Tran-DS: The Side Story of Tran-D
Tran-DS
The Side Story of Tolled Armor Tran-D
Chapter 4: Ragnus Heavy Industries
part4
キーボードを叩く音が響く。
それも一つのキーボードではなく複数のものである。
大きなスクリーンとにらめっこをしながらそこにいる人は無言に作業をしている。
各スクリーンには文字だらけのウインドウが開いてあり、作業をする人達はそれをすべて理解しているようである。
机がその文字のプリントアウトで埋もれている机もあれば、きれいに片付いているものもあった。
ラグナス重工の第一開発部。
そう名づけれたそこは、E-TRONを作り出したところであり、進化させるところである。
仕事場としては悪くないところであった。
壁の2/3を取る窓が外の景色を現し、太陽の光も差し込んでいる。
殺風景なところはなく、働く人々にできるだけ環境よく作られていた。
「うーん!!」
その中での一人の少女が大きく背伸びをし、同時に大きくな欠伸をした。
もちろん口は押さえてある。
「うーーー、眠い」
少々情けない声を上げながらミアは机から立ち上がり、チームサテライトのロゴがついているコーヒーマグを手に取った。
ちょっと口をその中にある黒い液体につけると渋い顔をする。
アイスコーヒーでもないと冷えたコーヒーはまずい。
別にやすいコーヒーというわけではないが、いくらいいコーヒーでも冷えるとまずい。
ミアは中身を入れ替えようと、コーヒーマシンへとむかった。
片手で充血している目をこすり、また大きな欠伸をする。
普通の人ならここで夜更かしをしたことを後悔するだろう。
しかし夕べ、というか今朝、フェナという女性から習ったことがミアの頭から離れなかった。
フィリスも付き合い、フェナがやった講義を熱心に聞いた。
三人が気が付いたときはすでに太陽が上がっており、普通の社員が出勤しはじめたころである。
『あとで、もう一度説明してくれませんか?』
と言うフィリスの申し出にフェナはすんなりと承知し、今夜ある格納庫へ来るようにいった。
フェナ・フェアランス・・・・・どこかで聞いた名前ではあったがミアは意識が半分眠りの世界にあったせいか記憶にない名前であった。
コーヒーポットはほとんど空であり、残ったものはかなりの時間そのままになっていたのであろう。
面倒くさがってか、新しく入れようと言う人は少ない。
おそらく皆、だれかが新しく入れるのを待っているのだ。
残った物を側にある洗面上に捨てるとポットに水を汲み、コーヒーフィルタを新しく変えた。
そしてコーヒーマシンの上にあるところから水を流し込みすばやくポットを下に戻す。
水はすぐにお湯になり、音を立てながらコーヒーフィルタを通り、ポットに注ぎ込まれた。
いい匂いが部屋の中を充満する。
その匂いを嗅ぎ付けるかように、がたがたと人が立ち上がる音がする。
自分が入れた物をとられまいと、ミアはすばやくポットの変わりに自分のマグを注ぎ口の下においた。
入れたてのコーヒーがぎりぎりまで入るとミアはポットを元に戻した。
職場でコーヒーの取り合いは激しいものである。
ミアが初めてここに来た時それを実感した。
カフェン中毒などありえないとよく言われるが、こういう所ではそれは実証される。
ミア自信もなりかけていることを自覚していた。
いくらTran-Dのモーションプログラムを作ったとはいえ、E-Tronについての知識が浅いためミアは少々肩身の狭い思いをしていた。
いままで扱っていたENIAC BIOSとはまったく違うE-Tronを理解しようと、ミアは毎晩遅くまでおきて勉強していたのである。
その努力がむくわれたのか、言語をだんだん分かり初めており、与えられた仕事をまともに出来る用になり始めた。
その勉強に付き合っていたフィリスもトールドアーマーの基礎知識が付き初め、模擬戦の観戦などする時何がどう起きているのか分かって来ているみたいだった。
机へ戻ると目の前にあるスクリーンに目を戻しミアは与えられた仕事を続けた。
Tran-Dの再設計にかかわる実験機、Tran-D、トランゼスのデータをもとにE-tronの調整である。
しかし手が進まない。
とんとんとんとんと指で音を立てながらどうするか迷う。
-やっぱり、汗と油まみれになるのが私にむいているのかな-
とふとミアは思った。
もう一度ため息をすると手をキーボードにおき、思い付くままにコードを入力していく。
しかし手はまた止まり、しばらく動かない。
目を天井に向かせ、色々と考えるようとするが、変わりにフェナの顔とTran-DSの設計図とかが浮かんでくる。
ミアはなんとなく、この部屋にいるより、フェナに色々質問がしたかった。
ここにいるより、彼女からもっと学べると感じたからだ。
ぴぴ!という音共に新しいメールが知らされる。
ミアはすぐにそれを開き内容を読むに連れ、目が大きくなり、口に笑みが作られた。
○
「君の目的はいったいなんだ?」
単刀直入な質問をフェナはされた。
-自分の目的?-
考えて見たことはなかった。
気が付いた時からはフェナは言われた通りにしていた。
そして、母親が死んでからは自分が生き残るために行動をしていた。
しかし今は敵に狙われることはない上に自分に命令を出すものもいない。
「・・・・・・・」
答えは出なかった。
それを見てか男は苦笑いをすると、ラップトップのキーをいくつか押しホログラフィックスクリーンが現われ、そこに三つの機影が表示された。
破壊されたTran-DSとトランゼス改とシルフィードが表示された。
その次に別のウインドウに各機のパイロットのプロフィールが出る。
当たり前だがフィナのことも詳しくかかれている。
それを見たとき、フェナの表情が変わるのを男、いや、ラグナス重工エルファ本社の支社長はみのがさなかった。
キラードールの文明に対立し、消された人の生き残り。
推定年齢は地球でいう十歳。
真沙緒などからの証言の受け売りであり、シルフィードを操ることまでしか表示されていない。
フェナの表情が厳しくなるのを確認すると彼はキーを一つ打ち、変わりにフェナのプロフィールとTran-DSのシルエットが現れた。
「私にこんな物を見せるために呼んだのですか?社長・・・」
あきれた声でフェナは突き出した。
ため息をし、まだ退室の許しをもらわずにフェナはドアへと向かい始めた。
しかし次に瞬間ドアより金属の音がしロックされたことが示される。
「勝手に行くことはゆるさん、始めの質問に答えてもらおうか?」
立場の違いを分からせようと支社長の口調は命令がちだ。
しかし、フェナには答えはなかった。
いや、むしろ答えるように彼女は「出来て」いなかった。
それはいままで自分で自分個人としての状況を考えることが出来ずに人の命令や指示にしたがってきたからだ。
強いていえば、母親の最後の命令、生き延びろというものを実行しているにすぎなかもしれない。
目があっちこっちに動き、フェナは自分に何度も聞いてみる。
自分が以上とも言えるTran-DSへ持っている執着心。
そして人を戦場で殺してもなんとも思わない心。
私はいったいなんのために・・・・・
その答えたは別の「フェナ」がもっていた。
「答えは貴方がもう知っているはずよ」
「?!」
フェナの口調が変わった、いや声も変わった。
-まさか-
という言葉が支社長の頭を横切り、体が震え出す。
フェナは腕を組み、小さな笑みを上げると支社長の机へ近づき彼の側まで来た。
彼女の無表情だった目に涙が浮かびはじめてる。
そのためか支社長の目には彼が昔妻と呼んだ人の顔が写っている。
次の瞬間、フェナは彼に抱きついていた。
「合いたかった・・・・」
その言葉を聞いた瞬間支社長の背筋が氷ついた。
さっきまで自分の前に立っていた人物とは違う・・・・
「く!」
彼はすぐに彼女を引き剥がし立ち上がる。
「死んだのでは?でしょう?」
ふふと笑いながらフェナは、いや彼女のの中にいるもう一人がいう。
「フェリス?」
「はい、よく出来ました」
意地悪な笑み上げながら、「フェリス」が言った。
「どういうことだ」
ジックスは目の前にいる女性、彼がフェナと知っている女性に聞いた。
「神の領域をおかしたのよ・・・・・・・・死者をよみがえらせた・・・・そして自分をこの子の精神を私にうめこませたの」
「クローンか」
クローン技術・・・地球では20世紀末期には開発されたが、人間を複製することは世界で禁止されたものである。
国際法で禁止された物を彼女、フェリス・フェアランスは犯した。
そして今はフェナに精神のなかで生き続けていた。
「あら、クローンといっしょにしては困るわ。フェナはフェナよ、体も心も」
その言葉には説得力はなかった。
「用件を聞こうか」
まるでそのことを無視するかのようにジックスは椅子に座り直し、顔の前に手を組んだ。
「わかってるでしょう?私が「死ぬ」前に送ったメールの件よ」
それを聞くとジックスの表情が少々厳しくなった。
知っていたとはいえ、あの注文は彼としてはあまりにも危険性が大きすぎた。
それに対しまるで小さな少女みたいな笑みを上げると「フェリス」はジックスの机に腰を下ろした。
そして目を外に向けさせ・・・・そこから、見えるある建物を見た。
それを見る彼女の顔はさっきまでいた少女は消え去っており、変わりに憎しみが込められている目付きであった。
「私は許すつもりはないわ・・・・貴方が去った後私の心の支えになったこの子を奪った者達を」
復習・・・と言う言葉が今フェリスの心境を現すであろう。
フェナの心と命を奪ったあの建物で別の仮面をかぶった奴等をフェリスは許すつもりはなかった。
「しかし、あれは戦争の結果だ」
冷たい言葉をジックスがいう。
その言葉にフェナ、いやフェリスはピクッと反応する。
そして、濡れている目を彼に向けさせた。
「違う!!!それは違うわ。貴方も知ってるでしょう?!この子がどんな目にあったか。あれは戦争のためではないわ!誰かがこの子にあんな事をして殺さずに生かしたのよ!貴方者この子の・・・・!!」
「分かっているさ・・・・」
無言に面白くないようにジックスは取り乱しはじめるフェリスを見つめる。
彼にはすべて分かっていた、フェナのことと、彼女が何をしようとしている事を。
「しかし、それではフェナの心は救われるのか?俺が見るには彼女は君の存在をしらないだろう?」
「わ、私にはこれしかできなかった、そして貴方にももう一度あいたかったから」
涙を止めようとしながらフェリスは半泣き声でいう。
たしかにフェナはこれで救われないかも知れない、しかしフェリスの親心と言うものがやっぱり、フェナに「あんな目に」あわせた相手が許せない。
その彼女の姿を見て、何かを決心したかのようにジックスは荒ただしく机の引き出しを開き、一枚のキーカードを取り出し、フェリスへ差し出す。
「約束のものだ」
といいながらフェリスにそれを渡すと彼もまた窓から見えるビルに目をむけさせた。
「ルーン・デ・フォルチュンはここの地下におかれている」
その言葉を聞くとフェリスのいや、フェナの目が丸くなる。
「おれも彼らが許せないのさ」
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