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当時、わたくしは20歳になったばかりでしたね。 今のバイトを始めて、かれこれ半年ほど経過した時期でした。 "マイ・プライベート・アイダホ"という映画をご存じでしょうか? リバー・フェニックスはもう既に亡き人でありましたが、その当時レイトレイトショーか何かで深夜放送したのを録画して、冒頭の部分だけ見たのですが、その場面とは、男娼のリパー・フェニックスが、男にフェ○チオをしてもらっているシーンでした。 単にこれだけで、影響されて書いたようです。いやはや。 執筆期間も・・・いつものように短いでしょう、きっと。 書き終えたのが96年の10月4日、午前10時とありますから、徹夜して書いたんでしょうね、ラストまで。 それくらいしか記憶にありません。 |
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当時のフロッピーを見ますに、同タイトルの別の内容の話があります。これについては、読み返すまでもなくつまらない物なのですが。 "男娼"といったからには、当時の自分が書きたかったのは援助交際のようなものではなく、古くさい時代の"娼婦"と同じ意味の"男娼"だったように思います。 同タイトルの作品は内容がそんな感じで進んでいましたね。身よりのない藤真扮する男娼が、ある売春宿のようなところから追い出されるのを目撃する、地味で冴えない男、花形・・・といった展開でしたから。 あとは色々と男娼モノは書いてますね。 でもどれも失敗して、完結出来たのはこの作品だけであります。 |
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基本的な花×藤の花形という男は、自分の中でも、また人様の中でもこんな人格ではないと思うのですが、自分にとって藤真という人格はいつ何時どんな話の中でも変わるところのない確固たるものが出来上がっていますので、必然、話にバリエーションを持たせる為に、花形の方が変幻自在に人格が変化します。 その一つのパターンでしょうか。 冷静で、利己的で、知的で・・・そんなイメージです。 この花形は、自分の中でも容姿的にも原作を凌いで遙かに俊秀な顔立ちをしていることになっています(笑) 案外、原作でも藤真という人物と出会わずに生きてきた花形だとしたら、こんな人柄になっているかも知れません・・・と思うのは自分だけかも知れませんが(笑) |
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花形はうまく書けたかな・・・と自負するのはいいが、反対になおざりになってしまうのが藤真でしょうかね(泣) どうしても一人称で書くと、偏りが出てしまうのが未熟なところ。 珍しく自分の書いた花×藤の中でも、藤真がマイナスのオーラ放っていませんしね。喧嘩もない。これは一重に花形が、基本的人格を無視して怜悧な人柄に変身しているせいでしょう。 この話の藤真には何か釈然としないものを感じますね。 自分で書いておきながら。 |
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当時はですね"サテン"が流行っていましたね。
自分もたくさん買って今になって困っているんですが(泣) なのでファッション雑誌を網羅した藤真の出で立ちが"光沢素材のパンツ"となっているのもその為です。 普段、自分は昔っぽい話を多く書いている為に、衣装というのに拘りはなく、話の中でも触れない方が多いのですが、ちょっと書いてみました。 それが今見ると、とんだ時代錯誤になっていてコワイですが。 あの当時、男性ファッション誌にも光沢素材のストレートパンツとか出回っていたんですよぅ。無論、色は黒ね。 ナイロン製のバッグというのは何かなー?リュックかな。 自分はリュックは持たないですが。 トランス・コンチネンツあたりどうでしょう? これもまた、時代錯誤かな。ブランドよく知りません。あぅ。 しかしまぁ"携帯電話"が出ていて良かったですが(笑) 自分が所持したのも98年に入ってからでしたので、それまでの小説には当たり前のように"公衆電話"が登場していて、これもまた今見ると時代を感じますねぇ〜。 |
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藤真ってどんな服着てるだろー? と、いつも思います。 今なら、制服の上にラルフのセーター着てるのか?!とか。 過去に友人から貰ったイラストの藤真は、ニット帽にチノパン、みたいな恰好で、それも似合いそうだなぁと思いましたが、当時またまた流行っていたのが・・・ なんていうんだっけ?(笑) 黒いジャケット、襟開きの狭い、ボタンがたくさんついているウエストシェイプしてあるもの。 その中には白いシャツ、襟がやたらデカいもの。 カフスとか流行ってましたよ。 あと、フレアパンツね。 なので、どうしてもソッチのイメージが自分には強かったですな。 ここへきて"昔好き"のわたくしですから、そういう恰好の方が古い時代を彷彿とさせて好きでしたね。 言い換えれば"ベニスに死す"のビョルン・アンドレセンの着ている衣装なんか(あの縞模様の水着は除く!)藤真にはピッタリ、とか思います。 花形はですね・・・大体もうスーツしか着ていませんね。 歳がもう、自分が書く時には相当年上になっているので。 趣味の良いスーツの場合は、エリートコースまっしぐらの知的花形を書く時。 対して、"背広"というに相応しい、野暮な田舎臭い恰好をしている時(そういう話もあるんだな、これが)は、外見も内面も冴えない暗い花形(笑) 貧乏or金持ち、洗練or野暮、本当に対照的なものが好きですね、自分は(笑) |
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台詞、全部書き直したいですね(泣) 特に藤真の喋っていることは、すべて書き直したいですが。 まぁ時間も気力もありませんということで・・・ 途中出てくる"トモ子"なる女性、いつもいつも花形に婚約者や恋人がいる場合、こんな感じの性格になってしまいますね。 女の子らしい。 端的にいうと、もう一人の恋人である藤真とは対照的な性格で登場させることが多いです。 そう言えば藤真に恋人がいる話は書いたことがないなぁ。 肉体関係だけなら書いたことはあるが・・・ "この世の中のありとあらゆる営みは全て自己満足に発し、自己満足に終わる"とのたまったのは花形ですが、その通りの結果になっていることを感じて頂ければ幸いです。 婚約者の元へ向かいながら花形は、藤真が今夜も知らない男の腕に抱かれているだろうことを思い、そうしながら絶対に自分のことを想っているだろうことも確信し、至極満足して終わりです。 自己満足です。 形にとらわれないと言い切った花形には、それでも良いのでしょう、きっと。肉体的な別離は彼の前では何の意味もなさない。魂は、彼と共にあるという感じでしょうか(ってそんな大した内容でもないんだが) 因みに藤真が男娼を辞めてまた販売員でもやろうかと言った時に花形が"やめるなよ"と言って、自分の利己心を意識して藤真を抱き寄せるシーンの"花形の利己心"とは何か?というと、最後の部分と繋がる訳でして、ぶっちゃけた話花形は、藤真に他の男に抱かれながら自分のことを考えて欲しかった訳です。自分のことを考えながら他人とセックスをして、快楽を感じて欲しかった訳です。 そこに多大な精神的充足を感じるのが花形で、それがまぁ自己満足の愛という訳なんですが。 こんなこと説明するのも野暮でしょうかね。 |
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読んで頂いて有り難う御座います。 感想など頂けたらとても嬉しいです。 ではまた次の花×藤作品でお会いしましょう・・・ |