ブリティッシュロックと私

1999年6月8日更新

MANFRED MANN

Manfred Mann --- Keyboads

Mike Hugg --- Drums

Tom McGuiness --- Guitar, Bass, Vocals

Paul Jones --- Vocals, Harp

Mike Vickers --- Guitar, Saxophone

Dave Richmond --- Bass

Jack Bruce --- Bass, Vocals

Mike D'abo --- Vocals

Klaus Voorman --- Bass, Vocals, Flute

メンバーがやたらに多いですが、名前をとりあえず並べただけで、入れ替わっているので実際にはほとんどの時期において5人編成でした。

最初期がリッチモンド、ジョーンズ、ヴィッカーズ、マン、ハグ。すぐにリッチモンドが抜けてマギネス加入。ヴィッカーズがアレンジャーとしての仕事に打ち込むためにバンドを離れ、マギネスが本職のギターへと変更。それにともなってジャック・ブルース(もちろんあのクリームで有名な人)が加入。この時期はホーン隊をメンバーに加えていたけれども、面倒なので省きます。以前より脱退を希望していたポール・ジョーンズの脱退と前後してジャック・ブルースも脱退。バンドはEMIから契約を切られてしまい存続の危機を迎えますが、マイク・ダボとクラウス・ヴーアマンを迎えてよりポップに一新してヒット路線を継続しました。

このメンバーチェンジのタイミングはかなり錯綜しているようで、ジャック・ブルースがやめたのが一番先で、新メンバーでの録音の後にポール・ジョーンズが正式脱退となっているようです。一瞬だけ新旧平行していたわけですね。

マンフレッド・マンが長く続いた理由は、恐らくマンフレッドとマイク・ハグのふたりを中心としてほとんどのメンバーがポップスとジャズ、R&Bのいずれをもこなす力量をもっていたことにあるだろうと思います。時流にも合わせつつ、綿密に練り上げたシングルヒットを的確に送り出す中でジャズやR&Bのフレイバーをかなり濃く混ぜて独自性を主張したこのグループですが、意外なことに自作曲に恵まれていません。他人の曲を素材として優れたポップ・ミュージックを作り出す職人のようなグループだったといえるでしょう。

もちろん、ライブ・バンドとしても優れていました。特にジョーンズ、ヴィッカーズ、マギネス時代がよかったように思います。ポール・ジョーンズの歌は、マイク・ダボのもつファニーな路線よりある意味で洗練されていて、ライブ・パフォーマーとしてはより魅力的です。また、マルチ・プレイヤーのヴィッカーズとマギネスによる演奏は、必要以上に複雑になることなく豊かな表現を聴かせます。

リッチモンドが首になった理由は彼がジャズにこだわり過ぎたことにあり、ジャック・ブルースが脱退したのはマンフレッド・マンでは彼が希望するようなインタープレイの側面が薄かったためでしょう。ホーン隊を解雇したのもサウンドをソリッドにするためだったわけで、マンフレッド・マンは常に各メンバーに高い技量を要求しながらもポップであることを至上の命題としていたわけです。

再評価、再発が進まなかったのは、ビートルズと比較したならばあまりにも60年代的すぎるために時代が一回りするのを待たなくてはならなかったからでしょう。未だに後期、フォンタナレーベル在籍時の録音は再発がきちんと整理されていませんが、初期のEMI時代については昨今の爆発的な再発進行の中で基本的に全タイトルがCDで再発されました。「Soul Of Mann」のジャケットは、オリジナルにこだわらないで以前日本で再発された時のものにした方がよかったかな。(^^;)

-- Discography --

"Five Faces of Manfred Mann"

"Mann Made"

"Soul of Mann"

"As Is"

"Mighty Garvey"


棚橋勝敏(イージーファン)


「Delerium's Psychedelic Archive」のManfred Mannのページ


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