1998年2月13日更新
◆「Good Times」のバッキング・ヴォーカルは、The Small Facesのスティーヴ・マリオットです。
◆「Vigil」収録曲ではピアノの多くをニッキー・ホプキンスが弾いています。
◆バッキング・ヴォーカルにオリビア・ニュートン・ジョンが参加している曲もあるはず。
◆プライベートではスモール・フェイシズとの結びつきが強かったイージービーツですが、共演は「Good Times」など極僅かでした。どちらのバンドも作曲が優れており、作品の提供の必要がなかったですし、イージービーツの渡英からさほど時を経ない内に両バンドとも解体に向かったこともありました。スモール・フェイシズは特に他のバンドにほとんど曲を提供していないので、もしイージービーツが曲の提供を受けられたら希少な例となったのですが。スモール・フェイシズのマリオット=レインの曲提供としては、P.P.アーノルドの「Groovy (If You Think You're)」があり、そこでは彼らはバックの演奏も務めています。
◆イージービーツのプロデューサーは意外に(?)名の知れた人が歴任しています。
◆まずはシェル・タルミー。初期のザ・フー、キンクスなどのプロデュースで知られます。しかし、彼は金銭面で非常に厄介な契約を結ぶ人だったようで、ザ・フーの60年代の録音が少なく、再発もきちんとされない理由は彼との契約問題にあると言われます。イージービーツは半ば強引に彼のプロデュースを取り付け、「Friday On My Mind」の成功を得たものの、2重契約問題から大変なことになりました。イギリスにおけるセカンド・アルバムは契約のこじれが原因でリリース不能となり封印されました。「Vigil」はその前後につくられた曲の寄せ集めです。曲によるばらつきが著しいのは、成り立ちに負うものです。CD再発にあたってシェル・タルミーが所有していたテープの曲が収録されているのは流石Repertoire。
◆続いてグリン・ジョーンズ。彼もザ・フーとの関係がありますね。幻のアルバムは彼のプロデュースでした。シェル・タルミー・プロデュースのアルバム「Friday On My Mind」とは全く異なり、サイケデリック真っ盛りの1967年のイギリスにおけるアルバムとしては非常にコンテンポラリーな仕上がりでした。数々のサウンド・エフェクトは彼抜きにはなかったでしょう。しかし、その作品が世に出るのは1976年の「The Shame Just Drained」まで待たなくてはなりませんでした。
◆「Vigil」のプロデュースはイージービーツと彼らの盟友マイク・ヴォーン。この頃の契約問題はオーストラリア時代からのマネージャー、マイク・ヴォーンのしでかしたミスに違いないのですが、イージービーツは結局、彼との仕事を継続することになったようです。シェル・タルミーと組んでも大変だったでしょうが、彼と対決するのもまた途方もないことだったに違いありません。
◆ビートルズと対面したのは1度だけ、特に公の場ではなかったようです。
◆そのビートルズのマネージャー、ブライアン・エプスタインはイージービーツのマネジメントを手がけたがっていたそうです。折しもその1967年、彼は亡くなってしまうのですが、その前年にビートルズがライブ活動を停止し、ビートルズにおける彼の存在意義が薄れていたこととも関係があったのかもしれません。今となっては実現の可能性がどの程度あったのかもわかりませんが、この時にイージービーツのマネジメントがエプスタインの手に移っていたら、歴史は全く違っていたかもしれませんね。イージービーツが直面した契約問題は避けられたかも知れませんし、エプスタインもまた死なずに済んだのかもしれません。
このページの内容の無断転載を禁じます。