Tran-DS
The Side Story of Tolled Armor Tran-D
Chapter 1: Awakening
Part 2
「うご!・・・・」
骨が折れるいやな音と共に男は絶命した。
そして音を立てずに床へ崩れ落ち、彼の首を後ろからつかみへし折った少女の姿があらわれた。
『αチーム、応答せよ!こちらエクセルシーク、応答せよ!』
ぱき!と木の枝がわれる音がして、男が頭にかけていた通信ヘッドセットがこわれた、フェナが踏みつけたためである。
だれからからとったのか、彼女はパルスライフルを構え直し、船内を進んだ。
彼女の後ろには武装した男達が首無しに倒れていた。
運よく、首がついている者のは変な方向にむいている。
船内では警報はなっていなかったが、赤い明かりが点滅していて、状況は積みにくくなっていた。
しかし、それはフェナにとっては幸であり、相手にとっては不幸であった。
「いたぞーー!!」
掛け声がして男がパルスライフルを問答無用に打ち始める。
しかしそれは、むなしく通路の壁や奥の通路側に当った。
ほかに男達が集まり、ライフルを構え慎重に進んだ。
彼らの血がその通路に流れたのはその数秒後だった。
○
「一体どうなっている!!」
戦艦エクセルシークのブリッジで、艦長椅子の隣に立っている正装の男が腹立だしく通信オペレーターに怒鳴りついた。
スクリーンには前方にある傷ついたアクセル級の巡洋艦とそれに取り付いている小型艇が五隻とその当りを警戒している数機のトールド・アーマーの姿があった。
「状況はいまだに不明です・・・・αチーム、ブラヴォチームともに連絡が途絶えてます」
「私はそんな事を聞いていない!何故目的がまだ果たされていないか、だ!」
「そ、そんなこと私に聞かれても・・・・・大体何故我々は連邦の戦艦を攻撃しなければならないんですか?」
通信オペレーターは、この状況について自分の不満を述べた。
他のクルーも同じ不満を持っていたようでみな、男の方へ顔を向けた。
それもむりなかった、この艦を含めて10隻のエクセル級の大型戦艦が前方にある艦に奇襲をかけたのだった。
地球連邦軍エルファ防衛軍所属アクセル級のリキュールにだ。
「そんなこと、君が気にする必要はない。さっさと作業を続けろ!」
怒鳴りつけられた通信士は、しぶしぶ作業にもどった。
ほかの乗組員も納得したのか、さからうのが恐いのか無言に作業にもどった。
「デルタチームとも連絡が途絶えました!」
男の苛立ちはひどくなるばかりだった。
「!!!!!!!!」
「生命反応は?!」
怒りで爆発しそうな男の変わりに艦長が慌てて聞く
「・・・・・!」
「どうした?!」
「正体不明のがひ、ひとつ!」
「な、なにぃ!!」
驚きの声がブリッジに広がった。
それも無理もなかった、リキュールに取り付いてる小型艇は200人の戦闘隊員を運ぶことができるからである。
船一隻の制圧には多すぎるぐらいの人数だ。
そのリキュールの中に生命反応が一つしかないという事は、五隻の全員1000名が生きていないという事になる。
1000人が一人にやられたという事になる。
いや、一人かどうかはわからなかった。
−艦の自動対人用システムがいきていたのか?いや、そんなはずはない。−
色々なシナリオはあった。
しかし彼にとって結論は同じであった。
「艦長・・・全艦第一戦闘態勢、とTAはすべて出撃させろ、私の機体の準備もしてくれ」
「貴方様も出るんですか?・・・・あの船には一体何があるんですか?!」
「君が気にする必要はない・・・」
そう彼が答えた瞬間リキュールに取り付いている小型艇が次々と火の玉とかした。
男は、無言にその光景を見てからネクタイを外しはじめながらブリッジをあとにした。
○
「ウィル、外の状況を教えて」
最後の男の首をへし折り、それを離しながら、フェナが命令した。
-10 Excell Class Battleships, 50 and an increasing number of Tolled Armors. Estimated Total 100-
「この船の戦力は?」
-All Weapons systems are down except for the PDS (Point Defense System)-
「自爆準備は?」
-I'll be finishing my transfer process in 5 minutes. Shall I initiate the Countdown?-
「五分後にCountdown開始、同時に艦隊に向けて発進、PDSで敵機、敵艦に対応、艦隊の中心で爆破、できる?」
-No problem-
この会話をしながらフェナは格納庫にあるパイロット用のシャワーを利用し、簡単に身体を流し、パイロットスーツに着替えていた。
そして、髪を簡単に乾かし、かきあげながら今度はWileに話し掛けた。
「貴方の方は?」
-Ready, All carriable weapons armed, all hard points armed-
「今行く」
-Roger-
「ウィル、時間は?」
-1 minute to Countdown-
ヘルメットをかぶり行こうとしたとき、時間の確認をした彼女は血塗れた白衣を見た。
何かが込み上げてきそうだったが、なにも出ない。
-30 seconds-
血塗られた白衣を手にとり、フェナは準備室から出て、格納庫に入った。
そこには、白と青の巨人が手を差し伸べて待っていた。
彼女がその手に飛び乗ると、腕は、彼女を頭部の真下にあるコクピットへと運んだ。
コクピットも自動的に開き、彼女はそこに飛び込んだ。
-Please enter your password-
「いわなければだめ?」
めんどうくさそうにフェナが聞く。
-Please-
ため息をひとつして、彼女はパスワードをいう。
-Password Confirmed Starting Primary Systems-
-Initiating Self Destruct Sequence-
ウィルの報告と同時にWileも起動を確認をした。
船体が振動すると同時にフェナの目の前のパネルスクリーンに起動メッセージが表示され,リアクター起動のにぶいおとがした。
Evetoll 011 "TRAN-DS"
[E_TRON] SYSTEM. boot up
Checking Systems ------> all green
stand up system "emeralda" start
Life Support.......... Online
Sensors................Online
Weapons................Online
All Systems Nominal
Loading Weapon and Attack Pattern Data...................Load Complete
AI "Wile E. Coyote" Support System..........Normal
起動シークエンス完了と共に「Tran-DS」の両目が光った。
「後のことはよろしくね、エルファでまたあいましょ、ウィル」
-I'll see you later, Fena. Wile, Please take good care of her-
-Understood-
「いきましょうか」
落ち着いた口調でフェナは戦闘形式へとTran-DSの武器のセーフティーを解除した。
それに対し背についてる二基の大型レールガンが収めれてる状態から発射体制に変形した。
肩についてる小型用も発射体制へ、右手のガトリング砲が回転して左手のレーザーライフルにエネルギーパックが最終ロック体制にはいった。
他にある小道具も戦闘態勢に移った。
一見装備しすぎに見えたかもしれないTran-DSは、これからはじまる戦いをまるで楽しみにしてるかのように、リニアカタパルトへと向かっていった。
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