毎週日曜日、私達は教会に通っている。
ダーリンはクリスチャン(プロテスタント)で、12歳のころから両親とともにこの教会に通っていたので、日本から戻った私達もごく自然にこの教会に通い始めることになった。実は、私を含め、日本にいる私の家族もみなクリスチャン(カトリック)であるので、宗派が違うとはいえ、教会に行くことに対してはまったく抵抗を感じることはなかったのである。
現在、教会のシニアパスターであるジョンは35歳を過ぎたというところ。アメリカ人らしく、お話し好きで、もちろんギャグのセンスも備えていて、話していると元気が出てくる、実にパスターにぴったり!という感じのナイスガイである。
その昔、ダーリンが高校生だった頃、新任のパスターとしてこの教会にやってきた。以来、ダーリンとはいわゆる「マブだち」で、当時の悪ガキ高校生だったダーリンのグループと一緒になってイタズラをしたり、教会の様々なイベントを盛り上げるためにがんばる高校生の彼等に何かと協力してくれたり、または十代の多感な年ごろの彼等の悩みに対しては、親身に相談にのってくれたりと、なくてはならない存在だったのだそうだ。ダーリンは、今でも彼のことを実の兄のように慕っていて、事実、彼の影響で、進学する大学はかつてジョンが通った、パスターになるためのコースを持つオレゴン州の某クリスチャンカレッジを選んだほどである。(後に目標が変わり、学校はチェンジしたものの、結局こうしてオレゴンに来たことで、私と出会うことにもなったわけです....)
さて。私は、取り立てて人よりも信仰心が強いわけではない(おー、こんなことを言うとマズイ?)のだが、実は教会に行くのをとても楽しみにしている。なぜなら、素晴しい聖書の言葉や、ためになるお説教が聞けるからである...と書ければよいのだが、これがちょっと違うのである。なんともひどいクリスチャンである....。ま、もちろんそういった気持ちがまったくないわけでもないけどね。では、なにが嬉しくて教会に行くのがそんなに楽しみなのかというと、実は1時間ほどのサービス(カトリック式だとミサ)の間に、聖歌隊が歌う聖歌と、アシスタントパスターであるディーンの奥さん、アニータが弾く生のピアノ演奏が聞けるからなのだ。
聖歌隊とはいっても、特別にプロがやって来て歌うというのではなく、教会のメンバーがボランティアで集まったものである。クリスマスに向け、つい最近再結成されたばかりで、この聖歌隊を引っぱるのはアニータ。かれらの出番は、今のところサービス(ミサ)の始まりの1曲だけ(笑)。あら、さびしーって感じだが、まだ再結成されて間もないのでしょうがない。サービス(ミサ)のあたまにドカンと1曲だけ、なのだ。また、聖歌隊といっても、ここはプロテスタントの教会。ピアノの伴奏で歌う、もの静かな曲もあれば、バンドの演奏に合わせてうたうポップな曲までと様々である。メンバーは、みんな歌が大好きなだけあってなかなか上手い。まさに手作りの聖歌隊であるが、結構聞きごたえがあるので、私は大好きである。
それから、アニータの弾くピアノ。アニータは、サービス(ミサ)の間に歌う、全ての聖歌の伴奏も担当しているが、歌の合間、ジョンのお説教の合間にも常にピアノを弾いている。しーんと静まり返った教会の中を、アニータの生のピアノ演奏だけが流れるのは本当に素敵なのだ。これが、実に心の中にしみてくるものなのである。教会に来るだけで、何だかとても厳かな気持ちになれるものだが、このピアノ演奏を聞くことで、さらに心の中が洗われるような気がする。その上、たまには彼女の弾き語りが聞けたりなんかもして、そうなると『おおー、やったね!』なんて思いながら、もううっとり聞き入ってしまう。アニータの歌声も、実に素晴しいんです。まるで、無料のピアノコンサートに来たような気分。一流のピアニストの演奏ではないけれど、心のこもった演奏は何か暖かいものがあるんです。自分に正直になれるというか、とても幸せな気持ちになれるというか...。アニータには2歳くらいの一人娘がいるけれど、こんなママのピアノと歌声を聞きながらお昼寝できる子は、なんてラッキーなんでしょー!
と、こんなわけで、毎週教会に行くのを楽しみにしているのである。異国の地でがんばる私の中には、知らず知らずのうちに結構ストレスは溜まるもの。教会で音楽に触れることは、私にとって一つのストレスの解消法、そして一種の心のビタミン剤というわけなのである。
日本中を駆け巡った(らしい)アムロちゃんの電撃結婚のニュースにはほんとに驚きました!
が、そんなことをここに住む私が知る由もなく、じゃあ、どうして知ったのかと言うと、何の偶然か(ホントにそうなんです!)、その日にネットでアムロちゃんのオフィシャルサイトを見たからなのである。これまた偶然に(これもホントにそうなんです!)、アムロちゃんのCDをバックミュージックで聴きながら、時には曲に合わせてハミングしながら、ネットサーフする超ごきげんの私の目に入った「安室奈美恵&SAM 結婚おめでとう!」の文字....。『なにうぉぉー!!けっ、けっこん??』
何を隠そう、ビッグファンではないものの、隠れファンの一人であった私なのである。白状するとアムロちゃんのホームページも、ブックマークに入ってる.....。アムロちゃんの踏み絵なんぞ出てきたら、たぶん踏めないでしょーね....。コンサートまでは行ったことがないとはいえ、そーいうのをあなた、ビッグファンってゆーんですと言われればそれまでなわけで、わけで...。
まー、ほんとにびっくりしましたよ。このニュースを目にしたときは、ネット上でもまだ速報の段階で、詳しいことは何もわからない。間もなく仕事から戻ったダーリンに、速攻、興奮で鼻息もあらい状態で『ねーねー、すごいニュース! アムロちゃんが結婚したんだってぇー!』と報告。すると、ダーリンも『ナミエ? What !?』(この場合のナミエには、「ナ」の部分にアクセントがあるので注意!)と、それはそれは驚いた様子でありました。ダーリンは、別にファンでも何でもないのだが、歌とダンスの上手さは認めていて、私がしょっちゅうCDを聴いてるせいか、サビの部分だけは歌える曲もチラホラあったりなんかして....。でも、君、親戚でも知り合いでもないのに「ナミエ」と呼び捨てはないでしょーに。
翌日、ネットで再び彼女のページに舞い戻り、無事に(?)詳細を確認。ダイジェスト版の結婚報告会見ビデオもしっかり見て、なんとか落ち着いた私である。んー、インターネットをやっててホントよかったぁ。
アムロちゃん、どうぞお幸せに。