中東大問題地区
イスラエルの重要な場所

 

■ エルサレム Jerusalem

エルサレムシティー・・・、ここにはユダヤ教、イスラーム、キリスト教の聖地があります。。なんせ、ユダヤ暦2千年のうちいろいろな勢力が支配して自分の宗教の聖地にしてしまったので、いったいいつの年代で言えばユダヤ人のものなのか、イスラームのものなのか、キリスト教のものなのかはっきりさせられないのです。

ローマ帝国が支配すればロマーナ・アエリア・カピトリーナとなるし、サラディンが支配すればアル・クドゥスとなりました。

エルサレムシティーの中にこの聖地が混在しているのがそもそもの問題です。ユダヤ教の聖地、嘆きの壁の裏にイスラームの聖地、岩のドームがあるといった始末。

以前はヨルダンとイスラエルで東(聖地がある側)と西に別れていましたが、第3次中東戦争でイスラエルが完全に占領し、ここを首都と宣言しました。

国連はこれを認めていませんが、アメリカはキャンプデービット2000の後、独断で大使館をエルサレムに移しました。

 

■ ガザ地区 Gaza Strip

イスラエルの南端、エジプトとの国境からクサビ状に食い込んだガザ地区は、第1次中東戦争でエジプトが占領しました。

ただし、エジプトはガザ地区を併合することなく、単なる占領地としてここの住民(パレスチナアラブ人)達は国籍を与えませんでした。そのため、ガザの住民達は支配国家から何の権利も与えられなかったのです。これは、自分達の国家がない民族の悲劇です。

そして、ガザの住民達は更なる悲劇が襲います。第3次中東戦争でイスラエルが怒涛の進撃をして占領してしまいました。

そして占領地政策として、ガザ地区をフェンス囲みガザの住人達(パレスチナアラブ人)には特別の扱いをしつつ、ガザ地区内にユダヤ人の町を建設し、入植者を植え付けました。
特別の扱いとは占領地から出る場合に許可が必要などの規制です。今回もガザの住人達は支配国家の国民と分けられてしまったのです。

入植地はガザの村々とはぜんぜん違う近代的な町が建設されました。その町は外周をフェンスで囲いイスラエル国防軍が守っています。住民も銃の携帯を許可されています。そんな入植に何か意味があるのか?と思いますが・・・。

入植地の入り口付近では国防軍に向けて投石によるデモ行為が日常的にあります。少年達が石を投げ、しばらくすると国防軍が威嚇射撃をして、幕が下ります。

フェンスで囲まれ、監視塔がたっている。何かまるで・・・ゲットー!?

ガザ地区はパレスチナ自治区となり、PLOも本部をここに移しました。そして、2005年9月、占領していたイスラエル国防軍は、ガザの権利をパレスチナ自治政府に委譲し、国防軍は入植者と共に撤収しました。

 

■ ゴラン高原 Golan Height

イスラエル領の北に位置し、シリアとの国境になっている高原です。以前はシリアがここに大砲をすえてイスラエルをバンバン撃っていました。

この場所はイスラエルの水源地帯でもあり、シリアとの戦略上非常に重要な地域であります。この高原からはイスラエルが一望に見渡せるし、反対を向けばシリアの首都ダマスカスの灯が見えると言った次第です。そりゃーシリアも渡したくはなかったでしょう。

第3次中東戦争でイスラエルが占領し、今は国連平和維持軍も駐屯して一見平和になっています。自衛隊もPKOしてます。

シリアはまず返せ、それから平和条約だといっています。イスラエルは平和条約が結ばれたらここを返すことも可能であると言っています。これを平行線という・・・。

 

■ ヘブロン Hebron

イスラエルのウエストバンク内にあるヘブロンは、ユダヤ人やアラブ人の始祖であるアブラハムが眠るお墓がある町です。この町はイスラエル建国前にアラブのゲリラによってユダヤ人が排除されていました。

第3次中東戦争でイスラエルがここを占領すると、イスラエル政府はヘブロンに入植地を建設しました。ここに入植したユダヤ人はもちろんアブラハムのお墓にお参りに行きます。アブラハムのお墓はイスラームにとっても聖地なので、モスクとなっていました。モスクにはユダヤ人が入る事は出来ません。

入る!いや、入れさせぬ!では話が終わらないので、イスラエル政府は国家権力でユダヤ人のお参りを許可しました。ただし、イスラームの礼拝時は禁止です。

上手い案でした。しかし、机上の空論とはまさにこの事でしょう。結局、ユダヤ人の作ったお参り用の祈祷所は破壊されました。すると国防軍が警備をするようになりました。

兵隊さんが警備のため聖地をうろつくと、当然ムスリムの感情を逆なでします。結局、かなり険悪なムードとなりました。国防軍が銃をちらつかせていないと暴動が起った事でしょう。

ここはエルサレムと同様、取り扱いが難しい町です。

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