96年6月25日

6月初めの1週間はMexicoのYukatan半島に行ってきました。Meridaはメキシコの文化とスペイン植民地の影響が混じり合った街で、途上国の生活感が溢れていました。ひどい排気ガスに熱帯の暑さが混じり空気が重い。Uxmal, Chichen Itzaのマヤ遺跡はいずれも圧倒的でした。欧米、アジア、イスラムのいずれとも全く異なる洗練された文化が、遥か昔に、それもジャングルの真ん中に栄えたとは全く不思議です。当時の生活を偲ばせる建築群の中を歩いていると、その配置計画の素晴しさに大変な刺激を受けました。その後行ったCancunはアメリカ向けリゾート。カリブ海の色(ターコイズブルーというそうな)と、シュノーケリングで見た熱帯魚の美しさは忘れません。(Cancunを除けば)Mexicoの物価の安さにはびっくり。日米などとの価格差がいつか埋るとはとても思えない。

その後、バークレーに戻って1泊。荷物を詰め替えて、Washington DCおよびWilkes-Barre(NYから車で1.5時間の街、Pennsylvania州)で行われる2週間のworkshopへ。これは、EDAWという環境設計および都市計画事務所の主催する学生向けプログラムで、11人の学生を全米から集めて行うもの。今年のテーマは、街を活性化するための「レクリエーション計画および産業団地設計」でした。2週間、朝から深夜まで、レクチャー、敷地調査、ディスカッション、ドローイングに追われ、過酷なスケジュールでしたが、地域住民および専門家向けの計2回のプレゼンテーションは大変貴重な経験でした。Wilkes-Barreは50年以上も前に栄えた石炭の街で、廃虚と化した炭鉱施設があちこちに放置されています。住民も欧米人種ばかりな上、高齢者ばかりで本当に活気がありません。それゆえに、我々の訪問は街にとっての大事件で、地元紙が3回も取り上げるほどの歓迎ぶりにびっくり。学生にはBulgarian, Taiwanese, Canadian, Mexicanも含まれ、undergradとgraduateも約半々。既婚者4名(内3人女性!)で、大変陽気で乗りの良い人々でした。EDAWのプロ(含社長)もほとんど友達感覚でした。彼等のAlexandria支社には約40人が働いており、アメリカでは「大規模」になるのですが、日本の「大企業」で働いていた自分には、本当に心地よい大きさでした。老若男女、皆楽しそうに働いているのが印象的でした。

さて、日曜に引っ越しを終え、月曜からはEDAW San Francisco本社での8週間のインターンが始まりました。ここは本社だけあって多少規模が大きく約50人が働いています。初日の印象は、「働く緊張感が懐かしい」に尽きます。ネクタイをして、地下鉄に乗り、都心を歩いたのは本当に久しぶりです。大自然も田舎も良いけど、やはり都会の空気が一番自然なのかもしれない。今後、どういう展開になるか楽しみです。

ともあれ、ようやく家に落ち着くことができて、正直ほっとしています。今、欲しいのは刺激よりも休養です。

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