7月18日(金)

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(いちご酒)

 家内が初めて入ったアルコ(フィンランドの国営酒屋で、アルコール濃度の高い酒類はこの店からしか買えない。ビールの場合、4.7%のビール第4類が、アルコの専売となる。私は普段、近所のスーパーでも売っている、4.5%のビール第3類を飲んでいる)で、いちご酒を買ってきた。ボトルの表示によるとアルコール濃度11.7%である。昼休みにマラさんから、「フィンランドでは自家製のお酒を作ることが許されていて(あくまで家庭内もしくは近所で消費することが前提で、販売はできない)、彼のおじいさんが作るいちごワインは最高においしい。」と聞いていたので、週末でもあることだし、夕食時に飲んでみた。
 ロバニエミのアークティクムで開かれた会議の歓迎パーティで出たお酒を思い出すような甘い味わいである。さすがにアルコールが含まれていることを感じるが、まるでいちごジュースではないか。パーティの時のいちご酒が余り酔わなかった(たぶん、この時のいちご酒はアルコール濃度が低かったのだろう)ので、心配する家内をよそにコップに2杯飲んでしまった。結果はダウンである。子供たちからは、「トマト君」だの、「とうがらし君」だのと好き勝手なことを言われるし、素子はこれを良いことに、耳元で大声を出す。夕食後2時間は、ソファに横になる以外何もできなかった。
 まあ、今テッカリン通りで奇妙な大声を出している酔っ払いの若者よりは、ましかもしれないが。

(カラオケ)

 以前話したかもしれない(我々がロバニエミに出発するに、酔ったお客に窓ガラスを割られていた店である)が、アパートの横には低層の建物があり、1階に家内がよく使うスーパーとカラオケ屋(Karaokekisat と書いてあるのは、まるでカラオケ喫茶みたいである)が、2階(といっても通り側からは直接入れるのでこちらが1階とも言えるのだが)に床屋、キヨスク、花屋、カフェ(夕方にはテラスでビールを飲んでいるからバーかな)などが入っている。
 カラオケはフィンランドでもカラオケと言う。しかし、かかる曲は当然フィンランドの歌で、歌っている(部屋まで聞こえる大声で歌っているという意味)人は男の人ばかりである。メロディを美しいとか歌がうまいとか思うことは、まず無く、早い話しが、酔っ払いの叫び声である。それにしても、この店は繁盛している。お客の声が聞こえない夜はないと言っていい。フィンランド人って、日本人とよく似ていると思う一時でもある。


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