96年10月10日

日の暮れるのもすっかり早くなり、紅葉のきれいな秋がやってきた。が!、ここ数日は異常気象でTシャツ+短パンでも汗だくで苦しんでいるところ。気が着けば今学期も半ばを迎えており、勉強の方もなかなか「死に物狂い」になってきた。

昨日、スタジオのプレゼンテーションがあり、しばらくは睡眠を削りまくってプロジェクトに没頭する日々。今回の課題は、「サンフランシスコ市内40m x 70mの敷地に低所得者向け住宅を提案する」というもので、デザインは勿論した上で、それを財政的実現性を収支計算表で証明するというのがミソ。デザインの部分は楽しいことこの上ないが、これを支える市場分析や利用可能な資金プログラムの調査などは、全く途方もなく大変な作業。役所やら専門家やらに電話しまくり、実際にインタビューしてみてわかったのは、「安価な住宅を都心に建てることは非常に難しいが、アメリカではそれに挑戦している人が多い」ということ。東京の住宅事情を話すと、皆が「オー、クレージー」と盛り上がる。ともあれ、3人のチームメートにも恵まれ、最優秀プロジェクトにも選ばれ、大変楽しい課題だった。

もう一つ、山場を迎えているのが、Pacific Rim HELPという名前の人的ネットワークを立ち上げるプロジェクト。その目標は「環太平洋地域のまちづくりの関する経験/知識を交換して、より良いまちづくりを目指そう」というもの(詳しくはWeb Pageを見て!)で、今はバークリーの学生をかき集めてコンセプトをまとめているところ。アメリカ、カナダ、コスタリカ、チリ、台湾、香港、中国、インドネシア、フィリピン、ベトナム、ニュージーランドと集まると、そのごちゃまぜぶりはなかなか壮観で面白い。言いだしっぺの手前、ここまでの作業は一手に引き受けており、なかなかしんどい。英語で会議の進行役をやるのって、すごく良い経験だが、終わる頃にはもうへとへと。ともあれ、卒業後にも、大学に足跡が残ると思うと張り合いも出る。興味のある方、連絡ください。

それから、9月頭から毎週金曜に5時間ほど、サンフランシスコ市都市計画局でインターンを始めたのも大きなチャレンジ。アメリカで最先端を行く都市計画を内側から観察してみたいのと、卒論:「サンフランシスコ市におけるコミュニティの利害と広域的な利害との調整」の準備を兼ねているのだが、これがなかなか面白い。具体的にSouth of Marketの74haの地区更新プロジェクトチームに入っている。幸い、周りの人々が創造意欲に燃えたアーバンデザイナーばかりなので、「お役所」のイメージとは随分異なる印象。住民ワークショップとかに参加する機会もあり、いい勉強になっている。

先週の金曜に、Michael Breckerのライブに行ってきた。すごい感動。彼のサックスは魔法のように変化し、楽しいリズムから心に染みるメロディーまで、自由自在に表現してくれる。ラジカセで聞くのとは大違い。これが$18なのだから、もっとしょっちゅう行かなきゃ嘘だ。

来週は木曜に中間試験があり、今週末はコーヒー片手に頑張ることになりそう。泣いても笑っても後7ヵ月で卒業なのだから、精一杯楽しまねば!

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