那覇に到着した翌朝は、首里城を通り、沖縄市まで走る。首里城は小高い丘陵地の上にあり、そこまでぐいぐい坂を上っていくと、海を背に広がる那覇の市街地が一望される。強い陽射しを受けた市街地は、全体的に白っぽく見え、青空と白い建物群のコントラストは、かつて訪れたスペインの街の景色を連想させる。建築様式もだいぶ本州とは異なり、コンクリートの角張った建物が多いこともあって、異国の街角にいる気分を味わうことができる。
建築現場で働く作業員たちの顔は浅黒く、表情もおだやかで、道端にしゃがんでゆっくりと休憩をとっている。そんな姿も、当方の思い込みもあろうが、本州の忙しげな工事現場とは違う、南国を感じさせる風景に映るのだ。
首里城は、13世紀半ばより4世紀半にわたり栄えた琉球国王の居城である。舟により中国、日本をはじめ周辺諸国との盛んな交易がなされ、商業、文化の花開く海洋王国であった。華やかな赤い壁や、原色を多用した装飾には、特に中国の影響が強く出ている印象を受ける。
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