日曜日の朝刊は、クーポンのついた広告やクーポンブックが山のようにはさまれていて、ハンパじゃない厚さである。その山のようなクーポン付き広告やクーポンブックと奮闘するのは、決まってうちのダーリン。毎回、ハサミを片手に奮闘すること30分以上。とりあえず「主婦」の肩書きを持つ私の立場は、実はひじょーに危ういのである...。
クーポンって、日本ではあまり馴染みがないけれど、アメリカでは決してあなどれないものなのだ。通常、新聞をとらない家庭でも、クーポンを手に入れるためだけに、日曜日の朝刊を買いに走ったりするのだそうだ。というのも、毎週、何かしらの商品について「Free」(タダ)のクーポンが載っているし、上手に使うことでかなりの節約になるからである。家計のやりくりには必需品!まさに『クーポン1枚をバカにする者は、クーポン1枚に泣くのです』の世界なのである。だからといって、クーポンを使う=なんだか生活がかかってて、いかにも苦しい家計...なんてイメージはほとんどない。こうして必要なクーポンを切り取って、スーパーにお買い物に出かけるのって、ここでは常識と言っても過言ではないのだ。実際、スーパーではクーポンを手に、目当ての商品をさがして店内をさまよう人達がいっぱいいる。また、店内が込み合う時間帯にあたってしまうと、アメリカ特有のでっかいショッピングカートのおかげで、一種の交通渋滞にはまってしまったりもする。やっとの思いで、お目当ての商品のある棚にたどり着いたと思ったら、すでにその商品は1つ残らずなかったり、『あらっ、なによ、このおばさん!スーパーの入り口から、ずぅっと私の後をつけてくるわっ!!』って思ってたら、実は同じクーポンを手に同じ商品を探してた、な〜んてことだってある。(私の体験より)
日本にいた頃の私は、フルタイムで仕事をしていたこともあり、広告を穴があくほどチェックして、セールの商品を買いにスーパーをハシゴするなんてやったことない「半人前主婦」。ここに来てからも、宅配ピザをオーダーするときに使うクーポンのことくらいしかよく知らなかった。ただ今、私「一人前(?)の主婦」を目指すべく(笑)、ダーリンから講義&実践の特訓を受けているところなのである。
私達の住むアパートの近くには、少なくとも4〜5軒の異なるスーパーがあるのだが、当然のことながらこれらのスーパー同士、異常なまでの低価格戦争を展開している。私達は、週に1度、その中のお気に入りの1軒に、2人そろって買い物に出かける。このスーパーでは、会員であれば同じ商品でも会員価格で買えてしまう。通常価格と、この会員価格が、$2〜$5も違うのだから、会員にならないわけにはいかない。しかも、会員になるには、申込書に必要事項を記入するだけで、手数料は$0。こんなオイシイ話、日本で聞いたことありますぅ??同じものを買うなら、やっぱり安いほうがいい。さらに、このスーパー、持参したクーポンを使ってお買い物をすると、クーポン分を2倍にして合計金額から引いてくれるのである。「いさぎよい」のか、はたまた「やけくそ」なのか...。もう、うちの日本の母上になんか教えたら、きっと失神しちゃう!
そんなわけだから、レジで会計を済ませてまずやることといえば、レシートのチェックである。レシートには、その日のお買い物のうちクーポンを使って何%セーブしたか、というのが赤インクで表示されているのだ。ここまできたら、もうゲーム感覚である。家計が助かって、お買い物も楽しめるんだから、もう笑いが止まらない。クーポン大好き・ 私達の今までの最高記録は61%。クーポンと例の会員証のおかげで、買ったものの39%分だけ支払ったというわけ。『うお〜、これはスゴイぞ!!』って、さっそくダーリンのパパに自慢したら、『パパたちは84%が最高記録だよ。まだまだ、たいしたことないねぇ〜。』と言われてしまった。おお〜、さすがはパパ...!ダーリンいわく、「パパはクーポンの達人」。いやいや達人、恐れ入りました。ん〜、でも私達も負けてはいられない。がんばらねば。
みなさん、いつかサンディエゴのとあるスーパーで、山のようなクーポンを手に買い物をしているアジア人を見かけたら、それは私かもしれません....。