サウスウェスト航空で飛ぶ
|
その1 行き
|
サンノゼ〜フェニックス経由〜オースチン
|
火曜日の昼3時ちょっと前、サンノゼ国際空港のターミナルAに到着。
ここはアメリカン航空とサウスウェスト航空のみが使用している。
とりあえず画面で出発時刻を確認。乗るのはサウスウェスト航空1076便でフェニックス経由オースチン行き。
予定通り出発なのでまずは一安心。
画面下に機内持込は一個まで、と書いてあるが以前は2個までOKだった。同時多発テロ以降1個に制限されてしまった。
サウスウェスト航空のカウンター。
長びく不景気とテロの影響で乗客が少ないのか、隣のアメリカン航空のカウンター共々ガラガラ。
ここで搭乗券をもらう。今回は仕事に必要なものは事前に送ってあるので身軽な旅。従って荷物は預けない。
これが渡された搭乗券。大きなAは乗り込み順番のこと。Aグループの人は搭乗受付30名(だと思う)。以降B,C,D....と続く。
座席番号がなく、席は早いもの勝ち。この座席指定をしないことがサウスウェスト航空の大きな特徴で、個々の客の座席希望を聞いて処理する手間を省略して予約・搭乗手続き時間と人件費を節約している。
席が予め決まっていないので,例え間際に買ったチケットでも空港に早めに行けば好みの席に座れる。
以前はゲートで番号の書かれたプラスチックの板を配布して、「1番〜30番まで」という風に呼び出して搭乗させていたが、この伝統的な板が廃止されてしまったのはちょっと残念。
鬼門のセキュリティに並ぶ。去年の今ごろはM-16ライフルを持った州兵(National Guard)が警備していたが最近は居ない様だ。
手荷物は勿論、携帯電話・財布・鍵など携行物をX線に通すように言われる。オープンチェック(英語ではハンドチェック)はテロ事件以降一切不可、フィルムはISO400までは大丈夫と言われる。ということは、これ以上の感度が必要な場合は目的地でフィルムを買い、撮影後現像を済ませる必要があるということ。鉛の保護袋に入れる方法もあるけど少しでも穴があるとダメ。まあ、飛行機と風景の写真を中心に撮影している私には高感度フィルムは縁の無いものだが。
抜き打ちで乗客を選び、靴を脱がせて靴だけをx線にかけたりしている。この抜き打ち、人種や宗教、年齢、性別を基準にすると差別になる。高校生くらいの女の子が靴を脱がされている所を見ると本当にランダムなんだろうか。それとも検査官には「女子高生徹底チェック」という崇高な趣味があったりして....
セキュリティ強化で時間がかかる為、同時多発テロ以降は出発時間の90分前(季節・空港により若干異なる)に空港に来い、といわれる様になった(ちなみにそれ以前は60分前)。
今回はセキュリティがガラガラあっという間に自分の番になる。
無事セキュリティを通過。ゲート前には飛行機を待つ人の時間潰しの為様々な店が並ぶ。
これは日本でもお馴染み、代表的なファーストフード店のマクドナルド。
こういう手合いの物を食べなくて良い様に、昼食はちゃんと済ませてきた。
これも日本ですっかりお馴染みになったスターバックス。
飛行機を待つ間、ボーイングの旅客機ばかりが目の前に並ぶターミナルで、スターバックスのコーヒーを飲みながら、マイクロソフトのOSの入ったラップトップコンピューターで仕事をするシリコンバレーの人たち。もう気分はシアトルだ。でもここはサンノゼ。外は晴れているしイチローも居ない。
みやげ物、雑誌、スナックを売る店。シリコンバレーらしく、シリコンウェハー(模造品?)なんてのも売ってた。サイズは6インチだとおもうけど、せめて8インチにしてもらわないと....
空港の店らしく、値段は高め。
みやげ物屋に売っているVC-25Aエアフォースワン(82-8000)と、リムジン・SP車両・ヘリのセット。スケールがバラバラなのはしょうが無いとしても、飛行機はどうみても上部デッキが長くウィングレットのあるB747-400系だ(VC-25AはB747-200系ベース)。勿論機首の空中給油口の出っ張りとか、追加されたアンテナ類とか、最後尾の赤外線ミサイルジャマーとかは付いていない。
暇だから最近オープンした国際線ターミナルを覗いてみる。国際線の発着の無い時間帯なので誰もいない。まるでゴーストタウン。椅子の綺麗さがかえって哀愁を誘う。一時はサンノゼからの台北便やパリ便もあったが、現在国際線はメキシコと日本にしか飛んでいない。
出発時刻が近づき、ゲート前に待つ人も増えて来た。
これから乗る飛行機、N315SW(ボーイング737-3H4)が到着。
この機体は1996年にダラスで悪天候の中、着陸直後に滑走路を外れ灯火を破損する事故を起こしているが幸いけが人は無し。サウスウェスト航空は死亡事故の無い、比較的安全性の高い航空会社。
左の窓側に席を確保。
サンノゼの滑走路30Rに向けタキシーが始まる。貨物地区を通るとAirborne ExpressのB767(元全日空)が見える。
こちらはBAXのDC-8。
11月下旬の、午後4時半頃の撮影なので夕日を浴びている。
サンノゼ空港を離陸して上昇中。シリコンバレーを見下ろすハミルトン山の頂上にはLick望遠鏡がある。
離陸後まもなく日が暮れた。
サウスウェスト航空はフレンドリーでユーモアたっぷりのクルーでもお馴染み。
今までの経験では、
・パイロットがずっと窓の左右の景色を解説して観光案内
・スチュワーデスがサウスウェスト航空を称える替え歌を熱唱
・空いている便で、「ライバル会社に満席と思わせる為に、皆さん出来れば窓際にお座りください」
といった具合。
今回のフライトでは、ビールを買おうとした乗客のお釣りが無く、機内放送で
「どなたか5ドルくずれませんか?1ドル札五枚。あるいは1ドル札4枚と25セント硬貨4枚でも結構です。1ドル札3枚と25セント硬貨8枚でも結構です。1ドル札4枚と10セント硬貨10枚、1ドル札1枚と25セント硬貨16枚....えっと、誰か両替してくれるまでず〜っと続けますよ」と言ってウケてた。勿論無事に両替出来た。
これがサウスウェスト航空独特の対面シート。何か昔の国鉄の車両みたい。後ろ向きに座ると、離陸上昇中は体が前に放り投げられそうな感じで不安になる。着陸停止時は背中で減速を受けるのでとても快適。リクライニングしないのが難点。最前列と、機体によっては中央の非常口が対面シートになっている。ただし最近の機体は対面シート無しもある。
尚、サウスウェスト航空はファーストクラスが無い。他の航空会社だと、私が乗り込む時には、先に搭乗して無料アルコール片手にくつろぐファーストクラスの乗客が「貧乏人が来た来た....」といった感じで見るのでイヤな思いをする。
その点、サウスウェストは庶民の味方。
時差の関係もあり、テキサス州のオースチン空港に到着したのは深夜の11時。
降りる前にコックピットの写真を撮らせてもらう。
かつては空軍基地だったオースチン空港。
インフォメーションデスクの後ろにはローンスターの旗が。テキサスだよなぁ。
ホテルに到着。
不景気のせいか値段が安い。この部屋は最上階レベルで98ドルなり。一人で寝るからベッドは一個でいいんだけど....