TRAN-DS
The Side Story of Tolled Armor Tran-D
Chapter 1: Awakening
Part 1


艦内に警報がなってる。
赤い電灯がフラッシュする中、銃声と断末魔が響き渡る。
そしてもう一つ必死に追手から逃げようとするものからの呼吸の音が聞こえた。
彼女は、片手に銃を持って、角にかくれながら進み、ある部屋にくると足をとめた。
白衣の彼女は、ドアロック解除のパスコードを入力すると周りを確認してから部屋に飛び込んだ。
内側からロックをかけ、目の前にあるカプセル、あやしい青い光を出してるカプセルを見上げてから隣にあるキーボードをたたきはじめた。

-Initiating Reanimation Sequence-

彼女のキーコマンドに応じコンピューターが作業開始の合図をつげた。
機械音とともにカプセルは、オレンジ色に輝き出した…
女性はキーボードを再び叩きはじめた。
機械音がまたして、カプセルが移動始める。
スクリーンにもう一つウインドウをあけて別なシークエンスを起動した。

-How are you Feeling?-

「最低よ・・あなたはどう?」

-I've felt better-

女性の声が質問に答えた、しかしそれは、生身の人間ではなくコンピューターにつくられた声であった。
しばらく彼女はキーボードに様々なコマンドを入力していく。
それに対して艦の他のところでべつの機械が作動しはじめた。
ピィーーーー!

-Reanimation Sequence Complete-

コンピューターの合図とともカプセルは彼女の前で動きを停止し、そのふたを開けた。
中から少々生臭い匂いがした。
彼女はすぐにそこにれて液体につつまれてるある人物をだきおこした。
そしてすぐに口と鼻の当りを拭き取る。

「げほ!」

一回咳をするとその「娘」はゆっくりと目をあける。

「おはよう、そしてお久しぶり…フェナ」

「…………」

-Good Morning-

フェナと呼ばれた少女は無言に当りを見回し、カプセルからおりた。
冬眠に使われてる液体が身体にまだ付着し、白銀に輝く彼女の髪を身体に密着させた。
彼女を「眠り」から覚ました女性はすぐに自分てる白衣のコートをフェナの肩にのせる。

「着せるものがなくてごめんね、でも今はそれを気にしてる場合じゃないの、あなたはすぐにこの船から脱出しなさい。あなたの機体の準備はできてるわ。」

状況が最悪だとすぐに理解できたらしく、フェナは無言にうなずいた。

「ウィル、「彼」は

ウィルと呼ばれたコンピューターは、ウインドーをもうひとつひらき、艦内の状況を示しながら、別のウインドーに格納庫の中を見せた。
そこには、両目をひからせてる青と白の巨人がたっていた。

-Preparations are complete-

「じゃあ、あなたも転送準備が出来たら。この船の自爆シークエンスをはじめて。」

-Understood-

「Wile?」

-Yes?-

今度は男の合成声が答えた。

「この子の事頼むわよ。」

-Roger,Leave her up to me-

「ませてくれ」と答えたワィルにちょっとったあと、彼女はフェナが着てる白衣の前ボタンを留めはじめた、まるで我が子の服をなおすかのように。

「フェナ、あなたはなにがあっても生き延びてね。」

「何故?……」

この問いに彼女の手の動きがとまった。
少し、考えた彼女はその問いに答えた。

「私の…あなたを失いたくなくて、人間として神の領域をおびやかした母親の最後のおねがいとおもって…」

ボタンを閉じ終えた彼女はやさしくフェナを抱いた。
無言、無表情のフェナはなんの反応を示さずただどこか遠く見てるような目で母親の好きにさせた。
感情というものがまるでないかのように。

「ごめんなさい、わたしは、あなたに何も母親らしいことはできなかった・・・教える事はいっぱいあるのに。」

「これから・・・やれば?」

フェナの質問に答えようとしたとき、次に何が起こるのかを悟ったのか、予想していたのか、彼女はフェナを冬眠装置の奥の方へと突き飛ばした。
そして、事情をつかみかねて困惑しているフェナに、彼女は優しく微笑みかけ

「ええ,そうね」

言い、ドアへと向き直って自分が持っていた銃をかまえた。
それと同時に轟音が響き,パルスライフルを突き出して武装した男達がドアを蹴破った。

いや、蹴破ったというより爆破したという方が正しいかもしれない。
彼女はすぐに自分の銃を打ち始めた。
パルスライフルとは違い特別な実弾を放つそれは最初に踏み込んだ数人のヘルメットを貫通し、命をうばった。
かし彼らはかまわずその小さな部屋になだれ込み、至近距離でパルスライフルの引き金をひいた。
ライフルから発せられる電子波は部屋の空間を捻じ曲げたかのように見えた。
そして・・・・
べちゃ・・・小気味悪い音を立て、フェナの顔と言わず体と言わず、まさに全身に、血と肉片が飛び散らされた。
フェナが、それを自分の母親のものであったと知るまで、わずかな時間すら必要はなかっただろう
彼女が着ていたもの、また長い白銀の髪は瞬時的に赤にそまり、冬眠装置につかわれている液体がその赤の色をさらに引き立てた。
ヘルメットの下から男の口が覗き、笑っているように見えた、しかしフェナは動じず、無表情のまま、その真っ赤に染まってる両手をみて・・・・
右手の中指の血をぺろっとなめた。
次に起きた出来事を語れられる者は・・・・いない。


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