クリスマスまで1週間となった今、私の仕事場はまさに戦場と化している。
前々から、クリスマスシーズンは繁忙期で、相当の混雑ぶりになることは聞いていたのだが、聞くと見るとじゃ大違い! 百聞は一見にしかず...ってヤツですか。 お店の中は、クリスマスプレゼントを送るお客さんでごった返し、新装開店したパチンコ屋さながらの「満員御礼」状態。おそろいのエプロン(これが手作りのもので、けっこうカワイかったりする...)をしたケイティーもシェリーも私も息つくヒマさえなく、目の回るような忙しさなのである。
まず、お客さんが持参したプレゼントをボックスにきっちりパッキングし、それからその荷物を郵送で送るのか、UPSで送るのか、はたまたFEDEXで送るのかを確認後、レジのコンピューターに重さ、送付方法、送り先、送り主などの情報を入力して精算する。書けば、何てことないこの作業が、数分単位で果てしなく繰り返されるのである。どうりで私のパート時間の4時間もあっという間に過ぎてゆくわけで、気が付くと30分や1時間、パート時間をオーバーしてたなんてことはザラである。朝、お店が開いてからずっとこんな調子なので、荷物の集荷トラックがくる夕方には、カウンター裏はクリスマスプレゼントの詰まった箱で足の踏み場もない状態となっているのである。
しかし、である。そういう忙しい時を見計らったようにやってくる、近所のおばあちゃんが1人いる。お年寄り用のカートをゴロゴロ押してやってくる、ちょっとタバコくさいこのおばあちゃん、実はかなり気難しい人なのだ。いわゆる「いじわるばあさん」タイプで、なんだかんだとイチャモンつけるのが好き。どこにでもいるんですねー、こういう人って。で、いつも自分の順番がくるのをしっかり待ってからはじめて必要な書類やら、送りたい荷物やらをバッグの中からゆっくり取り出すのである。さらにこのバッグがクセモノで、どうやら大切と思われるもの、そうでないものが全部いっしょに入っているらしく、探すものはなかなか出てこない。
さて。今回もカートに入れた自分のバッグの中をごそごそと探り、何やら探し始めた。『ありゃ、ない。ちゃんと入れたはずなのに、おかしい...。』と1人でぶつぶつ言いながら、たーっぷり時間をかけて、ついにシワシワになった小さな新聞の切り抜きを取り出した。えっ、し、しんぶんの切り抜きですかっ....? そして一言。『わたしゃ、この新聞の切り抜きを、1枚のコピー用紙に入るだけコピーして欲しいんじゃー。』と。こ、こんな忙しいときに、おぬし何を抜かすかぁぁー! と言いたいのをぐっとこらえて、つくり笑いとともにすみやかに対応し、早急にお帰りいただく。私って、店員の鏡? 周りのことは一切お構いなしの、まったく自分一人のペースだから、私たちだけでなく、後ろで待っているほかのお客さんのイライラ度も一気にアップしてしまう。そ、そう言えば、このおばあちゃん、こないだうちのお店の個人用メールボックスを借りたんだったっけ。ガーン....。今後もしょっちゅう顔出すわけね....。
たまーにこんなお客さんも混じったりしている。
それにしても、この忙しさは何なんでしょう。ほんとにもう! ここは広ーい国アメリカよー! どうしてこんなにたくさんの人達が、クリスマスの直前までプレゼントを送らずに待ってるのかしら?? 荷物が届くのに時間がかかることくらい分かってるでしょーに! と思ってしまう。ここ2、3日、お店にやってくるお客さんは、決まって『クリスマスまでには、ちゃーんと向こうに着くわよねぇ?』と念を押してくる。そういうのに限って、はるか彼方のニューヨークやニュージャージー行きの荷物だったりする。クリスマスまでちょうど1週間。こんなに差し迫ってて、間に合うも何も....。ホントに運良くてギリギリ間に合うというところですぅ。が、そう聞かれると、私たちはにっこり笑って『そのはずです。でも保証はできません!』と愛想よく(?)答える。...あらま、そんな目で私たちを見ないでよん。たのむよー、お客さんたちー! 来年は、プレゼントもっと早く送ってねー。心の中では、そう思いながら....。
と、まあ、クリスマスを別の側面から眺めてるような、そんな気がする私です。今日も1日ご苦労さまでしたぁー。おっと、今週は土曜日も出勤だわっ。
クリスマスに向けてラストスパートですっ。