ヨセミテ,ナパ・バレー(アメリカ)旅行記

読むのを止めてメインページへ戻る



デンバーで乗り継いだ飛行機は,サンノゼ国際空港に着陸した.着陸してから最初の行動は,電話帳でヤオハンの住所を調べることだった.多分,ヤオハンのそばに行けば,うどんなどが食べられるかも知れないと考えたからだ.運良く,イエローページでヤオハンを発見できたので,住所をメモって,荷物のピックアップに向かった.そして,荷物とともにエイビスレンタカーへ行き,車を借りだした.このとき,エイビスの道路案内マシンで,ヤオハンの住所を打ち込み,ルートを検索しておいた.レンタカーで空港を脱出した後は,このルートをたどって,ヤオハンへ向かった.案の定,ヤオハンの周りには,日系のファーストフード店などをいくつかみつけることが出来た.裕の食欲はあまり回復していなかったが,うどんを流し込んで,東へ向かって走りだした.

この日の目的地トレーシーまでは,だいたい1時間半の道のりであった.フリーウェイ脇のモーテルに宿を取った.この街で,ヨセミテ公園へ持ち込む水と食料を調達した.モーテルでは,HBOチャンネルを流していて,この夜は,フットルース,フラッシュダンスの,とても懐かしい2本の映画を見た.

翌日起きたら,ちょっとした事件が発生していた.なんと夜の間に,我々のレンタカーに大量のサルサソースがかけられ,見るも無惨な姿になっていた.しかも,すごい異臭を放っていた.隣の部屋の人は同情してくれたが,それで車が元通りになるわけではない.拭ける物は出来るだけ拭き取って,それなりに見れるようにはしたが,臭いだけはどうしようもなかった.

車の掃除が済んだら,朝食を食べて,気持ちを切り替え,ヨセミテを目指した.ハイウェーをひたすら東に向かって走っていくと,徐々に景色が変わっていった.街から,畑,牧場,山地,そして最後に林に変わったところで,ヨセミテ国立公園のゲートに到達した.およそ2時間の道程であった.公園の中に入っても,まだまだドライブは続いた.公園に入ってからは,見所も多く,展望台から谷底を眺めたり,大量の水が流れ落ちる滝などを見た.8年前の山火事の後を目の当たりにすることもできた.こうして目的地のヨセミテ・バレーへ向かった.ヨセミテ・バレーは,両脇を絶壁に阻まれた渓谷で,谷底には,ゆったりした流れの川が流れている.ここが公園観光の中心地で,ビジターセンターには,レストランからミュージアム,土産物屋まで大概の物が揃っていた.我々は,ビジターセンターから少し離れたところにあるカレー・ビレッジに予約を入れていた.

yosemite01.jpg yosemite02.jpg yosemite03.jpg
山火事の焼け跡
ヨセミテ・
バレー
インスピレーション・ポイントの
麓からの眺め

カレー・ビレッジの受付に行って,まず目に付いたのが,熊への注意を喚起するためのビデオであった.この辺りは,熊の活動地域に当たっていて,よく熊が出没するらしい.特に強調されていたのは,車の中に決して食料を置かないようにと言うことであった.においを嗅ぎつけた熊は,我を忘れて車に襲いかかるため,そうなってからは熊を撃ち殺す以外手が無くなるからである.熊にとっては,車のドアをこじ開けるのは,なんてこと無いらしく,ドアのフレームをねじ曲げてそこから車に進入するそうである.1997年度には,公園内で900台以上の車がそう言う被害にあったと言っていた.1日に3台くらい餌食になった計算になる.ビデオでも,”あなたの車を次のランチボックスにしないように!”と言っていた.チェックインの時にも,食料,芳香性の化粧品,シャンプーなどは決して車に置かず,金属製の食料保管庫に置くようにきつく注意された.いくら車内に食料をおいてないと言っても、車体自体がサルサ臭い私たちの車は一体どうなるのかと、急に不安になった.

この日の宿はテント・キャビンであった.木製の床に,柱と屋根のフレームが取り付けられていて,それにシートがかぶせられた構造であった.こんな構造では,熊におそわれたらひとたまりもないと思いながらも,周りに同じ構造のキャビンが100以上建っていて,うちはそのほぼ真ん中だったので,まあ大丈夫だろうと思うことにした.夕食は,ビレッジのカフェテリアで食べた.さすがにアメリカは,山の中のキャンプ場にも関わらずかなり立派なカフェテリアを用意していた.簡易食を食べさせるのではなく,デザートのケーキまでちゃんと用意してあって,ちゃんとしたディナーが食べられた.この夜は,9時前にはねていたと思う.夜が更けてくると,だんだんキャビンの中の温度が下がってきて,備え付けの毛布では寒くなった.とりあえず持っていた防寒具を来たら何とか寝れるくらいにはなった.でも顔だけは,むき出しだったのでかなり寒かった.あと,夜中にトイレに行くときには,熊におそわれるんじゃないかと思ってかなりはらはらした.なんせ一日に3台の車がおそわれるのだから・・・

翌日を起きると天気が優れない.朝食を済ませて出発の準備をしていると,雨が降り始めた.トレッキングをしたかったのが,とりあえず,それは後回しにして,車行ける所を見て回ることにした.まずは,公園の東の端に当たるTuolumme Meadowへ向かった.途中には,Tenaya Lakeという綺麗な湖があって,ここが一番の目的であった.が,雨は上がるどころかどんどん強くなって,雪に変わった.霧も深く,車で走っていても景色はほとんど分からない.湖についても天候は回復せず,すばらしい眺めを拝むことは出来なかった.Tuolumme Meadowに着いても状況は変わらず,結局何もできないまま引き返すことにした.途中,Tuolumme Groveに寄った.ここには巨大セコイアの森がある.駐車場から30分ぐらい歩いたところに目的に森があった.胴回り30mもあるセコイアを見ることが出来た.なかなか立派だった.しばらくこの森を散策した.古い木が山の斜面に倒れていたが,その太さ,長さには圧倒された.なんでもこのセコイアは2000年かけて成長し3000年で生涯を終えるそうだ.

yosemite04.jpg
セコイアの大木

セコイアを見た後は,ダメ元でGlacier Pointという展望台へ向かった.そこはヨセミテ・バレーを一望できる絶好のポイントである.が,やはり霧は晴れてくれず,視界はおよそ50cmで,結局何も見えなかった.とても残念だった.しばらく粘ったが,あきらめてカレー・ビレッジに戻った.夕食を食べた後,少し晴れ間が見えたので,もう一度車で外に出た.バレーからは,Half Domeと呼ばれる,とても巨大な花崗岩の一枚岩が見えた.とても綺麗だった.今ならGlacier Pointからもすばらしい眺めが見えるかも知れないと思い,日が暮れかけていたが,そこまで行くことにした.しかし,山を登り始めると,とても強い雪が降り出し,途中で道路閉鎖になった.これにはどうしようもなく,キャビンへ戻って寝ることにした.この日は前日と違って,ログハウスのようなキャビンに泊まった.部屋には暖房も暖かいシャワーも付いていて,熊に押し入られる心配もなく、とても快適であった.

yosemite05.jpg yosemite06.jpg
ハーフ・ドーム
ヨセミテ・バレー内で

翌日目が覚めて,祈るような気持ちでカーテンを開けた.でも,雨は上がっていなかった.今日が最後の日なのに・・・外をよく見てみると,夜のうちに,ヨセミテ・バレーでも雪が降ったらしく,辺りが白っぽかった.とりあえず,支度を済ませて出発した.天気は徐々に回復しつつあるようだった.たまに太陽を見ることもできた.その間にヨセミテ・バレー内を巡って写真を撮りまくった.晴れ間が広がってきた頃,Glacier Pointを目指して山を登り始めた.5000フィートを濾した辺りは,すっかり雪化粧していた.日が射し込む中で,雪化粧の林の中をドライブするのはなかなか気持ちのいい物だった.しかし,案の定Glacier Pointへの道は通行止めであった.周りにたまっていた人たちから数時間後には開通するという情報を得たので,Mariposa Groveへ向かった.

yosemite07.jpg yosemite08.jpg yosemite09.jpg yosemite10.jpg
ブライダル・
ベール滝
エル・キャピタン
まきみのドライブ
雪景色

Mariposa Groveもセコイアが生息する森である.どちらかというと,こちらの方が規模が大きいようだ.雪が降ったりやんだりで寒かった.確かにこちらの方がたくさんのセコイアを見ることが出来た.それにしても,巨大な木も何本も見ていると見慣れてくるから不思議だ.特別大きなセコイア以外には,特に何も感じなくなっていた.

yosemite11.jpg
セコイアのトンネル

セコイアを見た後,再びGlacier Pointへの分岐点まで戻るも,依然通行止めが続いていた.しばらく粘って待つがやはりダメだった.あきらめて,Inspiration Pointで写真を撮ってヨセミテ・バレーに下りた.土産物などを買ってトレーシーへの帰路に就いた.途中,El Capitanという絶壁でロッククライミングをしている人たちを発見,しばらくそれを見上げていた.下からは,人間が米粒のようにしか見えない.見知らぬ人が双眼鏡を貸してくれたが,それをもってしても,米粒のままであった.しばらく時間をつぶしてから,再スタートすると,トレーシーへの道で事故が発生して,目前で道路が閉鎖された.バレーにもう少し留まることになった.バレー内をもう一度回ったり,アイスクリームを食べたりして時間をつぶした.道路の閉鎖が解除されてからは,来た道をひたすら戻り,オークデールで休憩をして,トレーシーへ戻った.

yosemite12.jpg
ヨセミテ・バレーを流れる川

翌日は,朝から車でナパ・バレーを目指した.およそ1時間半でナパ・バレーに到着した.ナパ・バレーでは,まっすぐにSt. Hellenaへ行って,Dean & Delucaというデリカでワイン,ポーク・フィレのロースト,サーモンのグリル,チーズ,パン,サラダなどを買い込んで,店の向かいにあるワイナリーの庭でピクニックをした.カリフォルニアの日差しの元でのピクニックは本当に快適だった.しかも美味しい食べ物と美味しいワインが一緒だったのだから,もう文句のつけようがなかった.眼前に広がるブドウ畑や,ワイン・トレインがのんびり横を走り抜けていくのを眺めたりしながら,たっぷり時間を掛けて昼ご飯を食べた.裕は食べ終わる頃にはすっかり上機嫌に酔っぱらっていた.一休みして酔いを醒ました後,先ほどの店の隣にあるリカーへ行って,頼まれ物のワインを買い込んだ.店内には,ナパ,ソノマの大小のワイナリーから集められたワインが山のように並んでいた.お店の人のお薦めを中心に12本ほどを日本に送るようお願いして,さらにカウアイに持っていくワインを2本買い込んだ.この後,ワイナリーの見学しにBeringerへ行った.ここではワインを寝かせておくセラーを見ることが出来た.岩山をくりぬいた見事なセラーだった.ここのワイナリーのシンボルはドイツ風の旧家であったが,ドイツからやってきた私たちには,これは,それほどドイツ的とは感じられなかった.ツアーの最後にはテイスティングあった.白,赤,ロゼを試したが,どれも味の方は今ひとつだった.ピクニックの時に飲んだ,St. Clementのほうが遙かに美味しかった.

yosemite13.jpg yosemite14.jpg
ブドウ畑を眺めながらピクニック
ナパ・バレーのワイナリー

ワイナリーを後にして,Valejoのモーテルにチェックインした.この街は,ナパバレーの高級な町並みとは反対に,少し危ない感じがした.モーテルでピザをつついて,HBOでアウトブレイクを見た.一息入れたあと,パッキングをしてアメリカ本土を離れる準備をした.

翌日は車でサンノゼへ向かい,ここからロサンゼルス国際空港を経由して,カウアイ島のリフエ空港へ飛んだ.



カウアイ島旅行記へ続く!




メインページへ戻る