新たな出発

道を挟んでお向かいの、小さなお店でパートを始めて7ヵ月。 が、この慣れ親しんだ(?)職場を、今月いっぱいで辞めることになった。実は、フルタイムの社員として、3月から別のところで働くことになったのである。

思えば、このお店がパートを探していることを知り、ドキドキしながらお店のドアをあけたのは、去年7月のことだった。アメリカにやってきて間もなかったけれど、ラッキーにもすぐにそこで働けることになった。お店のオーナーのケイティーとシェリーが、手取り足取りで仕事を教えてくれたおかげで、忙しかったクリスマスシーズンを乗り切った今では、一人でお店にいることになっても、ぜんぜん平気。本当にいろんな人に出会うことができて楽しかったこの職場を離れるのは、ちょっと寂しい気もする....。それならこのパートを辞めないで、ずっと続ければいいのだけれど、自分自身の中でいろいろと考えるところがあり、やっぱり安定していてキャリアにもなるフルタイムの仕事を探すことになった。

そんなわけで、年明けからさっそく「就職活動」を開始したChumpkinだったが、活動はなかなか思うようにはいかなかった。自分で新聞の求人欄をチェックし、レジメを送付するのと並行して、こちらのエージェンシー(いわゆる派遣会社のようなところ)にもレジメの登録に出向き、求人情報を入手するという2本だてで活動を進めたのだが、悲しいことに、私のレジメはどうも書類選考の段階でサヨウナラーとなってしまうらしく、『面接にお越しください』なんて連絡は、企業からも、そして登録に行ったエージェンシーからも、待てど暮らせど一向に来る気配はなかった。....ぐすん。

でも、そんなことでめげるChumpkinじゃぁない! 『ま、どこかに私を欲しいと思ってくれる企業があるさっ。のんびり行きましょ!』と気を取り直し、先日、いつものように新聞の求人欄で見つけた企業にレジメを送ってみたところ、ついに『今週の金曜日に面接に来てください』と連絡がきた。きゃー!! オフィスの場所を尋ねたら、今の職場には負けるけど(なんてったって徒歩3分だもんねー、今の職場は)、なんと車で約2分という距離だったのである。

『つ、ついに面接にこぎつけたよぉー! なんでも車で2分のところにある会社。こんな近いところで働けたら最高だよねー、ダーリン! 歩いてだって行けちゃうかもよ。』

あまりの嬉しさに、ダーリンの職場にまで電話して喜んだのも束の間。『で、いつが面接なの?』とダーリンに聞かれた私は、初めてその「コト」に気付いたのである。なっ、なんと、言い渡された面接の日は、よりにもよって「13日の金曜日」だったのである...。ひぇ〜。面接というだけでも緊張するものなのに、なーんでよりにもよってそんな不吉な日なのよぉーっ。こんなとき、妙に迷信が気になるタチなのである。

そして当日を迎えた。

『13日の金曜日かぁ。これで黒猫なんか見かけちゃったら、もう怖いものはないねっ。』と、迷信を気にしながら出かけた面接ではあったが、いざオフィスについてしまうと、そんなコトはきれーに忘れてしまっていた。最近、すっかり慣れてきた車の運転(こんなことなら、なにも今年1年の抱負にするほどのことではなかったかもしれない....)。たった2分ではあったが、快適なドライブで目的地に到着し、『ふっ、我ながらなかなかの運転だったわっ!』と自画自賛する私の頭に「13日の金曜日」という迷信はミジンもなくなっていた。....都合の悪いことは、けっこうあっさり忘れるタチでもあるらしい。

さて。そんな性格が功を奏したのか、はたまた緊張してもしょうがない!と腹をくくったのがよかったのか、コトはよい方向へと進んだ。なんと、その日のうちにそこでフルタイムの社員として働くことが決まってしまったのである。捨てる神あれば、拾う神あり。もっと長期戦を強いられるかと思っていた就職活動だったけれど、思ったよりも短い期間でピリオドを打つこととなった。でも、なんだかんだ言っても、縁があって働くことになった会社だから、私なりにベストをつくしてお仕事をしてゆこうと思う。

実は、もうすでに夕方の2時間ほどここで働いている。この会社、輸出関係をやっている、こじんまりした小さな会社。社員の半分がファミリーメンバーというだけあり、社内はとてもアットホームな雰囲気である。仕事については、まだまだ教えてもらうことばかりなので、そのことについてはさておき、私にとっては毎日が感動の連続である。とにかくこちらでは、1人の所有できる空間が広い! デスクも大きい! まだその大きさに慣れないせいか、どうもデスクの隅っこで仕事をしてしまう私である。そして各々のデスクにはドーンとコンピュターがのっかっている。以前勤めた日本の会社は、1人1台コンピューターなんて夢のまた夢だったから、もう感激ぃー。さらに、オフィスの中は、1日中心地よいボリュームで音楽が流れている。これまた感激ぃー。何かにつけてその違いに、密かに感動しているChumpkinなのである。

今の職場を去るまで、あとわずか1週間。今まで大きな失敗もなくここでやってこれたのも、ケイティーとシェリーのおかげ。今月いっぱいでお店を辞めることをオーナーであるケイティーに告げたら、『あら、今月いっぱいで? まぁー、なんだか寂しくなるわー。でもハニー、いいお仕事が見つかったんだもの。しっかり頑張るのよっ。』と笑顔で言ってくれた。もう涙ものですぅ。アメリカでの初めての職場で、こんないいボスに恵まれた私は本当にラッキー。だからこの最後の1週間は、感謝の気持ちをこめてしっかり仕事収めをしよう。今まで本当にお世話になりました。でも、たとえお店は辞めたって、道を挟んですぐそこにいるんだもん。時々、ここに遊びにくるよっ。

そしてまた、最近インターネットを通してお友達になったMakiさんにも、この場をかりて一言お礼を言いたいと思います! サンディエゴ在住6年目になるMakiさんには、こちらでの就職活動についての情報をたくさんいただきました。ほんとにありがとう! そして、どうぞこれからもヨロシクね。

あ、それから、ホームページの更新ももちろん今まで通り頑張ってゆくつもりですが、多少のんびりペースになるかもしれません。でも、これからもどうぞChumpkin's Homepageをよろしくお願いします!

さ、Chumpkinにとって、また新たな出発。ちょっぴり緊張の今日この頃である。

 


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