ストリップの世界でレズというと本レズとふつうレズの2つをさします。
元々レズビアンショウは取り締まりの厳しかったシロクロショーのかわりに作られたものです。
従ってこの本レズと普通レズという言い方の差はショーの中身の差になります。
シロクロショーの場合は実際に挿入するか、しないの差であったわけですが、レズの場合は本当に私生活もレズのカップルか、演技のうえだけの話かの違いに別れます。
この見た目では絶対にわかりそうもない差にも歴然とギャラの差が存在します。これは考えようによっては凄い話でこの業界は奇形性を認めるどころか其れを積極的に評価するという国家より遥かに進んだシステムを有しているといえるのかもしれません(逆差別ともいえますが)。
でもショーとしての差も確かにあるようで本レズのほうがお客さんの受けがいいようです。
(普通レズは新人育成のためにベテランの踊り子が新人を連れているケースが結構多く、そのためどうしても迫力にかけてしまうところがあるのと、やはり本物のもつすごみには芸ではたちうちできないということでしょうか?)
レズビアンショーは通常どちらかがタチという男役を演じ相方がネコという女役を演じます。2股になっているハリカタを使う場合とタチ役のほうが股間にハリカタを取り付けてネコ役と絡むパターンがあります。
さてタレントの場合はこんなものなんですが、本レズの場合ネコ役の女性がピン(1人で)ステージに立ち、タチ役のほうがマネージャーになるケースも少なからずあります。
〔この逆でネコがマネージャーをやっているのはあまり見たことがない)どうしてもレズショーだとギャラが高くなるためそう続けて仕事があるわけではないので、その場合ピンで仕事をとり、残った1人は楽屋でマネージャーというパターンと、はなからタチ役がマネージャーに徹し、仕事をするのはネコ役だけと言う場合にわかれます。
こっちのケースでは私が知っているかぎりでネコ役がマネージャーをやってタチ役が仕事と言うパターンはいまだみたことが在りません。
ではその一例を御紹介しましょう。
彼らにあったのは確か川崎OSの楽屋だったと思います。
OSの楽屋は狭く、そのワリにタレントは多いのでシロクロショーなんかで乗ったりすると男はかなり肩身のせまい思いをする場所です。
そこへ少し遅れてマネージャーと踊り子というきわめてありがちな二人が現れました。
女性のほうは三十台半ばくらい、マネージャーは四十前位で小太りのいかにも脂ぎったオヤジです。三つ揃えの趣味の悪いスーツに金縁の色付き眼鏡、五分刈りに金無垢のロレックスときたひにはこれはどこからどうみてもタダのスジモノのおっさんでした。
手早く挨拶を済ませるとオヤジはさっさとスーツを脱ぎ始めステテコ姿になりそのまま競馬新聞を広げラジオをききはじめました。
でもこの一見こわもてのオヤジ、以外とまめなやつで外へでると楽屋へのオミヤのケーキは欠かさず、自分の女房には冷淡なものでしたが他の踊り子たちにはやさしく、マッサージはしてくれるし、いろいろ相談にものったりしてくれるので(踊り子は自分の不幸を他人に自慢するのが大好きです。話すネタがないと取り敢えず楽屋は勝ち抜き不幸合戦となります。ただし本当に混じり気なしの不幸な人たちの集まりみたいなもんですからその内容はハンパなものではありません。)三日もたたないうちに楽屋の人気ものになっていました。
只このオヤジやや困ったところがあって(基本的には楽屋の風呂は共同風呂になっているんですが)ルール無用で好きな時に風呂に入ってくるのです。
これは本来まずいことであまりやるべきではないし、少なくとも入浴中に入ってこられたほうの踊り子が黙っているはずがありません。
これだけ気を使えるはずのオヤジがやることとは思えませんでした。
でもある日、相方と風呂に入っているとき乱入され初めてその理由が理解できました。そのどうみてもオヤジにしか見えなかった生き物にはチンポがついていなかったのです。それどころかテキはオッパイさえつけていました。そのオヤジはこともあろうにオバサンだったのです。
これでは文句がでないはずです。
相手が同性であればフィリピンからきたダンサーに風呂から上がるときのパンツの履き方(ちなみにフィリピンダンサーの大半は本番マナ板なため風呂にはいるときはパンツなんか履いてません)にまでケチをつける踊り子たちもことさら問題にはしません。
でもこのオヤジ型オバサンはタダモノではありませんでした。確かに生物学的には女でしたが中身は完全にオヤジでできていました。
私の背中は絶対に流してくれそうにありませんでしたが、相方の背中はアカ向けになるまで擦ってくれて、なおかつドサクサに紛れてあちこち触ってきます。そのうち相方の様子が変になってきたので失礼かとも思いましたが緊急事態と判断しオバサンにケリをいれ相方をつれ風呂をでました。
別にそのあと仕返しをされるようなことはありませんでしたがきっちり無視されました。うちの場合は其れで済みましたが、オバサンの快進撃は留まるところを知りませんでした。
そのとき踊り子の半分位は楽屋に泊っていたんですが基本的には雑魚寝状態です。それをいいことに並んでいるハシから夜ばいをかましてきたそうです。
当然ですが殆どの人達は亭主持ちでなおかつ子供なんかもいたりしますからケリが入りますが、このオバサンそんなことカエルのツラにション便で全然気にしないし悪怯れる様子もありません。
肝心の女房役のオバサンもタヌキ寝入りでもしてるのか起きてくれそうにありません。でも好きにさせておくとナニをされるか解らないしなんて考えてると今度は耳元で口説き始めるそうです。これが昼間散々聞き出しておいた不幸ネタから攻めてきて揚げ句にマンション買ってやるとか、シャネルのスーツはいらないか、とかもうその辺のオヤジ顔負けの口説きがはいり、子持ちの踊り子さんには進学の面倒までみてやると口走ったそうです。で当然奥さんは?と追及すると「あれは妹だから・・。」と憮然として答えたそうです。
結局此のときは誰もオバサンに手篭めにされるようなことはなかったんですが後から聞いた話では妹というのは本当のハナシでオヤジオバサンは親の会社を引き継いだ二代目社長だったそうです。
なんでも不動産関係の会社で結構羽振りはいいらしく別に不自由はないらしいんですが、妹は体質的に子供ができないうえに男縁がなくしかも露出癖があり、姉は下手なオヤジより遥かにオヤジらしいひとですからこれは此の二人に跡取りを期待するほうが間違えています。
この変態姉妹は趣味と実益をかねて芸界を荒らしにきていたわけです。ま、だから子持ちの踊り子には親切だったのがよくわかります。(でも小さいうちはいいんだろうけど高校生位になってうちにいるのは二人ともお母さんだってわかったらやっぱりトラウマとかなるんですかね?)当時のうちの相方も二歳の子持ちで離婚歴アリの独身でしたから私がケリさえいれていなければ今ごろタマノコシだったかもしれません。
ただ果たして幸福なのか、不幸なのか、所詮そんなものはそれぞれの人の尺度でコロリと違うものですから一概には言えませんが少なくとも私の知る範疇では結婚???したってハナシは聞いていないのでそれだけ変態の闇は深く、救済の道は遠いということでしょうか。