゃろうと言われておる。
 聖徳太子が四天王寺に戦勝祈願をした折り、「もしこの決戦に勝つならば、この枝に芽を生じさせたまえ」と祈ったと言われておる。旧約聖書の「大祭司アロンの杖に生じた芽」の話を思い出すのお。あれは、神が共にいるというしるしじゃった。アローン(一人)じゃないわけじゃな。(オホン!)
 聖徳太子については、謎が多いと言われておる。聖徳太子の伝記・伝説のすべては、彼の死後何百年もたってから作られたものらしい。そして見てきたように、これらの伝説がつくられたときには、しばしば聖書の物語が借用された可能性が高いようじゃ。つまり、当時、聖書の物語(または聖書そのもの)が日本に伝わっており、日本文化の形成に少なからぬ影響を与えたということになるのお!
 聖徳太子以外にも、シャカやその他の伝説に、多くその影響を見ることのできる聖書の物語。それだけ、聖書が人々に感銘を与えてたきたと言うことじゃろう。たいしたものじゃのお。


参考:久保有政+ケン・ジョセフ著「日本・ユダヤ封印の古代史2[仏教・景教篇]」(徳間書店)


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