「Fenway Faithful 1999 ALCS」
 1999 ALCS 当時の掲示板のログです。



「1999 ALCS」

 By Takeshi

★第1戦 Yankee Studium (10月13日) 先発:Kent Mercker
           1  2  3  4  5  6  7  8  9  10    R  H E
Boston     2  1  0  0  0  0  0  0  0   0    3  8 3
New York   0  2  0  0  0  0  1  0  0   1    4 10 1
 先発の Mercker はそこそこ、二番手 Garces も充分、次の Lowe も7回の失点を除けば2回と 2/3イニングをかなりのピッチングでこなしていた。延長でのサヨナラも Rod Beck で打たれたなら仕方がない。ただ、Rivera が出る前にもう少しHernandez を打ち崩さなくてはいけない。

★第2戦 Yankee Studium (10月14日) 先発: Ramon Martinez
           1  2  3  4  5  6  7  8  9   R  H  E
Boston     0  0  0  0  2  0  0  0  0   2 10  0
New York   0  0  0  1  0  0  2  0  0   3  7  0
 前半毎回ランナーを出すも得点に結びつかなかった Boston に引き換え、4回にそれまで無失点だったRamon が Tino Martinez に solo-homer を打たれてしまう。5回に Nomar のツーランが出て逆転に成功するも、Ramon は7回先頭打者に四球をだしたのを皮きりに同点に追いつかれてしまう。
 その後 Gordon - Cormier と繋ぐが O'Neill に痛恨のヒットをうたれ逆転。アウトコースのスライダーを投げれば、と思ったが、本人はインコースで攻めてヒットを 許した。Cormier は「もう一度あの場面が来てもインコースを投げた」といったらしいが、特にあの場面左投手が左打者に対してアウトコースで決めるのは鉄則ではないのか。結局そのまま Mendosa - Rivera に抑えられ2連敗。

☆第3戦 Fenway Park (10月16日) 先発:Pedro Martinez
           1  2  3  4  5  6  7  8  9   R   H  E
New York   0  0  0  0  0  0  0  1  0   1   3  3
Boston     2  2  2  0  2  1  4  0  0  13  21  1
 目と耳と身体に焼き付いて離れない最高の試合を見せてくれた。10月半ばと言うのに Boston は汗ばむほどの気温20℃を記録し、一大決戦に臨む Fenwayへの足は早く開門を待つ球場の周りはいつもより数時間も前からお祭り騒ぎになっていた。夏に見た New York ファンの数ほど suck 達は多くなく、盛りあがる Sox ファン達がい たる所で興奮の表情をちらつかせている。再び露天に出すことができた「Yankees Suck! 21」のT-シャツの売れ行きも好調そうだ。負けたくない、いや今日の試合だけは絶対に負けられないのである。

 グラウンドの中はブルペンで投球練習を開始する Pedro への大声援、逆のブルペンへ向かうRoger Clemens への大ブーイングから「Ynakees Suck!」の大合唱。試合前から体力が消耗してしまう。アメリカ国歌は Boston Pops Futuring Seiji Ozawa、無数の風船が放たれたあといよいよ試合が開始された。

 Pedro は5日前に背中の調子が万全でないうちに6イニングを投げたのだが、今日の試合も無難な様である。Pedro が無難といえばそれだけで打てないのである。 2 ストライクを取るたびのスタンディングオベーション、Kを重ねるごとの大声援、7回まで毎回の12奪三振に感激と共に驚嘆の声がまじった怒涛のような歓声が Fenway を包んでいた。

 それに比べRoger のマウンドは対照的だった。初回先頭の Offerman にいきなり3B ヒットを打たれると続くValentin には Green Monster を高々と越える 2run を放たれる。続く2回、3回もBoston 打線はとどまることを知らずに Roger Clemens に襲い掛かる。彼の耳には「Roooooogeerr Roooooogeerr」という丸ごと球場から発せられるブーイングがこれからもずっと残っているに違いないのだ。それだけ Boston は彼に屈辱を浴びせたのだ。

 2回6安打を放ち5失点の Roger をマウンドから引きずり下ろした後、打線は今度は伊良部に襲い掛かる。Roger を倒した打線には伊良部など所詮通用しないのだ。 4回を投げた伊良部に対して13安打8失点、合計21安打13得点の猛攻でスッキリと勝利をものにした。打者対決でも Nomar は4安打1HRに対して Jeter は1安打2三振である。所詮役者が違うのである。

 「Yankees Suck!!」「Let's Go Red Sox!!」「Where is Roger!!」「Just Like Cleveland!!」これらの声を吸い取った Fenway が奇跡をおこせるのか。

★第4戦 Fenway Park (10月17日) 先発: Bret Saberhagen
             1  2  3  4  5  6  7  8  9   R    H   E
  New York   0  1  0  2  0  0  0  0  6   9   11   0
  Boston     0  1  1  0  0  0  0  0  0   2   10   4
 結果的にすべてエラーが失点に結びついてしまった。先発の Sabes も悪くなかった。ただ断言する。お粗末な審判のミスジャッジによりこの試合負けを喫したのである。一度は逆転し、再度逆転された8回、Offerman ヒットの後 Valentin はぼてぼてのセカンドゴロ。これを Offerman にタッチにいったが判定はアウト。実際にネット裏上段からみていたので自分からはわからないが、その後のテレビモニターに映し出された映像は、間違いなく、明らかに、誰の目からみてもセーフ。全くのノータッチなのである。ここでチャンスが広がり、同点もしくは逆転の場面になれば絶対に9回の表の大量失点はなかったはずなのだ。9回裏にはまたしても Nomar の1塁アウトのミスジャッジに Williams 監督が退場。度重なる誤審にファンも絶えかねてペットボトルをグラウンドに投げ入れる。あろうことか審判は選手をベンチに引き上げさせ試合の中断。It's the curse of Bambino でないことを祈るばかりだ。

★第5戦 Fenway Park (10月18日) 先発: Kent Mercker
           1  2  3  4  5  6  7  8  9   R   H   E
New York   2  0  0  0  0  0  2  0  2   6  11   1
Boston     0  0  0  0  0  0  0  1  0   1   5   2
 昨日、おとといと20℃近くまで上がった気温がこの日はなんと2℃まで下がり、震えながら最後の試合を見ていた。ただ1回だけ、寒さを忘れさせてくれた場面があった。4点のビハインドを追う8回裏、先頭の Jason Veritek が solo-homer を打ったときからそれは始まる。次の Nomar がツーベースヒット、続くO'Leary が四球を選ぶ。Stanley は打ちとられ、次の Daubach に変って Huskey が登場、そしてまたも四球。場面は1アウト満塁。ここで Lowis に変って代打に告げられたのが Scott Hatteberg。しかし痛恨の三振。続く Trot Nixon がファールフライを打ち上げて万事休す。Yankees もこの回5人のピッチャーを投入し、Hetterberg と Nixon には Mendoza で逃げきられてしまった。ただ、なんとこの回途中から Pedro がブルペンに向かい投球練習を開始。もしあそこで2点、ないし同点のような場面になっていたらマウンドに上がっていただろう。
 試合が終了し、suck どもがマウンドに集まっている間も歓声は Pedro に向けられていた。その声に Pedro はブルペンを後にしながら、うつむきながらも右の握りこぶしを上げその声援に応えていた。