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私の疑問

2003年からこのページの今後の更新は次のサイトで行うことにいたしました。よろしくお願いいたします。
http://decatur.hp.infoseek.co.jp/question.htm

長く疑問に思っていたこと、自分で考えてその疑問を解決した気になったこと、何かを読んで「あ、なるほど」と思ったこと、などを書いてみました。ここに書いてあることは作者の想像(一人合点ともいう)で書いているものが大半ですから、誰かに説明した結果恥をかくことになっても作者には責任はないものとします(つまり、信じた人の責任です)。

このページは最近の記事を集めたものです。別に書庫を用意しています。
とじぶた 10/20/2002

「閉じ蓋」と思っていたので「われなべにとじぶた」の意味が長く理解できなかった(与太郎のしっかり女房というような意味としか思えなかった)。「綴じ蓋」であって、修理をした蓋ということなのであった。蓋は塚原ト伝の絵に出てくるような木の蓋なのだ。子供のころに別の板で修理した蓋を見た記憶がある。
種芋 10/20/2002

ジャガイモを栽培しているとだんだんできが悪くなるので、何年かに一回は種芋を買わなくてはいけない。ジャガイモは無性生殖なので、ほかの品種と交雑して遺伝的に劣化するということはないはずだ。どうしてかと思っていたら、日経新聞に答えが出ていた。普通に栽培しているとウィルスに感染してだんだん収穫が悪くなるということだ。そのために、北海道の山奥で政府職員がウィルスに感染しないように気をつけながら基本種を栽培しているのだそうだ。一番基本となる農場で栽培されている基本種から数えると、農家に届くまでには何段階もの作付けが行われて、なんと5年かかるということだ。
純金積み立て 10/20/2002

金を生産している会社が「純金積み立て」を販売している。一定の手数料を払った上で毎月一定額を積み立てておいて、希望の時に現物で引き出しまたは換金ができる。会社にとってどういうメリットがあってやっているのか、その会社が倒産したらどうなるのか、某社に聞いた。会社は個人から預かった金額に見合う金を保管しているわけではない(その目的の金地金などはどこにも存在しない)。会社はその資金を借入金返済など別の形で運用しているのであってその運用益が会社にとってのメリットなのである。「積み立てた純金は、弊社が責任を持って消費寄託の方法にてお預かりします。これにより、お客様は弊社に対して、積み立てた純金と同等同量の金地金の返還請求権を取得することになります。」顧客は金地金を所有しているのではなく、返還請求権をもっている。つまり、この会社にお金を貸したことになっているわけだ。銀行も安心できない今、金なら安全だと思っていると間違いだ。現物ならよいが純金積み立てには会社の倒産リスクがある。経営の安定した会社を選ばないといけない。
一番絞り 8/20/2002

ビール工場に見学に行ってビールの造り方を聞くと、某社が宣伝している「一番絞り」というのが胡散臭く思えてきた(以前から怪しいとは思っていたが)。麦芽、澱粉、ホップなどを混合煮沸してからビール酵母を加えて1週間ほど発酵させると「若ビール」になる。これをさらに数十日熟成させてから「濾過」したものがビールである。「二番絞り」などが介在する余地はなく、すべてのビールが「一番絞り」なのであった。
両側から馬で引く 8/15/2002

1657年エルベ川沿いのマグデブルグ市の市長オットー・フォン・ゲーリケが行ったという大気圧の大きさを示す実験は有名だ。直径1メートル(35cmともいう)ほどの半球二つをくっつけ、その中の空気を抜いて両側からそれぞれ8頭ずつの馬で引かせたたらようやく離れたというものである。疑問はどうして両側に馬をつなぐ必要があったのかということ。片側は木にでもくくりつければ8頭だけですんだではないか。さらに、片側を固定した方が左右の馬の力をバランスさせる必要がないので馬に全力を出させるのも容易であったであろう。これを引用してこの半球にかかった大気圧は馬16頭分の力であったなどというのは、科学者のいうべきことではない。
電子の速度 5/15/2002

送電線の中を光速に近い速度で電子が流れているという考えが間違っていることはすぐにわかる。電線の太さや電流の大きさに関係なく電子の速度が一定というのは明らかにおかしい。また、電線の断面積を半分にすれば電子の速度は2倍になるはずだが、アインシュタインの相対性原理によれば物体の速度が光速を超えることはないのだから、もともと光速に近かった電子の速度が2倍になることはありえない。もし光速に近い速度で動いていたものなら電流が半分に減ってしまうはずだ。そういうことはないのだから光速に近いはずはない。

断面積が 1 mm2 で長さが 1 m の電線を考える。銅の密度は 8.93 g/cm-3 であるから、この電線の質量は 8.93 g である。銅の原子量は 63.55 であるからこの電線の中には 8.46x1022 個の銅原子がある(アボガドロ数=6.02x1023)。1個の銅原子が1個の自由電子を持つとすれば(ここのところは未検証だが、10倍も違わないだろう)、自由電子の数も同じだけある。次に、この電線に1アンペア(=1クーロン毎秒)の電流が流れているとすれば、電子1個の電荷は 1.60x10-19 クーロンであるから、毎秒 6.25x1018 個の電子が流れていることになる。これだけの自由電子はさきに述べた電線の 0.074 mm に含まれているから、つまりこの場合の電子の平均速度は 0.074 mm/秒ということになる。

電子の速度は低くても電力や信号は光速に近い速度で伝わっていることを忘れてはいけない。電話で話すことができるのはそのひとつの証拠である。水中の音波が毎秒千メートル以上の速度で伝わるのに水分子がほとんど動かないのと似ているといえるかもしれない。

次にテレビのブラウン管の中で蛍光面に衝突する電子の速度を求めてみよう。テレビでは数千ボルトの電圧がブラウン管にかかっている。電子を1ボルトの電圧で加速したときに電子の得る運動エネルギーは 1.6x10-19 ジュールであるから仮に6000ボルトとすれば 9.6x10-16 ジュールである。電子の質量は 9.1x10-31 kg であるから mv2/2=E という式から速度を求めることができて v= 460 km/秒 となる。
上皿天秤 5/15/2002

上皿天秤の皿の上に物を置くときに、天秤の中央の支点から近いところに置くよりも遠いところに置いたほうが測定結果が重くなってしまうのではないだろうか。てこの原理から考えればそうなるように思えるが、まさかそんな誤差があるものを理科実験で使っているわけもない。実は天秤の下の見えないところにもう一本の天秤があって、皿の真下で上の天秤とつながって平行四辺形になっている。皿が上下するとこの平行四辺形が変形するが皿の下にある2辺はいつも鉛直に保たれ、それに直交する皿をいつも水平に保つようにできているのである。その結果、被測定物を皿の中のどこにおいても皿の中央を支える点に鉛直な荷重がかかり、天秤には曲げモーメントがかからない。そして曲げモーメントがかからないから、てこの力点は物の位置ではなく皿の中央になるのである。「もともと皿の中央の一点だけで天秤につながっているではないか」というのは誤解で、皿が天秤に固定されていれば誤差が出る。別のいい方をすれば、皿が水平に保たれる結果、天秤が傾くことによる高さ(位置エネルギー)の変化は皿の上のどこでも等しくなっているのだ。
江戸時代の牛肉

明治になる前はけものの肉は食べなかったというのだが、江戸時代にも農作業用や運搬用に牛や馬を飼っていたのだから、それが年老いたときにはその肉を食べていたのではないのだろうか。親でさえも仕事ができなくなれば山に捨てるという伝説がある中で、年老いた牛馬を飼っておく余裕があったとは思えない(卵を産まなくなった鶏を神社の境内に放すという話を読んだことはある)。そういう馬を食べたから馬刺しが郷土料理として残っているのですと教えてくれた人もある。
しくしく痛む

どんな色が赤いのか、どういう感覚を熱いというのかなどは、赤いものを見せたり熱いものを触らせたりして教えることができる。では「しくしく痛む」という場合、その痛みが他の人のいう「しくしく痛む」痛みと同じなのかどうかどうしてわかるのだろうか。筆者もどうやって覚えたのか分からないが、あなたがしくしく痛むというのと同じ種類の痛みを「しくしく」と言っている自信はある。
NiCd電池

ニッカド電池は完全に放電する前に充電をはじめると次はそれ以上放電しないようになってしまうので、だんだん電池の容量が下がってしまうということだ。一回腹をすかす前にえさをやると次からは早くえさをほしがるという実に人間的な性質をもっているのであった。
電話加入権の休止票渡し

電話の加入権を販売している会社から加入権を買う場合に、休止票を買って自分でNTTに手続きをするとその会社に手続きを頼むより3千円ほど高くなる。なぜかと聞くと手続きをする会社に対してNTTからコミッションが支払われるからだという。なぜ高くなるかは分かったが、競争のない状態でなぜNTTがコミッションを支払うのかが分からない。
タイマー

オーブントースターなどについている機械式タイマー(昔は電子レンジや洗濯機にもついていた)には、「タイマーを2分以下に設定するときにはいったん5分以上に合わせてから戻してください」などと書かれている。こういう面倒なことをしなければいけない理由は書かれていないが、そうしないと電源スイッチの接点が荒れ接触不良を起こすからである。電源を切るときにはばねの力によって接点をパチンと急速に動かす必要があるが、タイマーを少ししかまわさないとそのためのエネルギーをばねに蓄積することができない。
犬の舌に放熱効果はあるか

「犬は汗腺がないので汗をかくことができない。運動すると体温があがるので体温を下げるために舌を出して熱を放出するのだ」ということは実に多くの本に書かれている(たいていは孫引きだろう)。私は犬が汗をかかないかどうかは知らないが、仮に汗をまったくかかないとしても、体熱を放出する手段が舌だけであるとは思えないし舌を出していることが大きな役割を果たしているとも思えない。もっと有効な手段があるのではないかと考えて、それを書くのが子供たち向けの科学記事を書くもののつとめであろう。私は舌よりも肺(呼吸器)の方ががずっと多くの水分を蒸発させていて熱の放出に役立っているのではないかと想像している。つまり、ハアハア息をしているということが重要なのだ。
どうしてものが見えるのか

村上元彦さんの「どうしてものが見えるのか」(岩波新書)はまさに私の疑問を解いてくれる本である。

まず、光の屈折については水晶体の寄与は三分の一で、三分の二は角膜で屈折されるとかかれている。水中では角膜の屈折率と水の屈折率に差がないので角膜では屈折できず、水晶体のみに依存するため魚類の水晶体は球形になっていると。人間の眼はそうなっていないので水中ではゴーグルがないと物が見にくい。

猫の目が光るのは暗いところでも物を見るためであるといわれて、目から出る光で物を見るという意味かと思って納得できないでいたが、実際は網膜の後ろ側に光を反射する部分があるから猫の目が光るということだ。目に入った光と網膜の後ろで反射された光が合計2回網膜を通ることによって網膜の感度を上げていると。

そのほか、脳はどのように視覚情報を認識するか、色覚異常(著者は色覚偏位と呼ぶように提唱している)を教育現場でどう扱うべきか、など認識を新たにした。
人類はどこからきたか

人類は共通の祖先をアフリカに持つといわれるが、どうしてそんなことがいえるのか。いろいろな本を読んでみると次のようなことらしい。細胞核の中にある遺伝子が父母から半分ずつ伝わっているために兄弟でもかなり異なるのに比べて、細胞の中にあるミトコンドリアの中の遺伝子は母から子へとそのまま伝わるから系統関係をよく伝える。その類似度を調べるとその二つの民族がいつ頃遺伝的に分離したものかがわかる。そうやって調べると人類の祖先はアフリカから来たということがわかるらしい。兄弟はみんな東京にいて、従兄弟は東京や横浜にいるが「また従兄弟」やそれよりも遠い親戚がみんな熊本にいるということは、祖父の代に東京に出てきたことを意味しているのである。
パパとママ

中国語で父母のことをそれぞれパーパ、マーマという。これは偶然の一致なのか、英語からはいった言葉なのか、それとも中国語から英語に影響したのか、アメリカの中華料理屋のウェイターに聞いてみた。これは独立だ、どちらも子供に発音しやすい言葉だからねといっていたが果たしてそうだろうか。
なぜお風呂に入ると手や足から泡が出るの?

風呂に入ると皮膚に細かい空気の泡がつくことがある。ある本(山崎昶著:続 先生を困らせた324の質問、三田出版会 11/6/1996発行)には、この泡は皮膚に生えている細かい毛と皮膚との間についている空気の小さな泡が、風呂の中で温まることによって体積が増えて皮膚から外れて上がってくるのだと書かれている。これはおそらく正しくないだろう。浴槽の壁にも泡がついていることが説明できないし、空気の体積だって温度上昇だけでそんなに増えるわけはない(たかだか数パーセントだ)。正しい説明は、水の温度が上がるとガスの溶解度が下がるので水の中に溶けていたガスが溶けたままいることができなくなって、皮膚についていた小さな空気の泡の中に溶け出して泡が大きくなるのだということであろう。つまり、サイダーの泡と同じ理屈と思われるのである。

この本には他にもいくつか同意できないところがある。
記事 この本の説明 私の意見
電気機関車のモータの仕組みはどうなっているの? 電車のモータはすべて直流モータである 最近は交流モータが増えてきた。回転するモータのないリニアモータ地下鉄もある。
直流の電気でもテレビは使える? 直流は変圧器で昇圧できないのでブラウン管で必要とする高電圧を得るのが難しい。そういう訳で最近の直流テレビは液晶になった。 ブラウン管で必要な高圧は交流電源から直接昇圧するのではないので、そういう意味の差はない。液晶が使われるのは小型化できるのと消費電力が小さいため。
水道の蛇口から出る水はなぜ落ちるにつれて細くなるの? 重力でひっぱられるので時間がたつにつれて伸ばされて細くなる。もっと時間がたつと、引っ張られすぎて切れて水滴になる。 時間が経過すると重力により落下速度が増加するから(速度と断面積の積は一定ゆえ)細くなる。さらに時間が経過すると細くなりすぎて、円柱形でいるよりも表面積の小さい球形のほうが安定になる(表面張力の影響)ので水滴になる。
燃えない紙や服があるけどどうして燃えないの? 消防士などが出動するときに着ている服は石綿(アスベスト)やガラス繊維でできている 石綿は発がん性があるので、もう使われないのでは?
ある人から、ガラス繊維はちくちくするから、それを使っているとは思わないというメールをいただいた。難燃性の繊維を使っているのかもしれない。

もちろん、この本には興味深い項目も多い。樟脳がとれるのは楠ではなく樟の木、マッチ棒の先にはリンは使われていない、アルコール温度計にはもはやアルコールは使われてないので100℃でも測定できる、蛍光燈の端が黒くなるのは水銀蒸気と電極の反応による、日本語の青色は緑をふくむ(眼に青葉、青信号など)が英語のグリーンはブルーを含む(green sky)、など。
潮干狩り

5月頃には潮の満ち干が大きいので潮干狩りがしやすいといわれるが、どうしてこの季節に潮の満ち干が大きくなるかを書いたものを読んだことはない。自分は次のように考えた。3月頃の大潮のとき(満月や新月のとき)は、潮がいちばん大きく満ちてくる地域は熱帯地方であるが、夏至が近づくと大潮のときに潮がいちばん大きく満ちてくる地域は中緯度地域となる。それゆえ、夏至に近い季節の大潮のときには午後の満潮時の海面が高く(満潮が一日に一回しかないこともある)、結果として干潮時との海面の高さの差が大きくなるのである。

ゆで卵を思い浮かべてほしい。黄身が地球であり、白身が海水である。卵は尖っている方とそうでない方があるがここでは両方尖っているとする。それを机の上に置いて机の面は地球と月の公転軌道面と考えると、尖ったところは大潮のときには太陽と月の方を向いている。夏至の頃は日本では正午には太陽がほぼ頭上に来るから、日本は卵の尖ったところに来て午後の満潮時の潮位は高い。3月頃は太陽が頭上に来ることはなく、したがって満潮時の潮位はそんなに高くない。

また、次のように考えることもできる。大潮のときだけを考えることにして、太陽と地球と月を結ぶ直線と地球の自転軸で作る平面を考えると、一番海面が高い部分は太陽、地球、月を結ぶ直線の上にある。夏至や冬至には二つの直線は66.5度の角度で交わり、春分や秋分の季節には直交する。北緯35度付近にある日本が通るのは赤道と北極の中間付近であるから、夏至に近い季節には日本は一番海面が高くなる点に近いところを通ることになるのである。
島流し罪人の生活

中里恒子著:中納言秀家夫人の生涯(講談社)には関ケ原で敗れた西軍の武将宇喜多秀家が八丈島に流されるところが書かれている。罪人は島では食料などをもらうことはできず、自分の生きていくための糧は自分で稼がなくてはいけない(今の刑務所はそういう意味では天国である)が、与えられる耕地もなく収入をうることは困難であった。そのため、秀家は夫人の実家である加賀前田家から毎年食料などを援助してもらっていた。驚くべきことに、その援助は子孫(子孫が持てたのは刑務所より緩やか)が許されて自由の身になる明治初年まで続けられたのであった。
角膜

眼球とカメラを比較して網膜がフィルム、虹彩が絞り、水晶体がレンズに相当するなどというが、光を曲げるレンズに相当するのは水晶体のみではなく角膜も重要な役割を果たしているはず。角膜が球面をなしているために光が屈折する。
如来と菩薩

東京上野の国立博物館で高幡不動の本尊が展示されていた。そのわきでは様々な仏像が展示され、如来や菩薩などという言葉の意味が解説されていて興味深いものがあった。メモを取らなかったので不正確であるが、おおよそのところは:
名前 説明
如来 悟りを開いた人 釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来、大日如来
菩薩 修行中の人 観音菩薩、地蔵菩薩、文殊菩薩
明王 無信仰な人々を教化するために憤怒の形相をしてみせている仏 不動明王、愛染明王
異教の神 帝釈天、毘沙門天
これより古い記事は書庫においております。
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