counter since 11/29/98

間違いやすい英語

2003年からこのページの今後の更新は次のサイトで行うことにいたしました。よろしくお願いいたします。
http://decatur.hp.infoseek.co.jp/english.htm

私も英語に自信があるわけではありませんが、実際に遭遇した英語の間違いを書いてみました。

海外出張・海外旅行サロン 掲示板です。あなたも投稿して下さい。

until

井上ひさし氏の「ニホン語日記」に氏の友人ロジャー・バルバースさんが次のように言ったとかいてある。

「英語圏からきて一番まごつくのは、日本語の『まで』の使い方です。『月曜まで忙しい』といった場合、日本語では<月曜日一杯は忙しい>という意味でしょう。ところが英語では<日曜の午後十二時までは忙しい。したがって月曜日はひまです>という意味になります。」

そこで早速、研究社の新英和中辞典をひいてみた。

We stayed from Wednesday until [till] Saturday.という場合,Saturdayが含まれるかどうかはっきりしない場合がある;はっきりと含めることを表現するにはfrom Wednesday through Saturday またはfrom Wednesday until Saturday inclusive とするが,「…まで」はその時点で継続してきたことが停止することから,正確には,含まないことに取られることが多い: (中略) He had a shutout until the ninth inning. 彼は9回までシャットアウトに抑えた《★[比較]日本語で正確に言えば8回まで》
ロイヤルホテル

ある有名推理小説作家の小説に「大網港前でバスを降りると、港を背にした目の前に白亜の八階建てのビルが建っている。正面の紛い大理石を貼りつめた壁に、金ピカの立体文字で『OAMI LOYAL HOTEL』と掲げてある。左右はどっちを見ても、三階止まりのちっぽけで貧しげなたたずまいの中に、これはまた、豪勢を通り越して、場違いもいいところだ」という文章があった。単に作者がつづりを間違ったのか、田舎のホテルが英語の看板を揚げたもののつづりを間違えているという描写か、よくわからないが、「高貴な」という意味ならROYALであろう。LOYALは「忠実な」という意味。
フリーマーケット

ついこの間までfree marketと信じていた。自由に出店できるものと。flea marketで「蚤の市」なんですなぁ。
「1フィート」とは言わない

英語では長さは「何フィート何インチ」というと日本では教えているが、ご承知のようにfootの複数形がfeetであって、これは長さのときにも正しい。つまり、1フット、2フィートというふうに数えるべきものである。
予約

レストランや飛行機の「席の」予約はreservation、医者に「みてもらう時間の」予約はappointment。
ナイーブ naive

「純真な」というような良い意味ではない。「うーん、そいつはちょっと聞きにくいなあ。だけどナイーブなふりをして聞いてみるか」というように使う。「当然知っているべきこと(常識)を知らない」というような意味か。

研究社の新英和中辞典では、「(特に若いために)世間知らずの;単純[愚直]な」、「(人が)素朴な、純真な、うぶな」、「信じやすい、だまされやすい」、「(特定の分野に)未経験な;先入的知識のない」などと書かれているのに、三省堂の新明解国語辞典では「天真らんまん。素朴。純真な子供のように一切邪心をいだかずに物事を見たり感じたりする心の状態」と定義している。
○と×

われわれは実に長年の経験により○はYesで×はNoと思いこまされている。ところがアメリカでは必ずしもそうではない。むしろ、表などの中で使われる場合は×はYesである。技術資料などを作成するときには心したい。
top / bottom

一部の製鉄会社では先端・尾端のことをそれぞれトップ・ボトムという習慣になっているようであるが、top/bottomは上下を表す言葉である。先端尾端はhead/tailという言葉がある。
dairy

「酪農の」という意味である。dairy productsは乳製品。コーヒーに入れるクリームなどはダイエットを気にする人向けにはnon-dairyというのがキャッチフレーズになる。日本のスーパーなどで乳製品売場にdaily foodなどという看板があるのを見るとひょっとしたら勘違いなのではないだろうかと不安になる。
citizen

ナイアガラの滝を見に行く途中のカナダ国境で Are you a U.S. citizen? と聞かれた時に、うっかり Yes. と答えてしまってトラブルになりかけた人がある。日本では横浜「市民」になるのは簡単だが、外国人が日本「国民」になるのは簡単ではない。アメリカで citizen というのは日本で「国民」というのに対応している。つまり、「アメリカ国籍ですか」と聞かれたのである。居住者はresident.
good question

「的を射た質問」という意味ではなく、「うーん、ちょっと答えるのが難しいですね」というような意味でも使われる。
four letter words

日本の方にアメリカの工場の操業を見ていただいてアドバイスをいただいたことがある。報告書の中でクレーンのフック(hook)のつもりでかかれた言葉のスペルが違っていて、ビジネスではでてくるはずのない品のない言葉になっていた。知らない単語の綴りは当てずっぽうではなく、きちんと調べて書きたいものである。ワープロにはスペルチェックの機能があるが、スペル自体は間違っていないので引っかからなかったようだ。日本人用のスペルチェッカーにはビジネス専用の辞書があっても良いのではないだろうか。
「ファックス」という言葉も口を思い切り横に広げて言わないと誤解されるおそれあり。
apartment

Taro and Takeshi live in the same apartment. というと(この二人が家族でなければ)ホモかしらと思われるだろう。apartmentはアパートの一世帯分の区画のことを意味するので誤解されるのである。日本語の「アパート」はapartment complexのことも意味するのでこういう表現がでてくる。
England

Englandというのは国の名前ではなく、UK(United Kingdom)の一地方の名前である。実際にはEnglandがWalesやScotland、Northern Irelandをしたがえて統一国家をなしたようでEngland以外の人はEnglandと同一視されることに強い抵抗を感じるようである。Walesの学校では(英語の他に)Wales語を教えているし、作者と同じ会社で働いているScotland出身のエンジニアは机の上にScotlandの「国旗」を飾っている。
電話をお借りしてよろしいでしょうか

May I use the telephone? この場合、日本語では「借りる」と言うが英語ではborrowとは言わない。トイレも同じ。ちなみに図書館で本を借りるときは check out という。
どう思いますか

What do you think? という。 How do you think? というと「頭を使って考えるのに決まっているじゃないか」となる。
Next Thursday

Next Thursday というのは今週の木曜日なのか、来週の木曜日なのか、よくわからないことがある。イギリス人は今週(つまり次の木曜日)のつもりで、アメリカ人は来週の木曜日のつもりで使うようだから、約束するときには何日か確認したほうがよいだろう。
more than

more than three というのは「3以上」ではない。「3を超える」である。
look forward to ....

I look forward to see you. はまちがい。 I look forward to seeing you. という。
You had better ....

これはビジネスの場では使わないと思っておいた方がよさそうだ。これはアドバイスの意味ではなく、かなり強い命令文の一種である。
I am afraid that ....

「申し上げにくいが...です」という婉曲表現。「私は...でないかと心配だ」という意味ではない。
I don't think so.

一般には相手の意見に同意しないという意味になるが、相手が否定文を使ったときにこれを言うと賛成だということになるのでややこしい。
no choice

「選択の余地がない」と言うときには We have only one choice. という。 We have no choices. ではない。
primitive

「原始的な」という意味。「初歩的な」という意味ではない。日本人との付き合いの長いアメリカ人が「日本ではprimitiveという言葉はkindergardenという意味で使われるらしい」といっていた。アメリカのキャンプ場で primitive camping という表現があった。作者はこれを「キャンピングカーなどではなくテントを張るキャンプ」と理解した。
equipment

この単語を複数形(sをつけるという意味)にしたくなる場合が多いが、複数形にするのはどんな場合でも間違いである。複数形を使うと「ワード」などのワープロではスペルチェックにしかられる。
たぶん

probably(おそらく)と、possibly, perhaps, maybe(もしかすると)は可能性のレベルが違うので区別する必要がある。「今度日本に来られるときに弊社の工場を見ていただけますか?」「Maybe.」ではまず希望はない。
別の話題だが、「仕事が終わったので私は明日帰国します」「じゃあ、もうここに来ることはないのね」といわれて「Probably.」というと「たぶん、また来ますよ」という意味になる。来ないと思うのなら「Probably not.」でなくてはならない。
危険

「危険だ」という日本語のことばには「安全が脅かされている状態」と「失敗の可能性が高い状態」という二つの意味がある。 それぞれ、 dangerous, risky という英語が対応する。
confirm

「確認する」という言葉を単純に「confirm」と訳している場合が多いようだが必ずしも正しくないのではないだろうか。例は研究社新英和中辞典による。ある事実が主語となって何かを確証するという場面で使われている。
The new discovery was confirmed by further experiments.  その新発見はその後の実験によって正しさが確認された。

The candidate's disclaimers confirmed that we were right in our estimation.  その候補者の否認発言によって我々の評価が正しかったことが立証された。

アメリカ人の秘書に聞くと、「confirm の主語になるのはその物事について知っている人であって、質問をする人ではない。相手のいったことについて自分の理解が正しいかどうか確かめたいときなどは Would you confirm ......? という。例外的に、飛行機の切符や医者の予約などを確認するときにはそれぞれ旅行者や患者が confirm の主語になる」とのことであった。

Wordsmyth English Dictionary-Thesaurus によれば次のようになっている。
DEF:       1. to prove, become certain of, or verify:
EXA:           These results confirmed the earlier ones.
SYN:           prove (1), verify, substantiate (1), validate (1), corroborate, attest, affirm (2)
SIM:           authenticate, establish, evidence, vindicate, clinch
DEF:       2. to certify formally; validate:
EXA:           The airline confirmed my seat on the flight.
SIM:           validate, ratify, certify, authorize, approve, affirm
DEF:       3. to make strong or firm:
EXA:           The lie confirmed him in his skepticism.
SYN:           strengthen
SIM:           reinforce, substantiate, fortify, buttress
DEF:       4. to perform the religious rite of confirmation for.

「確認する」という日本語は実にさまざまな意味で使われているので、そのときの状況に応じて英語の言葉を選ぶ必要がある。

用例 「確認する」の意味
ミサイルが三陸沖に落ちたことを防衛庁長官が確認した 間違いないと言う = confirm
ミサイルが三陸沖に落ちたことは私が一番早く防衛庁長官に確認しました 問い合わせて間違いないという答えをもらう
ミサイルが三陸沖に落ちたかどうか記者団が防衛庁長官に確認したが回答は得られなかった 間違いないか問い合わせる
何かが光を点滅させながら落ちてくるのが確認された  見える
印鑑を確認しますから少しお待ちください 照合する = verify
プログラムをすべて終了したことを確認してから電源を切ってください 確実に行う = make sure
バルブは締めてあるはずだが、私も確認しましょう   念のために見る = doublecheck
すばらしいプログラムであることを確認しました 自分で体験してみてわかる
よく聞き取れなかったので確認させてください もう一度聞く
足もとを確認してください よく見る = watch
セミコロン

セミコロン(;)とコロン(:)は形は似ているが、用法はまったく違う。セミコロンはコンマとピリオドの中間。

セミコロンの用法(研究社:「ライトハウス和英辞典」による)

対照的な内容の節を接続詞を用いず並列する場合 The powerful are always right; the weak always wrong.
中にコンマを含む句を区切る場合 These are my favorite flowers: roses, for their color; and buttercups, for their cheerfulness.
コロン

コロン(:)は、次に内容の敷衍的または付加的説明、言い換えなどが続くことを示す。

コロンの用法(研究社:「ライトハウス和英辞典」による)

次に内容の敷衍的・付加的説明が続くことを表す The aims of this survey are (as follows): ....
時刻を数字で示すとき 10:25 a.m.
読み方

意外と読み方がわかっていないものもある
書き方 読み方 コメント
1-3 one dash three 章節の番号やページ番号
bullet 箇条書きのマーク
2000 (the year) two thousand 西暦
2004 (the year) two thousand four 西暦
star または asterisk 電話機のボタン
pound 電話機のボタン
C スィー sheとはちがう
Z ズィー 「ゼット」ではない。
イギリスでは「ゼット」とも言うと教えてくださった方がある。

ためになる本

リンク集

Merriam-Webster Dictionary  オンライン辞書
Wordsmyth English Dictionary-Thesaurus  オンライン辞書
Mari's English Breaktime 頻繁に英語の表現法とアメリカの話題がアップされている

All rights reserved. リンクは自由ですが、転載・引用・配布(印刷もふくむ)をされるときは作者までご連絡ください。感想もお待ちしています。
作者のホームページにもどる

This page hosted by geocities icon Get your own Free Home Page