多くはスポンサーを持っていてユーザーには無料で利用させており、メールにスポンサーの広告が数行入ることを許容できるなら、これらを利用することができます。なぜこうしたサービスでのメール利用で匿名性が得られるのでしょうか?
それはこうしたサービスのうち特に無料で実施されているものでは、ユーザー登録に名前など、あなたの本当のアイデンティティを示す本物の情報を入力する必要がないからです。つまりこれらのサービスでは、匿名性は2次的・副次的な効果として得られるわけです。
ただし、一部のサービスでは登録ユーザーのリストを電子メール名簿専門の企業に転売していると噂されているところもあるようで、登録・利用開始以後希望しないのに大量の広告メールが舞い込んで来た、などという例もあります。
個人的にはこれらのサービスをプライバシー保護のために利用することはお勧めしませんが、この手のサービスには以下のものなどがあります。また、Yahoo その他の検索エンジンサイトで、 "free mail" などでサーチしても同様のサービスが見つかります。
警告:
post1.com/pobox.org.sg/mailhost.netは、1997 年 5 月から有料化されました。既存アカウントはそのまま使えるようですが、新規アカウント入手は有料となり、ユーザー利用規約もより厳しいものとなりました。
ただし新しい年間 20 シンガポールドルの有料アカウントでは、次のようなサービスとなる旨アナウンスがありました。(実際はシンガポール国内ローカルのニュースグループでアナウンスしただけで新サービスに移行・無料アカウント発行停止に踏み切った)
なお、既存アカウントのユーザーは、そのまま現在のアカウントを無料で使用することができるそうです。(ただし有料アカウント独自のサービスは受けられません)
日本人ユーザーも多い旧 mailhost.net/pobox.org.sg です。(彼らのアナウンスによれば)元々はシンガポールの非営利団体がインターネット関連の実験研究の一環として設置したサイトですが、昨年同じくシンガポールの民間企業に売却されました。売却後もメール転送サービスの利用は無料ですが、転送されるメールには PostOne の広告が挿入されます。また、売却前は一部のユーザーにはWWWスペースの供与(認可された例外ユーザーを除き基本は 500KB)と URL forwarding サービスも行なっていましたが、売却後は新規ユーザーへのそうしたサービスは行なっていません。またこれら一部のユーザーは、WWWスペースにメールをスプールし、WWWアクセスではなくPOPでメールを受信することもできました。
このサイトはメールの遅配も非常に頻繁な点が今ひとつ信用がおけない点としてあります。
またシンガポール国内で同国企業によって運営されていることから、最悪の場合メールのアーカイブを取られている可能性もあり、あるいは「シンガポール国内法に違反するだけ」の内容だとしても、シンガポール当局は合法的にメールを検閲する権利を持つことから、プライバシーを守るという意味ではお勧めできません。こうしたシンガポール政府の発言・報道・思想の自由に対する抑圧に対し、国外にいるシンガポール人たちで対抗しようという運動を起している人たちもいます。
このサイトの遅配についてさらに言えば、ここではユーザーが送受信するメールの度に、ユーザーに対して明らかにされているだけでもかなりのデータをその都度SQLデータベースに更新をかけており、それも遅配の大きな原因のひとつになっていると思われます。また、最後に公表された時点ではホストマシンは普通のPC、それも初期の Pentium 機であり、ハードウェア自体のパワー不足も原因かもしれません。
サイトの管理者からの注意もありますが、このサイトのアドレスでメーリングリストなどの購読を行なってはいけません。同じサイトの他の多くの利用者、また購読しているMLの管理者とその購読者全員に多大な迷惑をかけますし、結果的には自分宛てのメールの遅配の原因のひとつにもなります。
(最近 POP3/smtp 接続でのメール送受信が可能になったようです。確認後、ここにも紹介します)
警告:
Mailmasher は、一部のユーザーたちの不心得な行動から 1997 年 4 月 18 日に閉鎖されることになりました。
雑誌 Wired のスタッフが個人で設置(Wired が設置運営しているわけではない)しているd rop-box タイプのメールサービスサイトです。WWWページにアクセスしてメールの送受信を行ないますが、ここではその場での USENET newsgroup への投稿もサポートしています。基本的には無料ですが、増大し続けるユーザーをサポートするために、ハードディスクなどの器材追加購入用などとして、donation (寄付)を募っています。メール送信時、newsgroup への投稿時いずれの場合も、匿名リメイラーを経由して匿名メール/発言とするのか、あるいは mailmasher での自身のIDで行なうのかも、WWWページ上でマウスでクリックするだけで選択が行なえます。
ニュースグループへの投稿はmail2news ゲートウェイを利用して実現しており、投稿可能なニュースグループは使用しているこのサイトが使用する mail2news gateway がサポートしているものに限られます。確認したところ、現在約 18,000 のニュースグループへの投稿が可能で fj. や japan. にも投稿が可能ですが、漢字コード変換や必要な MIME ヘッダーの付加等はされないので、ここから投稿する際には注意が必要です。
ここの特徴としては、いくつかのドメイン名から好きなものをアドレス用に自分で選べることがあります。と言っても好き放題というわけではなく、予め用意されているドメインから選ぶタイプなので、完全に自分の思い通りのドメインというわけにはいきません。それでも現在日本企業数社が行なっている同種のサービスと比較すると、選択範囲はかなり広いと言えます。
フリーなアカウントの他に、 vacation のサポート、他の複数アカウントを自動巡回して特定アドレスへ転送するなどの付加機能を持った有料アカウントもアナウンスされていますが、現在のところまだサービスが始まっていません。
ホストも安定していて(ややビジーぎみですが)比較的便利なサービスですが、匿名化効果はほとんどありません。料金支払い関係では、クレジット情報などをメールで送る際にはPGPも利用可能であり、また郵便振替での支払いも受け付けるので、匿名化したままでのメーリングリストの運営なども可能と思われますが、このサイトは登録ユーザー情報の finger を許すため、匿名アドレスとして使うのはやめたほうがいいでしょう。
すべてのメールには同サービスのスポンサー広告が挿入されます(だからタダになっている)が、有償会員になるとこれをサプレスしたり別なサービスを受けることもできます。
通常のメールソフトを使用、同サービスのメールサーバーに POP3 接続してメールを送信した場合、受信者に届くメールには以下のようなヘッダーが付加されます。
MIME-Version: 1.0
Content-Type: text/plain; charset=ISO-2022-JP
Content-Transfer-Encoding: 7bit
X-Mailer: (あなたがお使いのメールソフトによって変わります)
よって、正しく日本語を送信できるメールソフトを使用している限り、日本語メールも問題ありません。 Received: ヘッダーには IP アドレスは記されますが、ドメイン名は付加されません。また、 Date: は、お使いのメールソフト側独自で同ヘッダーを付加しなければ(通常付加されません)、 GMT 換算の日時となります。
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