96年1月12日

今年は格好をかえり見ず、がむしゃらに前進していきたいと思います。今の自分が最もしたいことは、多くの人々と様々な話しをすることで、自分の考えを結晶させて行くと同時に、もっと自分の器量を大きくしていくことです。こちらでは諸外国の人とはそうする機会が数多くありますが、「話せる日本人」はあまりいないので、もしも、この事に興味を持って頂ければ、今後、emailなどでいろいろ話させて頂きたいと思います。
現在の関心は大変幅広く、ジャンルを問わず、何を話していても楽しいです。とりわけ興味のあるトピックを挙げれば、個人と社会/組織の関係、Jazz、香港の返還問題と3つの中国の将来、インテリアデザイン、科学技術と倫理(Jurassic Park 2に影響されている)、などなどです。

とりあえず、今回は、このようなことを考え始めた理由だけを漠然と書きます。その殆どは、社会に対する疑問と何とか現状を変えたいと願う青臭い考えから湧き出ていることがわかって頂けると思います。

"What makes your quality of life highest?"、つまり「あなたの生活を最も素晴しくしてくれるものは何?」とJさんに聞かれた時、とっさに出た答えが「できるだけ多くの人々がhighest quality of lifeを追及できるような環境を整えること」でした。このやりとりは、自分の関心が都市計画の中でも社会学的な側面にあることを確信させてくれました。

外国で出会った多くの人々は、各自が自分なりの「それ」を見つけて、その実現の為に生きています。内容は何でも良いのです。それは素晴しいことです。しかし、今の日本には、そのような生き方をする環境ができていないし、皆がこの状況に対して悲観的であるにもかかわらず、変革の兆しが見られません。パリ滞在中に、村山首相が辞任しミッテランが亡くなり、両国のトップ政治家を比較する機会がありましたが、実行力のあるリーダーがいる国が本当に羨ましいです。

岩波新書「ヨーロッパとは何か」(P114)にローマ帝国過渡期の人物批評に以下のくだりがあります。

世俗の無常を感じ、権勢のはかなさを感じて、逃避することは誰にでもできる。逃避や瞑想でなく、これを新しい実践の足場として築くことは大変なことである。いや、それを民衆と共に組織化し、社会体制を変革するほどの見通しをつけることは、よほどの人物でない限り不可能にちかいというべきであろう。
自分としては、上記のことを都市計画の視点から捉え、更に他分野を含めた多くの人々との協調によって、成し遂げていきたいと考えます。学生である今こそ、大望を捨てず、その為に必要なことを一つでも多く吸収していきたいと思います。それ故に、できるだけ多くの分野の学術書を読み漁り、うっとうしいくらい議論および質問をしまくることを今年の目標とした次第です。
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